6話 少女と真実

1日目前半 黒騎士の宅急便

 クスクルのおかげで敵の能力を知り、ワイズマンの偽物との決戦を終えた一同。シースの情報から、今回は『闇』であるヨルムンガンドの倒し方を知る人物に会いに行くことになります。果たして一同は無事、その手段を入手できるのでしょうか?


*  *  *  *  *  *  *  *  *


◆ 冒険の準備 ◆


ワイズマン:

 ドーモ。やたら硬い強そうなドMのアンデッドワイズマンです。


――――――――――――――――――――

特徴【アンデッド】

 【LIFE】と【ST】がどちらも0になるまで死亡しない。ただし、どちらかが0になった状態ではすべての判定に-2の修正がつき、【LIFE】が0の状態から減少すると代わりに【ST】が減少する。

――――――――――――――――――――


GM:

 まさかのアンデッド! どう考えても先に【ST】が尽きるという意味でいまいち役に立たなさそうな予感もするんですがいいんですか!


ワイズマン:

 なんせ前回死んじゃいましたからね。


GM:

 死因ダメージが【ST】切れじゃないですかー! 


マーシュ:

 次元倉庫から【聖剣レーヴァテイン】 を出して装備します!  【鋭い耳長の細い剣】もロリアさん用に出しておきます。


 オレ……生き残ったら、耳長のカワイコちゃんと結婚するんだ……。


GM:

 マーシュさんは死亡フラグをバリバリ立てながらのスタート! 装備は充実してますね。


ロリア:

 前回のセッションは【聖剣レーヴァテイン】なんか入手したんですか! レーヴァテインは魔剣のイメージがありますね。


GM:

 えーと前回のあらすじですが、まずマリーさんが性転換しました。

 そしてマーシュさんが装備をむかれて全裸で鍛冶屋のおっさんを肩に載せてました。


マーシュ:

 なんでそんなところばっかり紹介するんですか!!


ワイズマン:

 その後ボスと対峙してマーシュさんが無残に死んだりしました。


マーシュ:

 死んだのはワイズマンもですよね?????????


 【治癒】を使おうとしたら回復量で1ゾロ出して。


ワイズマン:

 はい、マーシュさんが攻撃に失敗して【反撃ダメージ】を受けたからそれを助けようとしたんですが、マーシュさんに関わったのが運の尽きでした(文字通り)。


クスクル:

 そしてクスクルは偉い、強い、頑張った。


マーシュ:

 うんそうだねー、すごい、がんばったねー(棒読み)。


GM:

 あ、ワイズマンの杖のボーナスは【火炎】ダメージ出すときに覚えておいてくださいね。ダメージ算出でダイスが振れるよ! フォース攻撃するときは攻撃判定ボーナスに+2も入ります。


ワイズマン:

 おお、判定ボーナス+2了解です。そういえば【ワイズマンの杖】っておいくらシルバでしょう?


GM:

 売ろうとすると全身に痛みが走るので売却不可です。

 すでに呪いの杖と化しているダークワイズマン。


ワイズマン:

 全身に痛みが……それはドMじゃないときに聞きたかったなあ。


マーシュ:

 「一生離さないからね……(ヤンデレ)」かぁ……おっさんで……。


GM:

 それと【ドMの】は自動発動っぽいので忘れないようにしましょうね!


ロリア:

 (共有シートを確認して)黄色背景の赤文字で書かれている「ドM効果を忘れないことっ!!」で吹いてしまった。


クスクル:

 あ、よく見たら【ドMの】がふたりもいる。今回も酷いセッションになりそうだ……ハァ……。


*  *  *  *  *  *  *  *  *


● オープニング


GM:

 さて、魂の世界に一瞬戻ってきた後、みなさんの魂は邪悪な何かに引きずられて再び大地に降り立っていきます……。前と同じだけれども、ほんの少し前と違う世界。


 4人はまた、「監獄世界」へ帰ってきました。


ワイズマン:

 ワイズマン、うつ伏せになってぶっ倒れています。


GM:

 気がつくと、皆さんはまた最初の城の薄汚れた謁見室にいます。壁には相変わらず、たくさんの廃人化した勇者たちが陳列されています。


ロリア:

 「っ……ここは、私は確か――」


マーシュ:

 「うっ……またここか」と目を覚まします。


ワイズマン:

 「ぬう、戻されたか……」


クスクル:

 「クスクルすごく頑張ったよ!」


GM:

 シースはワイズマンに肩を貸してすでに歩き出しています!


 シース “急いで、こっちです、皆さん!”


 まだ異変は起きていませんが、シースが迷うことなく城の外へ走り出します! もう行動がだいぶ最適化されてきています。


マーシュ:

 「はっ、意識が戻ったならすぐ出ないと――――!」


ロリア:

 「――また、なのですか。っ! 行きましょう!」


GM:

 あ、そういえば今回のPCって全員、前回死んだのか!(スタート時ペシャンコ含む)


 じゃあショックを受けてないのはクスクルだけですね。


クスクル:

 「なんか、いまなら闇に勝てる気がするる~」 弓を構えて待機。


ワイズマン:

 「なにいっ!?」


マーシュ:

 「それはフラグだー!」


ロリア:

 「ちょっと妖精さん! 逃げますよ!」


クスクル:

 「大丈夫、大丈夫、クスクル強いからー」


GM:

 さて、皆さんはたぶん外に向かって走り出します。クスクルだけその場に残ります。


マーシュ:

 「潰されたいのか!?」


GM:

 そしていつも通り、ゴゴゴゴゴ……と城が揺れ始めます。


 その瞬間、轟音ごうおんと共に城の天井を突き破り、超巨大な漆黒の触手が振り下ろされます! それはあまりに的確な一撃で、妖精になったクスクルを確実に叩きつぶす一打でした!


クスクル:

 べちゃ。


ワイズマン:

 もしかしたら。あのクスクルなら勝てるかもしれないと。そう思って呼びかけるのを止めてしまいました。


ロリア:

 フラグ回収。


GM:

 クスクルは漆黒の触手に押しつぶされます!


 つぶされた下は、やっぱり見ずとも想像が付きます……が虫サイズなのであんまりひどくないと思いたい。


マーシュ:

 「フラグ回収……していきやがった……!」


ロリア:

 「ああ……」


GM:

 シース “……くっ、クスクルさんの犠牲を無駄にしてはいけません、早く!”


 もう4回目なのと、クスクルにだけはちょっとだけ冷たいシースでした。


マーシュ:

 「犠牲を無駄にできん、行くぞ!!」


ワイズマン:

 「うおおお! 走れ走れー!!」


マーシュ:

 「シース、こっちだ! ロリア、ワイズマンも!」


クスクル:

 「(おっかしいなぁ、勝てるような気がしたんだけどなぁー、先に逝ってるねー、みんな頑張ってねー)」


マーシュ:

 「ロリア、混乱するかもしれないが事情は後で話す!」


ロリア:

 「どうして私の名前を――。……いいえ、それどころではないですね」


GM:

 さて、城中の天井を突き破ってドォォン! ドォォン! と巨大触手が叩きつけられ、廊下の奥からは細い触手がモギャアアアと追いかけてきます!


 皆さんは廊下を走り、シースと共になんとか城の外に脱出します……。


*  *  *  *  *  *  *  *  *


GM:

 屋外に出ると、やっぱりこの世界の空は赤く、太陽は見えません。いつも通り、遠くの空には雷がゴロゴロしてて世界の終わりっぽい雰囲気です。


ワイズマン:

 「おお、これだけ全力疾走したのにまったく疲れを感じん。連戦を経て我輩も鍛えられたのか」


GM:

 シース “あれ、ワイズマンさん、なんだか手が冷たく……?”


マーシュ:

 「ワイズマン……顔色、いつもより悪くないか……?」


ワイズマン:

 「それで誰が顔色が悪いだと? むしろいつもより元気ハツラツで気分がいいくらいだ」


GM:

 そう言いつつ、やや生臭いワイズマン。加齢臭でしょうか。


マーシュ:

 加齢臭ですね 間違いない。耳の後ろをちゃんと洗わないから……。


ロリア:

 臭いがきついのでそれとなくワイズマンと距離を取ります。


ワイズマン:

 ああっ、ショック! フリーダ王女と同じくらいのフレグランスですよ!


GM:

 フリーダ王女と同じくらいと言われるとすごく微妙な顔になるシース。


ワイズマン:

 「まあ、さすがにごまかせんか……どうやら前回の無理がたたって肉体が半分死んでいるようだ。疲れや痛みを感じないのは救いだな」


GM:

 シース “ワイズマンさん……”


ロリア:

 「しかし、この赤い空を見るのももう何度目でしょうか、このままでは青い空を忘れてしまいそうです」


GM:

 シース “……あ、そうだロリアさん、紹介します。こちらが元マリーさんのマーシュさんです”


ロリア:

 「……はい?」


マーシュ:

 「さすがシース、一言で状況を説明してしまうとは聡明だなHAHA」


ロリア:

 「いやいや待ってください! 私の記憶しているマリーさんは高飛……やや剛気な女性だったはずで」


ワイズマン:

 「そうなのだロリア嬢。この若造は確かにローズマリーらしい。まあ、受け入れてやってくれ」


マーシュ:

 「『失礼ですわね! わたくしは正真正銘ローズマリーですわよ!』」(裏声)


 「まあなんだ、勇者アレンと魂が融合して……“勇者”の力が強すぎたのか、そっちに引っ張られたみたいだ。性別もな」


ワイズマン:

 「そして、先刻亡くなった妖精は……クスクルだ」


GM:

 シース “ええ……クスクルさんもイーリスさんと融合したみたいなんです。イーリスさんは、いなくなってしまいました……”


ロリア:

 「あー……少し整理しますので少々お待ちを」


マーシュ:

 「ああ。何にせよオレはロリアの仲間で、守りたい人間の1人だ。それは変わらない。混乱しても、そこだけを知っておいてくれればいい」


ロリア:

 「……はい、とりあえず教会がたまに語るような転生が存在すると考えれば良いのですね。私が記憶する私は変わらず騎士のままのようですが」


GM:

 シース “まあ……はい、理解できる形でとらえてもらえればいいと思います”


 さて、シースは亜空間から荷物を引っ張り出して、皆さんに渡します。今回も無事に次元倉庫の中身をゲットできました。よかったね。


 再掲ですが、シースに何かあった場合、1個しか引き出せなくなりますので注意してください。


*  *  *  *  *  *  *  *  *


マーシュ:

 (【聖剣レーヴァテイン】まだかなっ、ワクワク)

 ※次元倉庫から取り出したが演出上は届けてくれる扱いになっている。


GM:

 ではこの辺で装備お届けタイーム!


ロリア:

 あ、しまった、クエスト公開忘れてる!!!


マーシュ:

 クエスト早い!?


GM:

 ああいえ、ここでクエスト公開なので大丈夫ですロリアさん。マップ上の最初の城から出る頃って意味なので。


ロリア:

 ああ、ほんとだ、まだゲーム上は城エリアでしたね、セーフ。


GM:

 さて、東の方から黒騎士デュークガルツがやってきました。何やら荷物を抱えています。


マーシュ:

 デュークガルツさん、だと……!?


GM:

 デューク「耳長。鍛冶屋ダグドという者からおまえに届け物だ。受け取れ」


 といってマーシュは【聖剣レーヴァテイン】を渡されます!


マーシュ:

 「おっしゃああああ! これで勝てる!! ウオオオ!」とテンションアップで受け取ります。


ロリア:

 「デュークガルツさん、貴方あなたも無事だったのですね」


GM:

 デュークガルツ「当然だ」


ワイズマン:

 (おお、今回は最初から正気のデュークさんなんですね)


マーシュ:

 (まわりが狂気すぎて正気にならざるをえないデュークガルツさん)


GM:

 マーシュがちょっと剣を鞘から抜いてみると、それは天を焦がさんばかりの輝きを放つ真っ赤な炎の剣でした。


マーシュ:

 「いやー……これ、最強じゃね……?」


 「やっぱり、おっちゃんはやればできる人だったんだな……」


ロリア:

 「これは……見てわかるほどの素晴らしい剣ですね」


マーシュ:

 「じゃあ、ロリアには……これをやろう」


 と、自分の使っていた【鋭い耳長の細い剣】 を差し上げます。


ロリア:

 「よろしいのですか? それならありがたく頂きましょう」


マーシュ:

 「ああ、オレだと思って大事に使ってくれよ!」


ロリア:

 (フラグ)


マーシュ:

 (絶対折れるわ……)


GM:

 デューク「騎士ロリア、おまえの魂もまだ健在のようだな……そこの男は死体になったか」


ワイズマン:

 「フン、死んでも生き返らされるこんな世界では肉体が死んでようと生きてようと変わりはないとも」


GM:

 デューク「そうだな。我も人のことは言えぬ身だ……」 ※デュークガルツもフリーダもアンデッド


ワイズマン:

 「ときに黒騎士よ、貴様の魂はあといかほど残されているというのだ?」


GM:

 デューク「我の魂の残りは知らぬが、おまえたちより消費されにくいことだけは確かなようだ」


 デューク「さて、騎士ロリア、おまえにも届け物がある。それは……」


 そしてここでいきなりですがロリアさんのクエストオープンです! バーン!


――――――――――――――――――――

クエスト『守護者』


・公開条件:城エリアから出る直前に発生(イベント上書きなしとする)  【経験値】:5


・イベント: 

 夜明け頃、ロリアが出発しようとすると、漆黒の鎧に身を包んだ騎士がやってきて君に紋章と聖武具を与えた。【守護騎士の紋章】と、「ランダム聖武具表を2回振って好きな方を1つ」得る。

【筋力】で目標値10の判定に成功すれば、3日目夜の後(「進行」前)にも新たな聖武具を届けに騎士がやってくる。

 ジャッジ:もっと皆の役に立ちたいという熱意を語る。


・クリア条件:イベントが終了する

・報酬:クエスト『守護者Ⅱ』が即座に開始する

――――――――――――――――――――


ロリア:

 これで【レベル】3に!


GM:

 今回は温情気味なスキル獲得+聖武具ゲットクエストです! なんと聖武具は2つ振って1つ選べるぞ!


ワイズマン:

 (見える、杖と杖が出る未来が)


GM:

 デューク「まず、フリーダ王女の指示で『紋章』を回収してきた。これは騎士ロリア、おまえにくれてやる」


ロリア:

 「紋章、ですか?」


GM:

 デューク「これは【守護騎士の紋章】と呼ばれる、献身的に仲間を守る騎士に与えられるものだ。我には不要」


ロリア:

 「仲間を、守る……」


GM:

 デューク「それと……騎士ロリアの武装があまりに貧弱なので我がこの世界を6周ほどして聖武具を回収してきた」


マーシュ:

 ろくしゅう。デュークさん優しさの塊かなんかですか???


ロリア:

 すごく優しい!


 「それは喜べばいいのですか、悲しめばいいのですか……」


GM:

 デューク「我も少しは貴様らに手を貸したいと考えているのだ、言わせるな」


マーシュ:

 「ま、もらえるんだし喜んどこうぜ。せっかく集めてきてくれたんだしさ」


ロリア:

 「そうですね……確かに私は騎士として人の前に立ち、守る立場でなければいけないのに、【シルバーランス】が折れてからというもの、ずっと装備が心許ないとは思っていました」


 「私はもっと皆を守りたい。ですので装備が頂けるというのならばありがたく頂戴いたしましょう」


GM:

 いいですね、ロリアさんジャッジOK!


 デュークガルツ「うむ、その意気やよし!」


マーシュ:

 というか【シルバーランス】がロリアのアイデンティティみたいになってる!


 対ラスボス武器がしょっぱなからでしたもんね、いやあ……。


ワイズマン:

 主人公の武器がいちど折れてからの新武器調達はお約束ですから。ほら。


GM:

 ちなみに、さっきデュークガルツが6周もしてたことに驚かれてましたが、NPCの時間は皆さんよりだいぶ早いです。鍛冶屋ダグドも剣を作るのに10周くらいしてます。


マーシュ:

 おっちゃん……!!


GM:

 さて、ではお楽しみの、デュークガルツが出した聖武具は……!?


 ロリアさんは2D6を2回振ってください。


ロリア:

 なにがでるかなー。

 2D6  (コロコロ…) ダイス (5+2) = 7

 2D6  (コロコロ…) ダイス (4+5) = 9


――――――――――――――――――――

聖武具7 【大地の鎧】

聖武具9 【聖弓ル・アルシャ】

――――――――――――――――――――


ワイズマン:

 これは悩ましいですかね。弓騎士にするのも強そうですし。


ロリア:

 この2択なら【大地の鎧】ですね。


 剣じゃなくて本当に良かった! もし剣だったら『オレだと思って大事に使ってくれ』と言われた側から装備換装するところだった。


GM:

 OK! ではロリアさんは【大地の鎧】をゲットします!


 このアイテムは私の過去のフリーゲーム、『シルフェイド幻想譚』からの出演です。


――――――――――――――――――――

防具【大地の鎧】 装甲5、火炎ダメージ-2、理力ダメージ-2

――――――――――――――――――――


GM:

 デューク「仲間を守る騎士にふさわしい鎧だ、受け取れ」


ワイズマン:

 「ううむ、それにしても見事な鎧だ。尋常ならざる力を感じるわい」


GM:

 デュークガルツ「そして……騎士ロリアよ、先ほど『もっと皆を守りたい』と宣言したな。ならばその決意、この手で確かめる!」


 といってデュークガルツはいきなり剣を抜いてロリアに攻撃してきます! 【筋力】で勝負!


マーシュ:

 「待ってオレの剣折らないで!?」


ワイズマン:

 「いや、おそらくロリア嬢は剣を使って対抗するのではない……気がする」


ロリア:

 PLが描写を制限してくるスタイルやめて! 【好意】判定は付きますか?


GM:

 クエストなので【好意】付きますね! マーシュとワイズマンはどちらも【筋力】あるので、【好意】分で+2してくださーい。


 ロリアさんは【筋力】判定! ジャッジOKなので目標値は8→7へ!


ロリア:

 2D6+3+2>=7 【筋力】判定! 

  (コロコロ…) ダイス (5+1) + 5 = 11  +4成功!


 「はっ!」


GM:

 成功! まだ城にいるから1ゾロじゃない限り成功だった!


 では、ロリアの一撃はデュークガルツの一撃をはね返します!


 デュークガルツ「フンッ! ……なるほど、よい一撃だ!」


マーシュ:

 「見事だな、ロリア……!」(横から応援)


GM:

 デュークガルツ「よいだろう、心意気は確かに汲みとった。では、またいずれ何か届けてやる……それまで死ぬなよ、騎士ロリア」


ロリア:

 「ありがとうございます、デュークガルツさん……」


マーシュ:

 「ありがとう……(次は盾をくれ)」


GM:

 デューク「騎士ロリア。たとえ皆の剣にはなれずとも、騎士ロリアが全員の盾になるのだ、よいな」


マーシュ:

 「(ロリアが全員の盾……ロリアを装備して『盾の達人』……ふむ……)」


GM:

 ロリアを装備!?


マーシュ:

 みんなの盾っていったから!!!!!


 【盾の訓練】も意味深になりますね。いやあ。


ワイズマン:

 さすが勇者様。発想が違いますね。


GM:

 シース “えー、えーと……マーシュさん、さすがですね……”


マーシュ:

 「まって今の心の声は聞かないで聞かなかったことにして、誰もが持ってる秘密の花園だから!!」


ワイズマン:

 「いったい何を口走っているんだ」


 「それはそうと、あの剛剣を耳長の細剣で弾き返すとはロリア嬢の技術は大したものだ……」


 「(そしてそのロリア嬢にいたずらを繰り返していたクスクル君、きみは間違いなく本物だ……!)」


マーシュ:

 本物の変態ということですねわかります。


GM:

 ひとまず、デュークガルツはまた何か届けてくれることを約束して去っていきました。


 ロリアの手に残ったのは【守護騎士の紋章】と【大地の鎧】です!


――――――――――――――――――――

アイテム【守護騎士の紋章】 重量0 売却不可

 破壊されない。オリジナルスキル【フォートレス】が使用可能になる。受け渡し不可。

――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――

スキル【フォートレス】 消費ST2 (オリジナルスキル)

 「攻撃判定前」に使用する。味方をかばい、同じエリアの全PCが受ける【反撃ダメージ】を、全て自分にターゲット変更させる(使用者は同エリア全員分のダメージを受ける)。この効果は全員の1回の攻撃判定が終わるまで有効。

――――――――――――――――――――


ワイズマン:

 出た! ラインガード出た! 


マーシュ:

 つよい。今回の主人公はロリアで決まりですね。


ロリア:

 クルセイダーと名の付く職業が使いそう。


GM:

 ということで今回からかばう的なスキルの搭載です。たぶん魔王戦とかだと3ラウンドくらいで【ST】が尽きそう、【LIFE】はもっとなくなりますけど。


ワイズマン:

 スタミナ回復リソースの調達が課題ですね。


ロリア:

 でも今回は街がでない気がする!


マーシュ:

 なんとしてでも商人を……ってないのかー!?


*  *  *  *  *  *  *  *  *


● 出発


GM:

 さて、今回のセッションではシースが1人のPCとして移動します。能力や効果は以下の通りです


――――――――――――――――――――

◆シースの能力

・性能→【LIFE】は10で、1人で戦闘に遭遇すると能力値1で逃走を試みます。

・特徴→同じエリアにいる間は、同エリア全員の装備・アイテム破壊を防御してくれます。

・夜行動→ 一緒にいるだけで「夜行動」で同じマスの全員と「交流」してくれます。能力は全部1。

――――――――――――――――――――


ロリア:

 【LIFE】が設定されてる!? これシース死にそう。


ワイズマン:

 しかし「交流」が全員とですか。


GM:

 はい。という感じなので行動の指針にどうぞ。


ワイズマン:

 ゲーム的には聖剣の破壊を防ぐべくマーシュさんに同行させるべきだと思うんですけどね。


 ワイズマン的にはマーシュに近づけさせたくないなーあっはっは。


GM:

 ひとまず、シースが1日目のイベントを教えてくれますよ。


――――――――――――――――――――

【1日目】 地形:荒野

 北:『闇』の罠

 中央:集落(ランダム)

 南:伝説の鍛冶屋Ⅱ

――――――――――――――――――――


GM:

 シース “私は集落に行こうと思っています、前回みたいに何か手に入るかもしれませんし……”


ワイズマン:

 そしてシースがガチャにはまってしまっている! これだからガチャは(検閲)なんだ!


 「前回と同じあれが出てくることを期待しているのかね……?」


GM:

 シース “そ、そっちじゃないですよー!”


ワイズマン:

 「まあよかろう。我輩とて食料を譲ってくれる人物がいないかあたってみようと思っていたところだ」


マーシュ:

 「ま、シースはいつもどおり、ワイズマンと一緒でいいんじゃないか?」


 「オレはまた鍛冶屋のおっちゃんに、こいつのさらなる強化を頼みにいってくる。買い物が出来るかもしれないから、金は集落にいくやつに渡しておくぜ」


 「じゃあ、ワイズマン、もってる現金、全部預けるぜ」とチャリーンと全部渡しておきます。


ワイズマン:

 「……財布の中身がさびしいな」 ※マーシュは400シルバしか持ってなかった


マーシュ:

 あ、みみなが剣も渡しておいたほうがいいですかね。【高価な】をつけて金額つりあげる、と思ったけど、聖剣鍛えるからできないや……。


 「あ、あとこれも。買い取れるような目利きがいれば、高く売れるぜ。たしか、5000シルバくらいじゃないか?」と耳長剣も渡しておきます。


 「というわけで、頑張って商人かだれかを見つけてくれ……頼む」


ワイズマン:

 「たしか“前回”も同じローズマリーの剣を手渡された気がするのだが、記憶違いだっただろうか? やはり偽造……?」


 怪しみながらも400シルバと耳長剣を手持ちに加えます。

 次元倉庫から引き出した分と合わせて二振りになりました!


GM:

 無限増殖耳長剣、こわい。


マーシュ:

 「次元倉庫使うと、体と一緒に、持ってる剣が最初から腰にささってるから、貯金できちまうんだよ……!!」


ワイズマン:

 「なんと、面妖な」


マーシュ:

 「親父にもらった唯一無二の形見が随分増えたもんだなぁ(遠い目)」


GM:

 シース “ワイズマンさんも毎回【木の杖】や私服が増殖してますし、故郷から持ってきたものは次元倉庫で増やせるんですね……”


ワイズマン:

 「そう言われると……なんという」


マーシュ:

 「ありがたみが……薄れていく……」


ロリア:

 「増える形見とは……」


GM:

 増えるシルクハット、増えるロリアコート、増える盾、増えるクスクル弓……。


ワイズマン:

 「気味が悪い。人間の想い、記憶、生命を冒涜しているようだ」


マーシュ:

 「ま、最初から使ってる、ロリアに渡した剣が、オレにとってのオリジナルみたいなもんだよな。だからそれが一番大事で、あとは模造品みたいな気持ち……だもんで、大事に使ってくれよ」


ロリア:

 「そこまで言われると逆に使い辛いような……」


マーシュ:

 「折らなければいいんだ……折らなければ……!」


ワイズマン:

 「それは折れるやつだぞマーシュ」


GM:

 シース “闇が来ています、そろそろ行きましょう……”


ロリア:

 「今の私はこの【鋭い耳長の細い剣】がありますから鍛える必要ないですし、私も集落の方、ですかね」


マーシュ:

 マーシュは南の鍛冶屋に行きます。


GM:

 では、ロリアとワイズマンとシースは中央の集落へ、マーシュだけ南の鍛冶屋へ!


 シース “マーシュさんもご無事で!”

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