第16話 伝説の女神
朝から姫羅は忙しそうに家の仕事を済ませていた
「姫羅、まだそんなに動いたら駄目だよ!?」
「でも・・・早く終わらさないと出掛けられないでしょ?」
「出かけるどこに?」
「何言ってんの、王妃様に会いに行くんでしょ!?」
「俺は行くとは言ってない!!」
黙り込むのリューン
「えっ?」
「今日は出掛けない・・・」
少しムッときた姫羅は
「そう、リューンは家に居るといいわ!!
私だけ行くから!」
「なに!」
「怖くないわよ!昨日会いに行くと言ったじゃない!!」
「駄目だ!」
「リューンは見捨てるというの王妃様を?」
「それは・・・違うけど、姫羅にもしもの事があれば俺は!!」
姫羅はリューンに抱き付き言うのだった
「私は大丈夫ねっ!少し会うだけだから」
「・・・一つ約束してくれ」
「私に出来ることなら・・・」
「俺の側から離れないこと、いいな」
「うん」
午後から王妃に会いに行くことにした二人、警備の者たちが言う
「あれリューン様だよな・・・」
「見れば分かるだろう・・・」
「リューン様もあんな穏やかな顔をされるんだな・・・」
「そりゃ・・・ああ綺麗な女性を連れる時は誰だって・・・」
「なんて綺麗なんだ・・・」
「女神様みたいだよ・・・」
皆、姫羅に見とれるのだった
「姫羅まだその足ではこの階段は無理だ」
リューンが抱き上げ城に入って行くのだった
「ようこそ我が城へ」
「お招き有難う御座います」
「リューン、礼を言うぞ」
「いえ・・・」
「こちらへ」
シンが案内すのだった
姫羅から王シンは青い髪に青い瞳、凛とした面持ちでリューンと同じ鍛え上げた筋肉がマントから見え隠れする男らしく見えた。
「素敵な王様ね」
「ああ、なんでも出来る方だからな。」
リンの部屋に入ると重々しい空気が漂っていた
「リューン・・・カーテン開けられないの?
こんなに暗くては気も滅入るわ・・・」
姫羅が小声で言うとリューンも苦笑いする
「そんなこと言えないんだよ・・・」
「そう・・・」
リンが話しかけてきた
「姫羅さんと言いましたね・・・」
「はい、今日はお招き有難う御座います」
「リューンはここに来る事反対していたでしょ」
「えっ、いえ喜んでいました」
「そう・・・リューン有難う」
「い、いえ・・・」
「昨日・・・庭で歌っていた歌を聴きたいの・・・駄目かしら?」
青白い肌に緑の髪とエメラルドグリーンの瞳がとても美しく可愛らしい印象の王妃リン。
「歌をですか?」
「ええ、あなたの歌を聴いてからなんだか調子が良いの」
リンはシンに支えられながら起きるのだった
「リン様寝たままで良いですよお体に障ります」
「でも・・・失礼だし・・・」
「調子が悪い時は良いのですよ」
姫羅が笑うとシンはリンを寝かせるのだった
「リューン・・・一曲だけ良い?」
「・・・ああ」
「それと、カーテンを開けてほしのですが・・・駄目でしょうか?」
「カーテンを?」
「はい、カーテンを開けると気持ちいい風が入ってきます、気分も優れると思います」
「そうね・・・シン、リューン、カーテンを開けてくれる?」
シンとリューンはカーテンを開けカーテンが開くと姫羅は歌いだすのだった
澄み切った綺麗な声でリューンも驚くのだった
「綺麗な声だ・・・」
「は、はい・・・」
少し経つと姫羅の体が光りだした
「こっ、これは・・・」
「伝説の女神様みたいねシン・・・」
「ああ・・・」
歌が終わるとリンの顔色が良くなっていた
「どうだいリン・・・」
シンは心配そうに言うと
「とても気分がいいわ」
一人で起き上がるシンも嬉しく抱き締めるのだった
「リューン・・・」
「姫羅どうした!?」
「疲れたの・・・立ってられなくて・・・」
リューンに寄り掛かる姫羅、リューンは慌てたように抱き上げるのだった
「シン様、リン様今日はこの辺で失礼します」
急いで出て行くのだった
「シン・・・」
「なんだリン」
「リューンは本当に姫羅を愛しているのね、あんなに慌てふためいたリューンは初めて見たわ・・・」
「ああ・・・でも不思議娘だ・・・」
「何言ってるの伝説の女神様よ、髪も、肌の色も、眼の色でさえどこの種族とも違うもの」
「そうだな、あの、女が苦手なリューンでさえ虜になるからな」
「ええ・・・そうね」
家に帰ったリューンたちは・・・
「姫羅!大丈夫か?」
「リューン・・・疲れただけよ。
心配しないで少し・・・ねむ・・い・・・」
そんなに体力を消耗する程に・・・
君の身体は大丈夫なのか・・・?
寝てしまう姫羅を見ながらリューンは心配だった。
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