第15話 王妃リン
5日経った頃、あまりにも外に出ない姫羅を見兼ねてリューンは言う
「姫羅・・・ここに来てから外に出た事あるかい?」
「・・・ごめんなさい・・・出るのが怖くて・・・」
「そうか・・・今から庭に出てみるかい?
俺もいるしさ」
「うん・・・」
リューンは姫羅の手を引き庭に出る
「綺麗だろう」
「うん、花がすごい綺麗ね」
花に見とれる姫羅を見て少しは安心するリューン
「城内は警備が良いから安心して庭に出るといいよ」
「・・・うん・・・できるだけ出るようにする」
「ああ」
家に戻ると姫羅の顔色が良くなっていた
「そういえば・・・王妃様どんな感じ?」
「ああ・・・相変わず寝たままだよ・・・」
「そう・・・ワクチンとかないの?」
「それがまだらしんだ・・・」
「早く出来るといいね・・・」
「ああ・・・そうだね」
翌日
「シン様お話しが・・・」
「待っていたぞちょうどリンに会いに行くところだ来い!!」
「はい・・・」
王妃の部屋に向かう二人、リューンから外に出ろと言われていたので庭に出た姫羅は気分よく歌いだすのだった
「♫♪♫♪♫♪♪」
シンがリンの部屋に入ると驚くのだった
「シン!!!」
抱きつくリン
「リ、リン・・・大丈夫なのか?それに立ててる・・・」
「あの歌!!歌ってるの誰?あの歌聞いてから気分が良くて」
リューンが外を見下ろすと姫羅が歌っていた
「あ・・・姫羅」
「姫羅と言うの?」
「えっ、はっ、はい」
「彼女もここに呼んで、いいわよねシン!?」
「ああ、リューンの嫁さんらしいからな」
「ですが・・・彼女はあの件以来、人に会いたがらないのです・・・」
「そう・・・大変だったらしいわね・・・」
「はい・・・」
歌が止むとリンが倒れかけて
「あっ、力が・・・入らない・・・・」
「リン!!!」
シンが受け止める
「ごめんなさい・・・体が・・・急に動かなくなって・・・」
シンがべッドに寝かせると
「リューン・・・私からのお願いだ・・・
近いうちに彼女をリンに会わせて欲しい・・・」
「・・・近いうちに・・・俺はこれで・・・」
「済まないな・・・」
「いえ・・・」
リューンは持場に戻るのだったが家に帰るとリューンは姫羅に言う
「王妃が君に会いたいそうだ・・・」
「えっ!本当?」
「今日・・・外で歌っていただろ・・・」
「あっ、聞こえたの」
「ああ・・・いい声だった」
浮かぬ顔のリューンだった
「どうしたの浮かぬ顔だよ?」
「姫羅に病気でも感染したら・・・俺は王妃に会わせたくない・・・」
「でも・・・顔見るくらいなら良いんじゃないの?」
「姫羅!俺の話しちゃんと聞いてる?」
「聞いているけど、だって・・・寝たきりで話し相手も欲しいかと・・・」
「その話しじゃなくて、病気が感染したら俺は・・・」
「リューン大丈夫よ、それに私はここの病気にかからないかもしれないじゃない」
「だが!」
「リューンのお姉さんみたいな人なんでしょ!」
「あぁ・・・」
「明日にでも会いに行きましょ」
「・・・・」
リューンは返事をしなかった
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