第18話 悩み

昼になりリューンの家に王と王妃が訪れた


コンコン!


「リューン誰か来たわ」


リューンが窓から見ると王と王妃が立っているのに驚いた


「リューンお昼中か?」


「いえ今済みました、どうぞ中へ!?」


「すまんな・・・」


王たちが入って来たので姫羅は飲み物を出すのだった


「話があるのだが・・・」


「はい・・・」


姫羅は奥の部屋に行こうとすると王が呼び止める


「姫羅さんにも話しがあるんだ、聞いてくれないか?」


「はい・・・」


王が話しだした


「リンの事でまずは礼を言う姫羅さん有難う。それとリューン掟の事だが式の日取りとか決めたのか?」


「いえまだです姫羅の体調の事もありましてまだ、先延ばしにしたいのですが?」


「そうか・・・そんなに体調が良くないのか?」


王は姫羅を見ていうがリューンの事も気遣い苦笑いする姫羅だった


「お言葉ですがリン様の件以来、姫羅は順調とは言えません!?」


「そうなのか姫羅さん?」


「あ・・・その~」


リューンの顔色を気にしながら曖昧な返事になるの姫羅


「シン様、リン様・・・今日ここに来たのはその話だけではありませね」


リューンの顔が険しくなる


「ああ・・・そうだ」


「姫羅、ここからは他の話しになるから奥の部屋で休んでおいで」


「良いの?」


「ああ・・・」


姫羅を部屋から追い出すように奥の部屋へと連れて行くリューン


「シン・・・やはり無理かしら?」


「話してみないと私も分からない」


「ええ・・・」


リューンが戻ってくるとシンは話しだした


「リンの兄を知ってるな」


「はい、翡翠様が何か?」


「彼の国がドール病で」


言いかけるとリューンは即返事を返した


「シン様その話しはお断りしてください」


「・・・まだ話しの途中だぞ!?」


「話しをお聞きにならなくとも分かります、姫羅はこの国から出しません!」


「リューンそこをなんとかならないのか?」


「すいません・・・これ以上姫羅を危険にさらすわけにはいきません・・・」


断固考えを変えないリューンにリンが言う


「確かにリューンの気持ちは分かるわ、でもこの国だけ伝説の女神を独り占めは争いの引き金になるわ。

お願いリューン、姫羅さんを始まりの国に連れて行ってほしの・・・」


「リン様・・・それは・・・」


「返事は今日じゃなくていいの、早めにお願いするわ」


「・・・・」


王達は帰るがリューンは腕を組み悩むのだった


リン様の件以来姫羅が東の国に行かなくてはいけないのと言っていた、だが俺は姫羅を他所の国に出したくない・・・


また倒れでもしたら彼女の体は平気なのだろうか?


病気にでもなってしまったら俺から離れて行ってしまわないだろうか?


考えていると姫羅が部屋から出てきて言う


「リューン・・・王たちを困らせたらいけないわ」


「聞いていたのか・・・」


「あれだけの言い争い聞こえるわ」


「だが!姫羅にまた何かあれば俺は君を守れないかもしれない」


「大丈夫よ・・・私はこの世界に来たのは始まりの国の感染病を浄化する為でもあるのよ」


「じゃ・・・約束してくれ、ずっと俺の側に居ると!!」


「ええ、約束するわ、この命が尽きるまで貴方の側に居るわ」


「どうして君はこんなにお人好しなんだ・・・嫌なら嫌と言えば良いのに・・・」


「私はリューンが好きそれだけよ」


「・・・分かった、明日にでも王に返事するよ・・・」


「ええリューン有難う」


微笑む姫羅にリューンは悩み続けるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る