第20話 始まりの時・・・

シン達が祈りから帰って来るとリンが目覚めた


「ハッ!!なぜ私は此処に?」


「リンよ辛い思いをさせたな。

なぜ私との婚約を断らなかった?」


「ですが私も一国の姫ですこうなると分かっていたのです。

だから・・・・・・・・・」


「私はとても嬉しかったのだかな。」


「えっ!?私を好きと?」


「ああ、私はお前が幼い頃から翡翠の後ろからついて来て顔を出してくれるのが楽しかった。

いつしかお前を好きになっていた。」


「シン様・・・・・・・。

ですが私はドールに何かを飲まされているのです。

何か感染病を身体に持っているのかもしれません。

諦めになられて私を国に帰してください。」


「いや、お前はもう私の妻だこの国から出る事は許さん!!」


「ですがシン様まで病気になられては私は兄に顔向けが出来ません!!」


「話しをよく聞いていたか?

お前は私の妻だ。」


「シン様・・・・・・・・」


「ドールの事や病気の事は良い!!

私のそばにいてさえしてくれれば良い。」


シンはリンなひたいにキスをして部屋から出て行った。


「リューン、遺跡の事はお前に任せたぞ!

何か情報が入れば報告してくれ」


「ハッ!!」


その後姫羅が金の鳥にこの世界に降臨したのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


リューンは姫羅と城に来ていた


「済まないな・・・」


「いえ、姫羅が行きたいと言いますので」


「有難う姫羅」


「いえ、私に出来ることなら行かせてもらいもす」


「始まりの国には使者を出してあるから安心して行くといい」


「はい」


後日旅立つことにした始まりの国では・・・


「龍・・・伝説の女神がこの国に来るそうだぞ!」


「それは本当か?」


「ああ、凍える国の王妃のドール病を治したそうだぞ」


「それが本当なら・・・」


「このワクチン作りも終わりだな・・・」


「ああ・・・悲惨な結果をこれ以上出したくはないからな・・・」


龍達も伝説の女神に期待をよせる


リューンと姫羅は馬に乗り始まりの国に半日で着いた


「凍える国から来た者だ」


リューンが言うと門まで王・翡翠が出迎えたのだった


「ようこそ始まりの国へ・・・」


リューン達は馬から降り挨拶を交わした


「お久しぶりです翡翠様・・・」


「元気なようだなリューン」


「はい・・・」


「お前には無理な願いを聞いてもらい感謝する」


「いえ・・・姫羅が承知しまったので・・・」


「そうか・・・感謝する」


「お体の具合が悪そうですね・・・」


「えっ・・・」


「大丈夫ですよ」


微笑む姫羅そう翡翠も又ドール病に感染していた。


「リューン、疲れたのではないか?」


「いえ、俺は大丈夫ですが彼女が・・・」


「私も大丈夫よ」


姫羅は歩き出すのだった


「姫羅、どこへ?」


「呼ばれているのここに来てと・・・」


たどり着いたのは花見の名所である桜並木だった


「かわいそうに・・・こんなに枯れ果てて・・・」


「・・・ここは花見の名所なんだよ」


「リューンは始まりの国の事よく知っていつの?」


「ああ・・・王妃の兄の国だからな・・・」


「リン様の・・・」


「ああ・・・彼はリン様の兄なんだよ」


「そうだったの・・・じゃ、翡翠様はかなりリン様のこと心配したのね」


「えっ?」


「手を握られたとき感じたの・・・」


「そうか・・・で、今から歌うのか?」


「ええ・・・リューン、翡翠様に言付けして欲しいの」


「ああ」


「私が歌い終わった花が咲き乱れ舞い散るの」


「今から花が咲くと?」


「ええ、楽しみにしていて、その花びらが舞い散っている間にドール病にかかってる人たちをカプセルから出してあげてと」


「分かった・・・」


姫羅が歌い始めた時に翡翠に伝え姫羅の隣に戻ったリューン


歌が終わると不思議なことに枯れ果てていた木々や草花が蘇っていくのだった


「これはすごい!!始まりの国が蘇っていく・・・」


翡翠の目からは涙が流れ落ちていた


「翡翠様、始まりの時ですね・・・」


「有難うリューンそして伝説の女神よ・・・」


姫羅はリューンの腕の中で眠っていたのだった


「龍!!!どうだ沙羅沙は?」


「ああ・・・」


元気そうな沙羅沙を見て


「よかったな」


「本当に伝説てものは実在するんだな・・・」


「ああ・・・」


花びらが咲き乱れ舞い散る様をいつまでも眺める始まりの国の者達と翡翠


「翡翠様、俺達はこれで帰ります・・・」


「泊まっていってくれないのか?」


「すいません・・・彼女を休ますことが俺にとって大事なんです」


「そうか・・・感謝するぞリューン」


「はい、ローズ様にも宜しくお伝えください」


「ああ・・・」


リューンは姫羅を抱き始まりの国を出るのだった


ー春が終わりを告げ夏が訪れるのだったー

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