第19話 王翡翠の罪

王翡翠と研究室室長ドールが言い争って居た


「どうしてですか兄さん!!

リンは私と結婚するはずては!?」


「許してくれドール。

もう決まってしまったんだ・・・・・・・。」


「理解に苦しみます!!

いずれリンを妻にとオススメになりながら私は貴方に遊ばれているのですか?」


「ちがう!!

これも国を存続するために必要だったからだ!!

今や最強の国 凍える国を味方に付けなければ国の存続も厳しいのは分かるなドール?」


「それは分かりますがなぜリンを凍える国に嫁がせないといけないのです!!

他の方法もあるではないですか!!」


「ドール・・・・・・・

もう良いわ、私も一国の姫です。

国の存続がかかっているのだから喜んで凍える国に行きます。」


「君まで!!

リンは私を好きじゃないのか?」


興奮するドールを鎮めるためリンはドールの手を取る


「ドール、これは私の運命なのよ。

それに一生会えないわけでもないわ」


「だけど!!

君が他の奴の物になるのを見ていろと?

私は理解に苦しむ!!

こんなに君を愛しているのにどうして?」


ドールはリンの手を振り払い部屋から出て行くのだった。


「ドール・・・・・・・・・」


「リン、すまない。」


「これも私の運命です。

国の為私は王シンの妻になります。」


「ドールがなっとしないのも分かるがこれしかこの国では方法がなかったんだ。」


「仕方ないわよ兄さん、凍える国には核の国の最強の戦士リューンがいるのだから戦にならない様に私も頑張るわ」


「リン・・・国の存続でお前を使いすまない。

春の始まりの祭りの日に婚約を発表すらから頼む。」


「はい兄さん。」


リンも部屋から出て行くその夜ドールと密かにあって居た。


「リン此処だよ」


「ドールどうしたの?」


「もうこうしてしか会えないんだ。

兵に君に会う事を兄さんから止められていると言われた。」


「そんな・・・。」


「兄さんは私に君を諦めて欲しいのさ!!

リン一緒にこの国を出ないか?

君となら私は何処にでも逃げる覚悟はある。」


「有難う、でもあの凍える国を敵に回してはいずれ引き離されるわ。

私も受けたのだから覚悟はあるのドールごめんなさい。」


「リン!!君まで私を捨てるのかい?

私は諦めていないよ!!」


「ドール・・・・・・・・・・」


「誰か来る!又会いに来る」


ドールは足早にリンから離れ研究室に戻るのだった。


絶対にリンは渡さない!!


ドールはある研究に没頭するのだった


春の祭典まで後2日となった頃あまりにも研究室に篭っている室長ドールを心配し副室長龍が声をかけた。


「ドール博士熱心になんの研究ですか?」


「龍君、君も頑張っているね。

君にはとても期待しているよ。」


「嬉しいお言葉有難うございます。

私も手伝いましょうか?」


「いや、大丈夫だよ。

それよりもう遅いぞ沙羅沙君がほら待っているじゃないか?あまり女性を待たせては駄目だぞ!?」


「は、はい・・・

ドール博士も遅くならない様に俺はこれで」


「ああ、お疲れ様。」


「お疲れ様です」


龍は沙羅沙と帰って行くのだった


これが出来ればリンは私のもの一生離れる事もない・・・・・・・・・


「ククククク・・・ずっと一緒だよリン」


ドール博士は暫し変になっていた


春の祭典が翌日に迎えら為国では前夜祭で盛り上がっていた。


「リン此処だよ」


久しぶりに会う二人


「ドールごめんね、兄さんがあんな事を言い出したから・・・」


「もういいんだ、一つお願いがあるんだいいかな?」


「私に出来ること?」


「ああ、私も君の婚約に賛成するよ。

運命なんだろ?」


「ドール有難う!!

分かってくれるのね。」


「ああ、その代わり最後に君にキスをしていいかい?」


「ドール・・・」


リンは涙を流しドールはリンを抱き寄せる


「君は美しいままだよ。」


「えっ?」


ドールにキスをされた時に何かを飲まされるリン


「ゴクリ!!ドールなにを飲ませたの!?」


「私と君が幸せになるものだよ。

愛するリン美しいままで・・・・・・・」


ドールは去って行くのだった。


リンは兄翡翠にドールに何かを飲まされた事を言えなかった。


翌日


「今日は始まりの国の新たな門出だ!!

凍える国との平和を祈り私の妹リンが王シンと結婚する事になった!!

皆祝福してくれ!!」


わー


わー


御幸せに!!


民からの祝福の言葉と共に出て来たのはドール博士だった。


「王シン様、リン様、ご結婚おめでとうございます。

私からも祝福の贈り物があります。」


「何者だ?」


「シン様、始まりの国の研究室室長ドール博士です。

とても頭が良くなんでも出来ると評判の方です。」


「はぉ〜君がドール博士か凍える国でも話しは聞いているぞ。」


「有難き幸せです・・・

では私からは始まりの国の門出と結婚の祝福を!!」


花火が上がるが空から待って来たのははいだった


「シン様これを!!」


リューンが素早くマントを羽織らせるのだった。


「ドール!!な、何をした!!」


「ククククク、あははははは!!

始まりの国よ〜この灰をあび朽ちるといい!!

リン君は美しいままだよ。」


ドール博士の手には銃を握っており自分のこめかみに当たて優しくリンに微笑む


「ドールやめて!!!!!!」


「愛しているよリン」


ドキューン!!!!


「イヤー!!!!ドール!!!!!」


リンは気を失うがシンが抱き止めていた


「翡翠どうなっている?

この灰はなんだ?」


「私にも分からない!?

最悪細菌兵器かもしれんシン直ぐに帰ってくれ。

お前に死なれでもしたら大変だ!!」


「分かった、だがリンは連れて行く。」


「だが・・・リンは既にドールに何かされているかもしれない!!」


「よい、もう私の妻だ私の好きにする。

行くぞリューン!!」


「ハッ!!」


シンはリンを連れ帰るのだった。


その後翡翠からの手紙によるとドール博士が作った細菌兵器だと分かる。


最愛なる友シン

あの灰はドール博士が作った細菌兵器と分かった出来ればリンを国に帰してほしいお前の国で感染病が流行ると困る。

急いでワクチンは作らせているが目処が立たない身体の異変があればあまり外に出ないでくれ。

翡翠より。


「矢張りそうだったか・・・」


シンは手紙をだす。


心の友翡翠

リンは私の妻だ帰す訳にはいかない。

それにワクチンが出来れば連絡をしてくれお前の国を責めはしない。


「シン・・・・・・・・

くっ、すまない。

私がドールとリンを引き離したから悪かったのだこれは私の罪だ・・・・」


翡翠は国が朽ちていく様を見ているだけだった。


「リューン!!いるか!!」


「はい此処に!」


「伝説を信じ遺跡に行く。」


「ハッ!!」


遺跡に着くと王シンはリンを祭壇に寝かせ祈る


「我はこの国の王シン!!

この者の病魔を治して欲しく来た!!

神よ!!!!

我が願いを受け入れたまえ!!!!」


必死に祈るシン。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


遺跡が一瞬光ったようにもみえた


人間よ・・・


その願い承ったぞ・・・・・・・・。


金の鳥は消えるのだった。


ドール博士

誠実で心からリンを愛した男。

細菌兵器を作り自らリンの婚約の日にばら撒き自害した博士。


その後その細菌兵器はドール病と名付けられた。

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