第14話 掟

姫羅の手当をしながら自分の無力さを責めるリューンいきなり姫羅の体が動く


ビクン!!!!


「いやぁぁぁぁぁ!!!!」


暴れる姫羅の身体を慌て抱き締めるリューン


「姫羅!俺だ!リューンだ!!」


リューンの顔を見るなり泣き出した


「うっ・・・ぐすっ!リューン、私、私・・・」


まだ混乱しているようだった


「大丈夫だよ、俺はここに居る」


抱きしめながら言うとしばらくして落ち着いたのか姫羅が話す


「家が壊れていない・・・」


「ここは俺の本宅なんだよ・・・」


「本宅?」


「姫羅には話してなかったね・・・俺の家は2軒あったんだよ」


「そうなの・・・」


「ああ・・・ここは安全だよ城の中にあるから」


「うん・・・」


姫羅が起き上がろうとすると


「まだ寝ていたほうがいい傷も深いところもある」


「でも食事は・・・」


「大丈夫・・・俺が作てあるから」


「ごめんなさい・・・」


「いや・・・俺こそごめんな、すぐに助けられればこんな怪我もしなくて済んだのに・・・」


「大丈夫・・・傷はいずれ治るから・・・」


リューンは姫羅に口付けをした


「こんな時にずるいと思うけど・・・俺とズット一緒に居てくれないか?」


「えっ・・・それって・・・」


「ああ、結婚してくれ」


「私でいいの・・・?」


「俺には勿体無いくらいだよ・・・

ダメかな?」


「私も貴方の側にいたい」


「有難う・・・」


食事をとったあと姫羅はすぐに寝てしまった


「精神的に疲れていんたんだな・・・」


姫羅の頭を撫でる


翌日リューンは姫羅が起きるまで待つ


「お早う・・・」


「お早うリューン・・・」


「仕事に行かないの?」


「まだ大丈夫だよ」


「うん・・・」


「今日は何もしないで休んでるといいよ」


「分かりました・・・」


リューンはしばらくして出て行くのだった


「リューンは居るか?」


「はい!シン様ここに」


「聞いたぞ・・・昨日は大変だったそうだな」


「はい・・・」


「じゃライもお前がだな・・・」


「はい」


「遺体は片付けておいたぞ!!」


「有難う御座います・・・」


「もう一つ・・・昨日女を本宅に入れたそうだな」


「は、はい・・・・・・・」


「掟は分かるな」


「はい、その事については・・・後日、話しをと」


「分かった待ってるぞ!!」


シンが城に入っていった


掟か・・・


この国は女性に優しい・・・


本宅に女性を入れたら一週間内に結婚しなくてはいけない・・・


今の姫羅の精神状態ではまだ無理がある・・・


悩むリューンお昼になり戻ってみるとやはりキッチンから隠れて様子を伺う姫羅が居た


やはり・・・


精神的ダメージが大きいな・・・


「姫羅オレだよ・・・」


「リューンお帰りなさい」


「寝ていて良いのに・・・食事つくったのか・・・」


「寝ているだけじゃ体が痛くて・・・」


「そうか・・・」


お昼を済ませてリューンは着替え始めた


「リューン?」


「午後から休みをもらった姫羅と居たくてね・・・おいで姫羅」


「有難う・・・」


ソファで抱きしめ合う二人だった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る