7話 ヨルムンガンド

最後の旅立ち



 これまでの冒険で、勇者たちはついにヨルムンガンドと戦うための『オベリスク』の作り方を手に入れます。しかし同時に、シースは【終末の狼】と化し、『闇』の側に行ってしまいました。

 次元倉庫さえまともに使えなくなった今、果たしてPCたちは最終決戦に勝利することができるのでしょうか……。


*  *  *  *  *  *  *  *  *

◆ 冒険の準備 ◆


ワイズマン:

 4人揃うのがはじめてセッション!


 決戦のテーマをBGMに、血眼ちまなこでショップを探しまわるみなさんの様子が見えます。


GM:

 そんな予感がします。


 さて、今回は特別ルールが色々ありますので以下にまとめておきました!


――――――――――――――――――――

◆今回のセッションの重要事項


・亜空間に物を収納できる能力者のシースがいなくなってしまったため、今回スタート時に持って行ける次元倉庫の中身は「1個だけ」となります。


・じゃあ次元倉庫の2個目以降はもう使えないの!? いいえご安心ください、本セッション中に次元倉庫の2つめ以降を取り出せる機会も用意されています!


・このセッション中、「『闇』の罠」イベントで触手を倒した数だけラスボスの攻撃回数が減少することを皆さんは知っています。


・ラスボスのブレスはPCが指定した【食品】【草】系アイテムが1つ消滅する効果がありますので【サボテンの肉】などはお早めにお使いください。

――――――――――――――――――――


マーシュ:

 PC名:マーシュ  クラス:【勇者】特徴:【最強の】【やたら硬い】【ドMの】【耳長】


 持ち出したアイテム:

 【壁壊の聖剣レーヴァテイン】


 「オレ……この戦いが終わったら結婚するんだ……」


GM:

 ってマーシュさんのコメントが死亡フラグー!!


マーシュ:

 これで耳長剣を引き出すのもある意味勇者セレクトですね。


クスクル:

 PC名:クスクル(美少女)  クラス:【狩人】特徴:【妖精】【最強の】【やたら硬い】【頼れるペット】


 持ちだしたアイテム:【緑の森の矢】


 他には某超絶美少女【妖精】アレイラと同じように【頼れるペット】を選んでるよ! ペットはアライグマなんだよねぇ~。


マーシュ:

 アライグマ……前世の自分の殻を使役してる……。


クスクル:

 やっぱり【犬】か【猫】じゃないとダメかなぁ……。


GM:

 【犬(アライグマ)】って書いておいてくだされば問題ないと思います! 前世力が感じられてすばらしい!


クスクル:

 性能が同じならアルパカでもゴリラでもいいですよね。


マーシュ:

 ゴリラってダメージボーナスが+3D6くらいいきそうなんですけど。


GM:

 1D6だと貧弱なゴリラだ……。


ワイズマン:

 PC名:ワイズマン  クラス:【理術士】特徴:【最強の】【やたら硬い】【知力+】【知力+】


 持ち出したアイテム:【チェインクロス】


 ドMでもなく、アンデッドでもない。人間のオッサンが旅立ちます。自分から様々なものを奪い取ってきた世界に、せめて一矢でも報いるために。


マーシュ:

 いいんです、生き残ってください……!!


ワイズマン:

 自分から死にに行くのとかっこよく死ぬのとは違う!


ロリア:

 PC名:ロリア  クラス:【騎士】特徴:【半獣人】【強そうな】【ドMの】【最強の】


 持ち出したアイテム:【大気の盾】


 なんかロールプレイよりもステータス重視みたいな特徴に。「強そうなドMの最強の半獣人」がここに生まれた。


ワイズマン:

 いよっ、頼れるタンク!


GM:

 「最強にドMな半獣人」とか言い出さないあたりがロリアさん!


ワイズマン:

 【大地の鎧】という最強装備ではないところに一抹の抵抗を感じますね。


ロリア:

 いま全員分のキャラシート見たら、みんな【やたら硬い】入れてた……。


ワイズマン:

 TRPGはローグライクではないので無思考で選択されるような特徴があったっていいんだ……【やたら硬い】【最強の】【ドMの】……!


マーシュ:

 だって……ほら……ね(狩人や理術士のLIFEを見ながら)。


*  *  *  *  *  *  *  *  *


GM:

 残りの魂ポイントは以下の通りです! よくここまで生きてこられましたねーよかったよかった。


マーシュ:

 よかったよかったに何かの作為をかんじる!


――――――――――――――――――――

◆現在の全員の【魂P】  ※初期6点、0になると物語上は転生できなくなる

 ロリア  1(1死1与3果て、で5点減少)

 クスクル 4(0死1取得3果て、で2点減少)

 ワイズマン 2(1死3果て、で4点減少)

 マーシュ 3(1死1取得3果て、で3点減少)

――――――――――――――――――――


ロリア:

 残り1!


マーシュ:

 クスクルの0死。


GM:

 では最終回、始めていきまーす!


ロリア:

 4人が世界を救うと信じて!


*  *  *  *  *  *  *  *  *

● オープニング


GM:

 さあ、いよいよ最終決戦です! みなさんの魂は再び大地に降り立っていきます……。


 4人はまた、「監獄世界」へ帰ってきました。ですが、この世界に降り立つのもきっとこれが最後のはずです。今度こそ、この戦いに勝利し、元の世界へ戻るのです!


 ということで、気がつくと皆さんはまた最初の城の薄汚れた謁見室にいます。壁には相変わらず、たくさんの廃人化した勇者たちが陳列されていますね。


 今回のプレイヤーはロリア、クスクル、マーシュ、ワイズマンの4人フルメンバーです! 残念ながらシースはいません。いるのは、皆さんだけです。


マーシュ:

 「くっ……みんな目がさめたか……?!」


ロリア:

 「う……ここは、また……」


ワイズマン:

 「くっ……やはりシースは……」


クスクル:

 「よーし、うにょうにょめー、かかってこーい」


GM:

 (イーリスもシースもいないからGMがしゃべれねえ!)


クスクル:

 シースのことはかくかくしかじかで聞いたことにしておこうー。


マーシュ:

 「ハッ、ハキム氏はどこだッ?! 前回、真っ先に狙われると……!」


GM:

 ハキムさんは3日目あたりにいると思います!


ロリア:

 3日目。みんなオベリスク建造中かな。


ワイズマン:

 ハキムさんが老体に鞭打ってそんな重労働を。


ロリア:

 今更ですけどオベリスクってなんかモニュメントみたいなやつでしたっけ。


GM:

 その通りです! 歴史的なものとほぼ形状は同じと想像してください。言葉で説明すると、すごくでかくて長い四角柱で先端がとがってます。


マーシュ:

 ほんとだ、ウィキペディアでググったとおりの見た目だ……!


GM:

 さて、そろそろいつも通り、ゴゴゴゴゴ……と城が揺れ始めます!


クスクル:

 「きたな!? うにょうにょ!」 弓を構えて……。


ワイズマン:

 「来たか……オベリスクの準備が終わるまでは相手にしないのが吉だな!」


ロリア:

 「こんな事に慣れてしまうのは嫌ですが、今はとにかく逃げますよ!」


GM:

 そう言った次の瞬間! 轟音ごうおんと共に城の天井を突き破り、超巨大な漆黒の触手が振り下ろされます!


 誰かがつぶされる……!


 みんなそれを覚悟しましたが、触手が叩きつけられたのはあさっての方角です! そこにいた廃人と化した勇者たちがつぶされ、あるいは吹き飛ばされていますが、幸運なことに皆さんに被害はありませんでした。


 一体、これまでと何が違ったのか? もし違いがあるとしたら、ヨルムンガンドの『眼』たるシースがいなかったこと……。


クスクル:

 「あら? あらあら~」


ロリア:

 「……誰も当たらなかった? いえ、考えるのは後です、今はとにかくここから出ましょう!」


マーシュ:

 最初にシースが触手にさらわれたのは、カモフラージュだったってこと……?


GM:

 そうですね! 最初はまだPCたちがそこまで脅威だと思われてなかったのと、怪しまれないようにするために全力で触手がシースを捕まえていました。


クスクル:

 前回潰された分の腹いせにちょっとだけ矢を刺しておこう、びゅん、びゅんっ。


マーシュ:

 「何をしてるクスクル、潰されるぞ!」と羽をつまんで走ります。


GM:

 さて、城中の天井を突き破ってドォォン! ドォォン! と巨大触手が叩きつけられ、天井の裂け目からは細い触手がモギャアアアと追いかけてきます!


ワイズマン:

 「うおおおお! 走れ走れええええ!」


GM:

 廃人勇者たちがつぶされるのを尻目に、皆さんは城の廊下を走り続けます……。


クスクル:

 「自動で移動するから【ST】消費ナシだね、やったぁ!」


マーシュ:

 「あーはいはい! もぐぞ!」


クスクル:

 「ぎゃ、虐待だーーーーっ!!!」


*  *  *  *  *  *  *  *  *


GM:

 さて、闇の触手から何とか逃げ切りました! 屋外に出ると、やっぱりこの世界の空は赤く、太陽は見えません。いつも通り、遠くの空には雷がゴロゴロしてて世界の終わりっぽい雰囲気です。


ワイズマン:

 「ゼェ、ゼェ、みんな……無事か……」


GM:

 (あ、ワイズマンさんアンデッドじゃなくなったからちゃんと疲れてる)


 落ち着いたら、皆さんはシースに教えてもらった方法で次元倉庫から一番大切な一品を取り出そうとします。


 そして次元倉庫からの引き出しは無事成功し、皆さんは望みの一品を取り出すことができました! これまでのシースは心の底から味方だったようです。


マーシュ:

 よかったよかった……シース、これからもズッ友だよ……。


 「さて、今回はどういった指針で動くか……」


ロリア:

 「ところで以前からクスクルさんの姿を見ていないのですが、どなたか彼がどうなったかご存知ではありませんでしょうか?」


クスクル:

 「クスクル、ここ、ここにいるよ、クスクル」 アライグマに乗ってる。


マーシュ:

 「ディスイズ クスクル」とそのままつまんでロリアに差し出します。


ロリア:

 「……はい?」


 「いえ、このアライグマはクスクルさんじゃなくて、って、え? 飛んでる?」


マーシュ:

 「いや、むしろこっちが本体なのかもしれない」 ペット注視しながら。


クスクル:

 しまった、ペットがアライグマだからまた混乱させてしまう!


ワイズマン:

 アライグマに乗ってる→マーシュにつままれる→リリースされて飛んでる 


 忙しい!


マーシュ:

 「ようクスクル……」


クスクル:

 「はーい、全裸」


マーシュ:

 「羽もぐぞセクハラ妖精」


クスクル:

 「ぎゃっ、虐待だーーーーっ!!!」


ロリア:

 「え、ええっと。もしかしてマリーさん、いえ、マーシュさんと似たような感じですか?」


マーシュ:

 「そんなかんじだと思います、ハイ」


*  *  *  *  *  *  *  *  *


ワイズマン:

 あれ、1日目の内容が判明してるぞ。


マーシュ:

 それ、思いました。これ、なんでわかったんだろ


GM:

 あ、1日目は従来通りなので皆さんこう推測しました。


 すでに見慣れた1日目なので、皆さんは地図がなくとも分かるはずです。


――――――――――――――――――――

【1日目】 地形:雪原

 北:『闇』の罠

 中央:集落(ランダム)

 南:無人の鍛冶屋

――――――――――――――――――――


GM:

 1日目は雪原です。寂しく雪が降り積もっています……。


ロリア:

 もしかしてずっと同じマップでプレイしていたのだろうか。


GM:

 少なくとも3話と5話と6話の1日目はこれと同じですね! 4話目だと1日目の北と中央が入れ替わりました。


マーシュ:

 「さて……オレは触手を破壊しに行こうと思う。ついてきてくれる人はいるか?」


 初日に行くのはリスキーかな……。


クスクル:

 「耳長が触手破壊にいくなら援護してあげようかなー」


ワイズマン:

 「我輩も共に行こう。先手を打つくらいでちょうどよかろう」


クスクル:

 あ、あれ? ワイズマンも行くの?


マーシュ:

 みんな仲いいな。


 「2人もついてきてくれるなんて頼もしい限りだ。……今回はこっちからどんどん先手を打たないと、だからな」


ロリア:

 「多分ですが今回が最後になる予感がします、私も行きましょう」


ワイズマン:

 「なんだなんだ、みんな固まっていくのか。2人もいれば余裕を持って倒せると思っていたのだが」


クスクル:

 ちょっと待ってー、誰か集落でガチャ回さないと。


GM:

 では参考までに行き先情報をもうちょっと詳しく述べていきます。


――――――――――――――――――――

『闇』の罠:いつも通り。【反撃ダメージ】15なので失敗したらワイズマンは死ぬ

集落:お買い物チャンスなど

無人の鍛冶屋:PC人数だけ食品ドロップ表チャンス

――――――――――――――――――――


ワイズマン:

 知らない情報が頭のなかに!


ロリア:

 食品!!!


クスクル:

 これは一旦作戦会議。


ワイズマン:

 「つまり、こうだ。火力に自信のある者2名が北へ、それ以外がそれぞれ中央と南に行くという案だ」


マーシュ:

 食品は食品で欲しい。


 「オレは当然北だな」


GM:

 ダグド『俺んちに持っていけなかった食料があるから勝手に探せよな……な……!』


マーシュ:

 こころ の なか に ちょくせつ ひびく……。


クスクル:

 火力的にNo2はボクになるのかな?


ワイズマン:

 ですね。火力大臣のクスクルさんにはかなわない!


GM:

 でもそれ、【レベル】7のクスクルじゃないですかねえ……。


クスクル:

 そうなんだよねー、【レベル】あげないと【貫通射】できないから、実は結構弱いんだよねー。


GM:

 (まあ15ダメージを喰らっても生きてるという意味ではクスクルが適任だよなとワイズマンは思うかもしれません)


ロリア:

 (ワイズマンさんだけ即死クラス? あ、本当だ)


 「では、私は南へ行きましょう。守りには自信ありますが、肝心の火力が殆ど無いので……」


マーシュ:

 じゃあ付き添いは……オッケー、クスクルさんですね。


ワイズマン:

 「では我輩が集落だな」


クスクル:

 集落行く人にお金渡すよー。


マーシュ:

 こちらも集落行く人にお金といつもの(剣)渡しますかね。


GM:

 謎の量産耳長剣!


マーシュ:

 「いやあ、最初のころを思い出すなー」といいながら、お金と剣を渡します。


 「こうしてお使いしたっけか。すごく昔のことのようだ」


クスクル:

 ズマンに990シルバを渡すよー。


ロリア:

 「では私からも」


 100シルバを渡します。少ない。


 「……なんですか、騎士はいつも困窮しているんです!」


ワイズマン:

 「ロリア嬢、元の世界に戻ったらうまいものを食べ歩こう。な……」


ロリア:

 「……はい」


マーシュ:

 「オレも……付き合うぜ……」


 じゃあこちらもお守りシルバの5だけ残して595渡します。みんなに何か会ったときのために4シルバ、て思ったんですが、計算の端数はすうめんどそうだったので、5に!


GM:

 あの、今回最後なんでお守りシルバ残しても【伝説P】入らないです……。


 見て下さい、これが片道勇者TRPGプレイヤーのイヤな習性です。


ロリア:

 最後まで和マンチ的なセッションである。


マーシュ:

 いやーだってほら、つい、クセで……。


クスクル:

 物語的には終わりでも、クスクルの未来はきっとまだまだ続くからぁ~。


ワイズマン:

 「費用は耳長剣ブルジョワが全部出してくれると言っておる」


マーシュ:

 「一応形見だからなコレ!? 世界のためだからホイホイ換金してるけど本当ならやりたくないからな!?」


GM:

 アライグマ「キュルルッ(急な万能商人に備えて100くらい残して渡す、が戦略的にはベターなのかなー。まあ全部でもいいけど)」


ロリア:

 とうとうGMがアドバイス役に困った末にアライグマ使い出した。


ワイズマン:

 では草草肉サボテンパーティーのために皆さんの手元に100シルバずつ残して2400シルバへ!


クスクル:

 「いつものパターンだとお金を持っている人はお店に辿り着けないもんねー」


マーシュ:

 「そして何も持ってない人がたどり着くアレだな」


GM:

 ではワイズマンは900と500もらって2400ですね。ロリアさんの100シルバはそのまま突き返されました。


ロリア:

 「……」


マーシュ:

 「……元の世界に戻ったら、酒、おごるぜ……」


GM:

 アライグマ「キュルル(まあまあ、落ち込むなよ!)」


クスクル:

 「ロリアにはボクが狩った新鮮な動物の肉を食べさせてあげるから大丈夫だよ。うんうん」


 「狩れなかったら、ここにアライグマがいるし……」


GM:

 アライグマ「!?」


マーシュ:

 「元アライグマとしてそれいいの!?」


クスクル:

 「アライグマ獣人であって、アライグマではない、ハズ……自信なくなってきた……」


マーシュ:

 「構造的なものは一緒なんじゃないのか……」


ロリア:

 あ、そういえば念話ってもう個々人で使えましたっけ。


GM:

 シースに次元倉庫の扱い方と共に教えてもらったので使えるものとします! でないと意思疎通ができない!


*  *  *  *  *  *  *  *  *


● 1日目北エリア 昼


GM:

 では1日目雪原、北から!


 マーシュとクスクルが雪原を進むと、何もなさすぎる一帯に出くわしました。何が起きるか、お二人はもう知っています。


マーシュ:

 当たらなかったら死。怖いですねHAHA……。


――――――――――――――――――――

<『闇』の罠>


 何もない平地……だがそこは『闇』の罠だった。地面から突然、巨大な【ヨルムンガンドの触手】が現れた! だが今の君たちにとっては罠ではなくチャンスのはずだ!

判定:【生命】11   ジャッジ:『闇』に立ち向かう理由(判定者以外でもよい)

――――――――――――――――――――


マーシュ:

 「クスクル、矢つがえとけっ!」と剣を構えます。


クスクル:

 「ぼ、ボクは通りすがりの妖精さんだよー」


GM:

 マーシュの聖剣がボボォーと燃え上がります!


 そのとき、地面からドォォォンと巨大な触手が現れ、大量の目を見開きました! ヨルムンガンドの触手です!


 ジャッジ:『闇』に立ち向かう理由(判定者以外でもよい)


 誰かお1人さまお願いしまーす。


マーシュ:

 「さぁ……狩られる準備はできてるか!? 全ての人の魂の安寧あんねいのため……なぎ倒す!」


GM:

 おお、ラストっぽい、ジャッジOK! マーシュは闇と戦う決意を新たにし、勢いよく飛びかかります!


 ではマーシュさんは【生命】で目標値11→10を判定して下さい!


ワイズマン:

 あ、地味にやばい。


マーシュ:

 2D6+3+1>=10 【生命】判定! ゴクッ。

  (コロコロ…) ダイス (3+1) + 4 = 8  -2失敗!


ロリア:

 アーッ。


マーシュ:

 運命力には勝てなかったよ……。


GM:

 失敗です! なんだろう、たった出目6でいいのに届かない、この安定感。


クスクル:

 ……さすがだなぁ。


マーシュ:

 私の期待値は出目4です。いいですね?


ワイズマン:

 まあ、特徴がつくだけですから、ほら。えーと(特徴表を見に行く)。


クスクル:

 エッチな触手希望!


マーシュ:

 凶悪とか最強は勘弁願いたい!


ワイズマン:

 (これで最強を引いて2人とも死んだらどうしよう)


GM:

 という感じですが、【覚醒】しますか? それともこのままでOK?


マーシュ:

 ど、どうしよう。


クスクル:

 いっちゃえ、いっちゃえー。


ロリア:

 死ぬフラグがどんどんでてくる。


マーシュ:

 このパターンはマズいやつを引くパターンな気がしてならないんですよおお!!


 「まあだいじょうぶだろ」って慢心が運命を引き寄せる……!


クスクル:

 死んだらそのとき考えよう!


GM:

 成功させるには【覚醒】で出目3以上です!


ワイズマン:

 がんばれ……アレン……!


マーシュ:

 アッ【覚醒】しろって言われてる。


 はい。します。


GM:

 OK! 成功率66%!


マーシュ:

 1D6 ウオオオオオ!!


  (コロコロ…) ダイス 1 = 1  失敗!


クスクル:

 知ってた。運命力ゥー!!!


ワイズマン:

 アレン仕事して。


ロリア:

 アレン「1出せって言われた気がした」


GM:

 アレン「ははっごめんごめん、苦しんでるのを見るのが楽しくってさー」


マーシュ:

 ある意味仕事しましたね畜生。ドSのアレンか、このやろう!


クスクル:

 まぁまぁ、まだ変な特徴がつくだけだし、大丈夫、大丈夫。


GM:

 さて、マーシュさんの【覚醒】、残り1回! どうしますか!?


マーシュ:

 【覚醒】を使うのです……って囁きが聞こえる……。


GM:

 たぶん付く「特徴」の8割くらいはそんなに強くならないですよ。


マーシュ:

 じゃあ、もう、うん、やめときます……。


 クスクルくんいるし大丈夫だよね 大丈夫だよね?(ガタガタ)


――――――――――――――――――――

失敗:【経験値】5獲得。ランダムな【特徴】(D66)が付いた【ヨルムンガンドの触手】1体との戦闘が発生する。

――――――――――――――――――――


マーシュ:

 【経験値】0→5、【レベル】が3に!


クスクル:

 はいはーい、【レベル】3!


GM:

 2D6 モンスター特徴表D66  (コロコロ…) ダイス (5+3) → 35!


 35 【必中の】です!


――――――――――――――――――――

モンスター特徴【必中の】

 【反撃ダメージ】が2増加する。【経験値】が1増加する。

――――――――――――――――――――


マーシュ:

 まだマシ、まだマシだった! まだマシだよきっと!!!!


 凶悪とかそんな最悪のシナリオは避けられたのだと喜ぼう、喜ぼう……!!


――――――――――――――――――――

モンスター【必中のヨルムンガンドの触手】

 【LIFE】30 装甲7 【防御値】10 【反撃ダメージ】17 【経験値】8

 【ドロップ】ドロップアイテム表×1

――――――――――――――――――――


ロリア:

 つまり即死させられれば【経験値】増えるってことだ!


GM:

 でも【反撃ダメージ】17! これミスったらクスクルが死ぬ!


クスクル:

 成功させれば大丈夫~。


マーシュ:

 怯えた心がきっと悪い運命力を引き出しているんだ……強気でいくんだマーシュ……! お前は勇者だろう……!!


ワイズマン:

 今の2人なら30点削るくらい……マーシュさん頑張ってください!!


マーシュ:

 やめてその応援は外すフラグにしかなりません!!


GM:

 さて情報は出揃いました、「戦闘」か「逃走」か!


マーシュ:

 戦闘します!


クスクル:

 たたかう~♪


GM:

 OK! ではバトルスタート! スキル使用時は雪原補正の「【ST】減少時さらに-1」に注意して下さい!


クスクル:

 「ボク、スキルも何もないのよねー♪」


GM:

 攻撃判定の目標値は10!


クスクル:

 2D6+5>=10 攻撃判定(【敏捷】・弓)! 

  (コロコロ…) ダイス (3+6) + 5 = 14  +4成功!


マーシュ:

 【ゼヌーラ】はまだいいかな……(と迷っていた)。いきます!


 2D6+4+1>=10 攻撃判定(筋力)! 

  (コロコロ…) ダイス (6+2) + 5 = 13  +3成功!


GM:

 ふおおお成功!


マーシュ:

 セーフ! セーーーフ!!!!!


ロリア:

 2人共成功!


ワイズマン:

 おめでとう! おめでとうマーシュさん!


ロリア:

 さあダメージ算出のお時間です。


マーシュ:

 クスクルくんのダメージの出目次第でこう、【強打】の有無を決めます。


GM:

 ああ、そうですね。【強打】はダメージ振る前ですからね……ん? 違うや。


 【強打】「攻撃判定が成功したときに宣言」って書いてあったわ、ガハハ! なので宣言はたぶんこのタイミングですね! 【強打】使う? 使わない?


マーシュ:

 く、くっそー!!! 【強打】します! します! 【ST】10→7!(雪原効果込み)


GM:

 今なら【ゼヌーラ】ハッピーセットも付けられますけれどいかがなさいます?


マーシュ:

 今してもいいんですね?


GM:

 【ゼヌーラ】の使用タイミングは「いつでも使用できる」なのでOKとします!


マーシュ:

 では使います!


 「これがきっと最後の戦いだ。躊躇ためらいなど……最早捨てた! 戦いに身を投じ、一生を捧げたこの魂……貴様にくれてやる!」


 「……原始の神よ、今こそあるがままの大自然の力をこの手に! ゼヌーラ!!」


GM:

 チュドォォォン! 雷光がマーシュの体を包み込み、防具がはじけ飛びます! ここから攻撃ダメージが【レベル】分さらにアップ! 防具装備不可に!


マーシュ:

 【騎士のコート】がはげました!


ワイズマン:

 開幕からクライマックスだぜ!


クスクル:

 先に攻撃しちゃうよー。アライグマ(ペット)と一緒に攻撃! 【緑の森の矢】を発射!


 1D6+3+1D6+2+1 【狩人の弓】で攻撃! 

  (コロコロ…) ダイス 6 + ダイス 5 + 6 = 17  ダメージ!


GM:

 ぎょええ17ダメージ! 7点装甲で防がれても10点通ります!


クスクル:

 ふふふーん♪


ワイズマン:

 装甲7あって30点削るのはなかなかしんどいですよね。


クスクル:

 攻撃し終わったからボクがマーシュの露出部分を隠すように立ち回るよ!


マーシュ:

 【強打】の一撃! 火炎ダメージなので装甲無視!

 5D6+3+3+1 【壁壊の聖剣レーヴァテイン】で攻撃! 

  (コロコロ…) ダイス (6+5+5+5+6) + 7 = 34  ダメージ!


 オーバーキルだわ……。


クスクル:

 って、なんだこのダイス!!


GM:

 ダメージの出目が6、5、5、5、6!?


マーシュ:

 あの 大丈夫ですか。本当に死にませんかこれ(震え)。


ワイズマン:

 ありがとうアレン。


ロリア:

 アレン「いいってことよー」


GM:

 さようならマーシュ……! ありがとう……!


マーシュ:

 キラーン。星になったのだ……。


クスクル:

 「みんな、この耳長、きっと、ニセモノだよ!!! どうしよう!?」(コソコソ)


マーシュ:

 【強打】のダメージはいりませんが運試しに一応ふってみよう。


 3D6 【強打】  (コロコロ…) ダイス (5+5+1) = 11


 え……出目が期待値超えるとか……怖い……。


GM:

 クスクルの狙い澄ました一撃で10ダメージ! マーシュが1人で火炎45ダメージ! 


 では【LIFE】30のヨルムンガンドの触手は、クスクルの針の穴を貫くような正確な一撃と、マーシュの輝く炎の剣で両断されました! ズバァァーン!!


 めでたく【必中のヨルムンガンド】に勝利です! クスクルが死ななくてよかったですねー。


ロリア:

 オーバーキル!! 幸先いいなー。


マーシュ:

 「よし、この調子で駆逐するぞ! クスクル、ナイスサポートだった」


クスクル:

 「いやぁ、ボクなんて特に何も……(このひと、きっとニセモノだー)」


GM:

 この勝利により、ヨルムンガンドの主力攻撃の回数が1回減少! 攻撃回数3→2回へ!


 【経験値】8を加算しておいてくださーい。その間にドロップ振ります!


マーシュ:

 【経験値】5→13、【レベル】5へ!


GM:

 さーてドロップは……。


 1D6 ランダムアイテム  (コロコロ…) ダイス 1 = 1  武器!

 2D6 武器D66  (コロコロ…) ダイス (1+5) → 15!


 15 【ダガー】


ロリア:

 ダガー。


マーシュ:

 ダガー。


ワイズマン:

 彼らは確かに頑張ったのだがー。


マーシュ:

 このへんに本物感がありませんか。ダガー。


クスクル:

 「(ダガーを見て、やっと本物だと思えてきたー)」


GM:

 触手は最期にペッとダガーを吐き出しました。それはきっと触手に挑んだ誰かの短剣だったのでしょう……。


マーシュ:

 「ここに誰かの墓をたてよう……」 前回のロンソと同じ扱いでいいかな……。


 「触手に挑んだ誰かの武器だったんだろう……」


ワイズマン:

 『挑んだというよりは自殺行為にも思えるがな……』


GM:

 ではダガーはお墓の材料にされました。


 まさかこれが後々の不幸に繋がるとは思いもしなかったのです……。


マーシュ:

 ヤメテー!!! 不吉なキャッチヤメテー!!!


ロリア:

 最後の最後で武器が壊れて残った【ダガー】でラスボスに一撃を食らわせられる演出がなくなりました。


クスクル:

 アライグマと一緒に聖剣で焼いた触手を食べてよう。はむはむ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る