4話 王女と獣

1日目 王女さまは我慢できない

 4人が降り立ったのは、絶望で勇者たちの魂を砕く「監獄世界」であったことが判明します。しかし4人はあきらめることなく、次の戦いへ旅立ちます……。


◆ 冒険の準備 ◆


GM:

 では皆さん、「特徴」や次元倉庫から持っていく物その他、宣言の準備をしてくださーい。


ロリア:

 あ、アンロックした「特徴」は共有できましたよね、皆さん何アンロックしてましたっけ。


 こちらは【強そうな】がアンロック済みです。


クスクル:

 【エッチな】どうぞお使いください。【荷物整理術】なんてのもありますよ。


ワイズマン:

 エッチなワイズマン! ありだな……。


GM:

 追加で使える特徴は今回ご参加の3人分のみです! ということは【強そうな】【荷物整理術】【エッチな】の3つですかね。


 1個だけあんまり役に立たない感が強い! これ!


――――――――――――――――――――

特徴【エッチな】

 この特徴は複数個選択できない。【ジャッジ】をすべて「エッチなことを言う」に変更できる。

――――――――――――――――――――


ロリア:

 いらない!!


ワイズマン:

 いえいえ、最終的にエッチな4人が最終決戦するんですよ。


クスクル:

 ワイズマンが【エッチな】を付けるなら、クスクルに【意志+】を付けたい……。


ワイズマン:

 さすがに今回は付けません! どうやらそんな余裕はなさそうです。


クスクル:

 じゃあ余裕ないけど【エッチな】を持って行くよー!(泣)


*  *  *  *  *  *  *  *  *



GM:

 さて、魂の世界でのほんのひとときの休憩も許されないまま、みなさんの魂は再び邪悪な力に引きずられて大地に降り立っていきます。


 前と同じだけれども、前と違う世界……4人はまた、「監獄世界」へ帰ってきました。


 さて、今回のプレイヤーはロリア、クスクル、ワイズマンの3人です! が、マリー、シース、イーリスもここにいますね。


ロリア:

 「またここ、ですか」


クスクル:

 「なんてこったい」


マリー:

 「くっ、またですの……」


ワイズマン:

 「ウッ……いったいなにが起きたんだ……」


 前回ズマリーを突き飛ばしたところで意識が途切れています。


GM:

 気がつくと、皆さんはまた最初の城の薄汚れた謁見室にいます。壁には相変わらず、たくさんの廃人化した勇者たちが陳列されています。


 前回ちらほら見かけたまともな人は、今回はいないようです。壁の人々の仲間入りをしてしまったのでしょうか……。


ワイズマン:

 壁の人を探す時間があれば、アレックスなんとかかんとかアランさんもいるんでしょうかね。


GM:

 そうですね、勇者アレンさんも中に混ざってるかもしれません。


ロリア:

 「ここも、同じ光景なんですね……」


マリー:

 「前回みたいなことがなければいいのですけど……」


GM:

 シースがあなたたちを見て駆け寄ってきます。


 シース “よかった……今回は皆さんに会えた……!”


 涙目になってシースが言います。どうやら会えなかった周回がだいぶはさまったのか、「久しぶりに会えた」というニュアンスで話してきてますね。


ワイズマン:

 「シース、無事か!」


GM:

 シース “あまり無事じゃなかったですけれど……大丈夫です……!”


ワイズマン:

 「うむ……そしてマリーの方も無事でなによりだ」


マリー:

 「ワイズマンも、変わらないようでなによりですわ」


ロリア:

 「紳士風のあなたは、確か……」


 前回ワイズマンが潰されたグロテスクな光景を思い出しかけて渋い顔になります。


クスクル:

 「このオッサン、なんかウニョウニョしたのに潰されたよね~」


 ロリアの渋い顔を見てニヤニヤしつつ前世の記憶を事細かに話してあげよう。


ワイズマン:

 「潰され……あれは夢ではなかったというのか! ならば急いでここから出たほうがいい! ここは襲撃される!」


GM:

 それを聞いたシースは慌てて亜空間から荷物を引っ張り出して、素早く皆さんに渡します。こんな経緯で今回は無事に次元倉庫の中身をゲットできます!


 そのとき、ゴゴゴゴゴ……と城が揺れ始めます! もう予想が付いてると思いますが……。


ロリア:

 「……!? この揺れは!」


GM:

 はい! 轟音ごうおんと共に城の天井を突き破り、超巨大な漆黒の触手が降ってきます!


マリー:

 「ワイズマン、危ない!!」 ワイズマンをかばって死にます!!


GM:

 はい、今回の犠牲PCはマリーさんです! ドォォォン!


 他の皆さんには、マリーの立っていた場所が轟音ごうおんと共に一瞬で漆黒の壁に置き換わってしまったように見えるでしょう! 真っ黒な巨大触手の下にはおそらくマリーが……触手の下は、やっぱり見ずとも想像が付きます。


 シース “そんな……! マリーさああぁぁぁーん!!”


ワイズマン:

 「バカな、マリーーッ!」


ロリア:

 「マリーさん!!」


クスクル:

 「うあぁぁぁ、うあぁぁぁぁ、嫌だなぁ、いつかボクもこうなるのかなー、うあぁぁぁぁ」


マリー:

 さよなら……。


GM:

 そんなことをしている間にも、次々に他の極太の黒触手がドガァァンと降ってきます! 振ってきた巨大触手からは大量の目がギロリと見開かれます。


ロリア:

 「っ! あの目を見てはいけません! 『闇』に捕らわれますよ!」


GM:

 そして巨大触手の視界を頼りに、細い触手がモギャアアアと天井から侵入してきます!


クスクル:

 「えーと、えーと、オッサン、逃げた方が良さそうだよ。なんかそういう記憶が残ってるんだよねー」


ワイズマン:

 「立てるかシース! クソッ!」


GM:

 シース “はい!”


 さて、皆さん逃げますよね! シースも何度もやられて逃げ慣れてきてるのか、1D6で『5』以上なら運良く逃げられます!


 では今回休憩のマリーさん、1D6どうぞ! この出目でシースの運命が決定します!


マリー:

 1D6  (コロコロ…) ダイス 3 = 3  失敗!


一同:

 はい。


マリー:

 頑張ったよ!!!!


GM:

 ワイズマンがシースに手を伸ばした瞬間、シースの足に触手がからみつき、そのままズササーッと連れ去られてしまいます!


 シース “ワイズマンさん!! 生きて……!!”


ロリア:

 「シースさん!」


 自分もそういって手を伸ばしますが届かない。


ワイズマン:

 「くっ、もう無駄だお嬢さん! いまは逃げるんだ!」


ロリア:

 「ぐっ……」


GM:

 シースはそのまま闇の中へ連れ去られてしまいました……。


ワイズマン:

 「(シース……マリー……すまん……)」


 よくわからん状況で知りあい2人がたちまちいなくなってかなりヤバい状態ですが、つとめて後ろを見ないようにして城の外を目指します。


GM:

 せっかく再会できたのにシース死すという悲しい状況ですが皆さんは走らねばなりません!


クスクル:

 シース死す、シース死す。


ロリア:

 極限状態ながら以前と同じ状況が繰り広げられているため、危ない事を察して皆と逃げます。


GM:

 OK! 皆さんは城から脱出します!


 ちなみにワイズマンは途中で落ちてた剣を拾います。


ワイズマン:

 落ち着いたら腰に【ロングブレイド】を差します。ズマリーから貸してもらった【ショートブレイド】はもっと軽かった気がするなあ。


クスクル:

 (毎度のことながら触手の太さを気にしてしまうんだけど……どうかなぁ?)


GM:

 (触手の細い方は直径10cm、太い方は直径2m近くをイメージしてもらえれば!)


*  *  *  *  *  *  *  *  *


GM:

 さて、屋外に出ると、やっぱりこの世界の空は赤く、太陽は見えません。


 遠くの空には雷がゴロゴロしてて、いつも通り世界の終わりっぽい雰囲気です。


クスクル:

 ワイズマンのことを覚えていてもいいんですかね? 前回は出会っていきなり潰されたけど……。


GM:

 覚えてていいですよ!


ワイズマン:

 では、安全圏に辿り着いたらこちらから聞いちゃいますよ。


 「君たちは一体何者なんだね。ローズマリー殿とシースのことを知っているようだが」


クスクル:

 「ボクはカワイイで有名な狩人のクスクルだよー」


ワイズマン:

 「ふむ……よろしくクスクル君。きみは実にかわいいおててをしているな」(肉球ぶにぶに)


クスクル:

 「どうも、どうも、ちなみに肉球ぷにぷには1回50シルバだよー」


ワイズマン:

 「なにっ、有料なのか! しかしよかろう。ツケにしておいてくれたまえ」


クスクル:

 「まぁいいや、うん、ぷに代ツケとくよー」


ロリア:

 「私の名前はロリアと言います。シースさんとは以前迫害されていたところを助け、旅を共にしたことがあります」


 「マリーさんの方は以前……という言い方が正しいかわかりませんが、先ほどと同じ状況で城を脱した時、共にした仲間です」


ワイズマン:

 「そしてロリア君か。よろしく頼む」


 「おっと、名乗り忘れていた。我輩はワイズマン。彼らと共に旅をしていた詩人だ」


ロリア:

 空の状況や潰れた城を見ながら

 「やはり、脱した人こそ違いがあれど、前回と状況が似通ってますね」


 「(細かい違いはあれど同じ状況を繰り返している……? いやそんなまさか)」


ワイズマン:

 「そうか……やはりこれが“初めて”ではないのだな」


 「ハキム師……『これから』とはこういうことだったのですね……」


クスクル:

 「“初めて”ではない、っていうとなんかエッチな感じがするー」


GM:

 イーリス「エッチじゃないから!」


ロリア:

 もしかしたら自分があの触手に潰される……そんな可能性も頭によぎりましたが首を振って考えないことにします。


クスクル:

 「まー、考えても仕方ないし進もうかー」


*  *  *  *  *  *  *  *  *


GM:

 さて、あなたがたの荷物にはいつのまにか地図が入っており、1日目地点になにがあるか書いてあります。


 端に、「希望を持って」とシースの文字で書いてあります。


――――――――――――――――――――

【1日目】 地形:草原

 北:集落(ランダム)

 中央:『闇』の罠

 南:伝説の鍛冶屋

――――――――――――――――――――


GM:

 さあ行き先セレクト!


ロリア:

 集落か鍛冶屋で誰かが選ばなかった方に行きましょう。「『闇』の罠」でも大丈夫です。


 安全志向キャラなのでロールプレイ的には「『闇』の罠」以外に行きたいですね、他の方がついてきたいのなら別に大丈夫ですよ!


GM:

 今回はロールプレイ的余裕に配慮してない難易度なので死んでも知りません!


クスクル:

 やった、死ねるよー。


ワイズマン:

 イエーイ! みんな滅べー! 


ロリア:

 おかしい……セッション前の話だとほのぼのだと言っていたはず……。


GM:

 ひとまず、ワイズマンさんとクスクルさんから宣言してもらいましょう。


ワイズマン:

 買い物ができるかもしれないので「集落」を目指します。


 「我輩は集落を目指そうと思う。なにか助けになるようなものがあるかもしれん」


クスクル:

 「ロリアの武器には【火炎の】が付いているから鍛冶屋に行く必要はないよね。ボク鍛冶屋行くー」


ロリア:

 「私は……中央へ進もうと思います。『闇』の罠と書かれてはいますが、そちらの方から何か神聖なモノを感じます」


GM:

 OK! ワイズマンは北の「集落」、ロリアは中央の「『闇』の罠」、クスクルは南の「伝説の鍛冶屋」へ!



*  *  *  *  *  *  *  *  *

◆ 1日目 草原 ◆

 現在のマップ http://www.silversecond.net/sc/trpg_owh/04_map01.jpg


*  *  *  *  *  *  *  *  *


● 1日目北エリア 昼



GM:

 では北から! ここでワイズマン死んだら困るなー。


 イーリス「集落はこの前、戦闘になったから気をつけてね、ワイズマン」


ロリア:

 そこは人狼の村だった……?


ワイズマン:

 ゴゴゴゴ。


GM:

 ではワイズマンは【詩人】であるにも関わらず皆と別れ、単騎で北へ向かいました……そこにはボロボロの「集落」が!


ワイズマン:

 「これはひどい……生き残りがいればよいのだが」


GM:

 ワイズマンがそこに入ると……。


 2D6 集落遭遇表  (コロコロ…) ダイス (4+3) = 7


 その集落はほぼ空き屋でしたが、老婆が1人だけ住んでいました。


クスクル:

 「ダーズーゲーデー(べちゃ、ぬちゃ)」


ワイズマン:

 お前のような老婆がいるか。


ロリア:

 『もしや人を喰らう魔女の類では……?』


GM:

 いやいや普通の老婆だから! 出目7で変な老婆が出たら変おばあちゃん祭りじゃないですか! ※2D6の出目7は1/6の確率で出る。


 老婆「くっくっく、よく来たねえ……」


――――――――――――――――――――

<ケチな道に詳しい老婆>


 道に詳しい老婆に出会った、が彼女は金に汚かった。道を教えてもらうには工夫がいるだろう。

判定:【知力】  ジャッジ:100シルバ支払う

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クスクル:

 普通におばあちゃん生きてた!


GM:

 老婆「あたしゃお金が欲しいんだけどねえ……ヒッヒッヒ」


ワイズマン:

 では100シルバを払いますよ。金持ち喧嘩せず。1700→1600シルバへ。


GM:

 ジャッジOK! それはいいんですが【試練の腕輪】で-4ですが成功します?


 ……って【知力】か! グッド!


ワイズマン:

 7に達すればいいんですよね。余裕余裕!


ロリア:

 これだから【知力】5は!


GM:

 判定は【知力】でジャッジ成功につき目標値8→7へ! ただし【試練の腕輪】で-4!


――――――――――――――――――――

◆このセッションでのジャッジ処理について


 「ジャッジ」成功時、厳密には判定+1の処理を行いますが、このセッションではミスやPL負担を減らすためGM側が目標値-1して処理しています。

――――――――――――――――――――


ワイズマン:

 2D6+5+0-4>=7 【知力】判定! 

  (コロコロ…) ダイス (1+6) + 1 = 8  +1成功!


GM:

 成功! やりますねえー。ワイズマンは腕輪のせいで頭がモヤモヤしながらも何とか老婆をまるめこむことに成功しました!


 老婆「おや、ありがとうね、お・じ・さ・ま!」


 そういって老婆は100シルバをしまいこみました!


ワイズマン:

 「ふむ、このような世界でも金で解決できることはあるのだな。安心したぞご婦人」


GM:

 老婆「ヒッヒッヒ、あんたみたいな子なら大歓迎さ。じゃあ2日目地点の話を教えてやろうかね……」


 【試練の腕輪】の効果で【経験値】2倍なので、ワイズマンは【経験値】を+4点してください!


ワイズマン:

 【レベル】3になりましたパパラパー。でも2が2倍になってもなあ。


ロリア:

 この【試練の腕輪】ってクエスト【経験値】も倍になるんです?


ワイズマン:

 説明文によると「装備した状態でイベントや戦闘を行うと、獲得できる【経験値】が2倍になる」なのでクエストは含まれなさそうですね(※)。


GM:

 っぽいですね。


――――――――――――――――――――

※【試練の腕輪】の効果 : 実は全ての【経験値】取得量が2倍でした!


 後日編集さんに確認したところ、【試練の腕輪】の「獲得できる【経験値】が2倍になる」効果は、なんと「全ての【経験値】取得に適用される」ことが判明しました!


 つまり本来の意図通りなら、クエスト経験値や単独進行時に得られる【経験値】も2倍になるということになります。今回はワイズマンがちょっと損してしまいましたね。

――――――――――――――――――――


GM:

 それでは、老婆のおかげで2日目のイベントフルオープンです!!


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【2日目】 地形:荒野   

 北:盗賊の群れ

 中央:半獣の薬師

 南:『闇』の罠

――――――――――――――――――――


ワイズマン:

 はい中央集合ー。


ロリア:

 中央ネムリだー。と思わせて男だったら詐欺だ。


クスクル:

 「盗賊の群れ」に突撃してみたいけど南にいるボクは行けない……。


*  *  *  *  *  *  *  *  *


GM:

 ではワイズマンは老婆に別れを告げて集落を後にします!


ワイズマン:

 「礼を言う。どうかご婦人もお気をつけて」


GM:

 老婆「ひっひっひ、ありがとうね。あんたも気をつけるんだよ」


 老婆は闇に呑まれていきました……。


ワイズマン:

 気をつけるもへったくれもない!


ロリア:

 ホラーだこれ。


クスクル:

 お金もらっても死んじゃったらどうしようもないのにねぇー。



*  *  *  *  *  *  *  *  *


● 1日目中央エリア 昼



GM:

 ロリアがやってきたのは何もない場所……ではなく、ダンジョンでした!


ロリア:

 「たしか地図の通りだと『闇』の罠とあったはずだけど……」


GM:

 ロリアがダンジョン内を探索してみると、その端に牢獄を発見します。牢獄の中には誰かいるようです。よく見ると……そこには縛られている高貴そうな女性がいました!


 ロリアはよく知っています、牢に捕まっているのはあなたが仕えるヴィクター王の義理の娘、フリーダ王女です!


 縄で全身変なしばられ方をしています! なお見た目はこんな感じの人です。


 イラスト http://www.silversecond.net/sc/trpg_owh/NPC_main_Frieda.jpg


ロリア:

 「……」


クスクル:

 『ロリア、邪魔しちゃダメだよ。お楽しみ中だよ!!』


ワイズマン:

 『なに!? 何が起きているんだ』


GM:

 ということでクエストオープン!


――――――――――――――――――――

クエスト 『ドMの王女フリーダ』


・公開条件:1日目にたどりつく(昼行動を上書き)  【経験値】5


・イベント:

 ダンジョンの牢獄に捕らえられていたのは、君の主君であるヴィクター王の義理の娘、フリーダ王女だった。特に問題なく助け出せたが、どうやら彼女は君のいた世界のフリーダ王女とは別人のようだ。このフリーダ王女を「世界の果て」まで連れていけば、きっと監獄世界を脱出するための手助けをしてくれるだろう。【ドMのフリーダ王女】を獲得する。彼女とは「交流」可能。【意志】で目標値8の判定に成功すれば【好意】が1になる。

ジャッジ:フリーダ王女と会話する


・クリア条件: 【ドMのフリーダ王女】を所有したまま「世界の果て」にたどりつく

・報酬: 【伝説P】30+特徴【ドMな】+【魂の絆:フリーダ王女】

――――――――――――――――――――


GM:

 ということでこの王女は【ドMのフリーダ王女】でした!


 まず【経験値】+5しておいてくださーい!


ロリア:

 【経験値】0→5で【レベル】3になり【盾の修練】取得しました。


GM:

 さて、変な縛られ方のフリーダ王女はロリアに気付いて話しかけます!


 フリーダ「ああ、すみません、お願いです、ちょっときつく縛り過ぎてしまって……!」


ロリア:

 「――」


 あまりにあまりな光景に思考停止するロリア。


GM:

 フリーダ王女はこの状況にツッコミ待ちです。うずうずしてます。


ロリア:

 「……ええと、フリーダ王女、ですよね?」


GM:

 フリーダ「あ、スルーするスタイル……そういうのも悪くはないのですが……はい、フリーダです」


 ジャッジは「フリーダ王女にツッコむ!」です!


ワイズマン:

 ジャッジが変わってる!


ロリア:

 「こんなの私の知ってる王女じゃ!」


GM:

 フリーダ「あっ、その冷たいお言葉……いいですね……!」


 とりあえずロリアさん、王女を助けてあげてください(どういう意味で助けてあげるのか文脈が複雑である)。


ロリア:

 とりあえず敵意はないので縄を斬って解きます。


クスクル:

 ぶーぶー。


ロリア:

 「私の知っているフリーダ王女はもっと気品ある振る舞いで……」


GM:

 ですね、ロリアさんもたぶんあまりフリーダ王女とは会ってませんが、こんなのじゃないのは確かだと思いました。


 フリーダ「ああ、救ってくださってありがとうございます……おや、もしやその紋章は、ヴィクター王の城の……?」


 フリーダはロリアの盾あたりについてる紋章を見て言ってますね。


ロリア:

 「え、ええ。ってフリーダ王女? 私に覚えがありませんか? 騎士として10年務めていたロリアです、幾度か会話したこともありますが……」


GM:

 フリーダ「ああ! そうでした、ロリア隊長……ですね? お姿が変わっていたので……すみません、失礼なことを……」


 フリーダ王女はケモ耳の方が気になってて、ロリアが一瞬誰か分かりませんでした。


ロリア:

 「そうですね、このような耳が付いていてはわかりませんよね……」


GM:

 フリーダ「そんなお姿になってしまって、きっと大変な苦労をされたことでしょう……人々からそしりを受けたことも、少なくなかったであろうとお見受けします……(ああ、うらやましい……)!」


ロリア:

 「フリーダ王女? 今何か声色が嬉しそうになっていませんでしたか?」


GM:

 フリーダ「こほん! 何でもありませんよ!」


ロリア:

 先ほどから自分が知っている王女の姿とはどこかかけ離れており、いぶかしげに見ています。


GM:

 フリーダ「私はレインと黒騎士デュークガルツと共に、魔王を討伐したはずなのです。それがなぜかこんなところに……」


ロリア:

 「そ、そうですか……」


GM:

 と話は続きますが、ジャッジはOKです! 【意志】で目標値は8→7へ!


ロリア:

 2D6+1+0>=7 【意志】判定! 

  (コロコロ…) ダイス (1+3) + 1 = 5  -2失敗!


ロリア:

 アーッ。


ワイズマン:

 不信感が丸出しですよロリアさん!


GM:

 失敗! フリーダ王女はもうちょっとツッコんでほしくて不満です。【覚醒】しますか?


――――――――――――――――――――

スキル【覚醒】

 セッションにつき2回まで、判定のサイコロを1つ振りなおせるスキル。

――――――――――――――――――――


ロリア:

 じゃあ一度だけ1の方に【覚醒】を使いましょう。


 1D6 覚醒!  (コロコロ…) ダイス 3 = 3  +0成功!


ワイズマン:

 セーフ!


クスクル:

 もう一回1が出たら面白かったのになぁー。


GM:

 ではロリアが全力でフリーダ王女をギロリとにらむとフリーダ王女が興奮します!


 フリーダ「ああ……私は信じていました。あなたこそ、私が待っていた勇者なのだと……!」


ロリア:

 「(もしかしてこの牢獄に囚われた影響で王女は正気を失ってしまわれたのか)」


GM:

 フリーダ「さあ、今こそ私も戦うときです。共に世界を救いましょう、騎士ロリア……いえ、勇者ロリア様!」


ロリア:

 「はい、たとえ王女が自我を失っていようと私の忠誠は王国のために」


GM:

 ひどい。ちなみにロリアには分かりますがフリーダ王女、ちゃんとアンデッドになってますね。


ロリア:

 アンデッドって見てわかりますか!


GM:

 助け出したときにだいぶ手が冷たかったです!


 本人から聞けますが、フリーダ王女はドMが行きすぎて一回死んでしまい、ヴィクター王に蘇らされ、レインとデュークガルツにずっと部屋で監視される生活をしていました。


ロリア:

 ひどい……。


GM:

 フリーダ「という経緯がありまして……私はこのように死者になってしまったのです」


ロリア:

 「――(唖然)」


GM:

 フリーダ「ああっ、その冷たい視線……たまらない……!(恍惚こうこつ)」


ワイズマン:

 『(そのような事件の例はたしかに聞いたことがあるが、実在するものなのだな……)』


 イーリスから生中継される話を聞いてしきりに感心するワイズマン。


ロリア:

 「(王国への忠誠、今からでもなかったことにできないだろうか)」


 と、考えを改めそうになる騎士ロリアであった。


クスクル:

 これ、やっぱり【エッチな】を特徴として選ぶ必要性があるのかなぁ、もうセッションそのものが卑猥だよ?


*  *  *  *  *  *  *  *  *


GM:

 さて、牢獄を出る際、フリーダ王女は保管されていた己の大剣を手に取ります。TRPG版デザイン特有の彼女の剣です。


 フリーダ「よっこいしょぉぉ!」


 さらに先ほどの判定に成功したのでフリーダ王女からの【好意】+1できます! ということで、ロリアはアイテム【ドMのフリーダ王女】を獲得します!


――――――――――――――――――――

アイテム【ドMのフリーダ王女】

 攻撃判定+2、装甲-1される。このアイテムが破壊されそうになった場合、所有者が装甲無視の1D6ダメージを受ければ破壊をキャンセルできる。受け渡しはできない。次元倉庫には入れられない。「交流」可、能力値はすべて1。所有したまま「世界の果て」エンドをむかえると【魂の絆:フリーダ王女】に変化する。

――――――――――――――――――――


GM:

 フリーダ王女は戦闘で敵に突っ込んでくれるので攻撃の助けになります。


 でも守らないとドM力を発揮して平気で死にに行くので、それをかばおうとするロリアの装甲がマイナスされるという扱いです。


ロリア:

 ひどい……。


クスクル:

 突っ込んで欲しかったり突っ込んだり忙しいなぁー。


ロリア:

 あ、その装甲-1が【盾の訓練】で相殺された。計算しやすくてちょうどいいや。


GM:

 なお彼女の世界線は、ドMのフリーダ王女が心配すぎてデュークガルツは出奔しゅっぽんせず、レインも事故に遭わなかったルートでした。めでたしめでたし!


ロリア:

 事故に遭わなくてもフリーダ王女だけ死んでるー!


ワイズマン:

 フリーダ王女をアンデッド化させて蘇らせた王様の気持ちを考えて書きなさい(40文字以内)。


*  *  *  *  *  *  *  *  *


● 1日目南エリア 昼



GM:

 次、南のクスクルさんがやってきたのは鍛冶屋でした。


――――――――――――――――――――

<伝説の鍛冶屋>


 そこは「伝説の鍛冶屋ダグド」が住んでいる小屋だった。彼は必死で武器を打っているが、闇が近付いてきていて仕上げが間に合わないことに気付いて叫んだ。

判定:【筋力】  ジャッジ:自分たちの手で代わりに世界を救うと説明する

――――――――――――――――――――


クスクル:

 鍛冶屋でした。


GM:

 足を失った鍛冶屋が武器を鍛えていますが、クスクルが来たのを見て窓の外を確認し、叫びます。


 ダグド「くっそ、また時間切れか!! で? なんだおめえ?」


クスクル:

 「ボクは通りすがりのアライグマだよ」


GM:

 ダグド「なんだ、用がねえなら帰れってんだ! それとも世界でも救ってくれるってのか、ええー?」


 ジャッジ:自分たちの手で代わりに世界を救うと説明する


ロリア:

 アライグマに言われて納得できるの、この鍛冶屋……。


ワイズマン:

 重武装したアライグマですから説得力はありそうですよ!


GM:

 ちなみにダグドさん、どんな人に武器を渡しても魔王や世界の危機を倒してもらってるので、人は見かけによらんなあと思ってますよ。本当は武器がいいので誰でも世界を救えたんですけれど。


 そのせいでこの監獄世界にとらわれてしまいました。


クスクル:

 「その立派なロングブレイド(股間を凝視しつつ)を鍛えた腕をボクに貸してくれないかなー。そしたら世界を救えるような気がするー」


 【エッチな】なのでジャッジが「エッチなことを言う」に変更になります。


GM:

 【エッチな】発動! ジャッジOKです!


クスクル:

 2D6+2+0>=7 【筋力】判定! 

  (コロコロ…) ダイス (3+4) + 1 = 8  +1成功!


GM:

 成功!


 ダグド「フッ、俺のロングブレイドを見抜くとはいい目をしてやがる……分かったぜ、その目に見込んでいっちょやってやるよ!」


ワイズマン:

 すごい、映像がないと普通の会話だ!


クスクル:

 まーね、全年齢向けだからねー。


GM:

 ダグド「っていうかホント困ってんだよな! このくそったれな状況を打破できる最高の一本を作ろうとしてるんだが間に合いそうにねえ、くそが!」


 ダグド「しょうがねえからおまえの武器でもいじってやるよ! 何をいじればいいんだ? ん?」


ロリア:

 『ああ、また余計な事を言ってる気がする、あのタヌキ……』


ワイズマン:

 『あのクスクル君は今までどんなことをしてきたんだねロリア嬢』(イーリス通信)


ロリア:

 『大体セクハラとか空気読まない行動とか色々ですよ、ええ本当に色々と』


ワイズマン:

 『セクハラ……なるほど。獣人から半獣人への……』


ロリア:

 『いえ、私が半獣人になる前からこの調子なので、相手の種族性別問わずこんな感じです』


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成功:【経験値】2獲得。ダグドはそれならと、君たちの1人1人の武器を鍛えて付与を付けてくれる。2D6を振り、武器付与表のその出目以下の範囲から好きな付与を1つ付けてくれる(ただし振った後のキャンセルはできない)

――――――――――――――――――――


クスクル:

 2D6 武器付与  (コロコロ…) ダイス (6+4) = 10


GM:

 10! すげえ!


 では、【高価な】【壁壊の】【怒りの】【鋭い】【必中の】【混沌の】【頑丈な】から1つ選んで付与することができます!


クスクル:

 ねぇ、ねぇ、何が良いと思う? ねぇ?


ロリア:

 【混沌の】とかどうでしょう。


GM:

 イーリス「【混沌の】強そうだよねー、攻撃判定でサイコロに6があったら【反撃ダメージ】なしだって! あと狩人なら【頑丈な】も地味にいいよね、壊れにくくなるし」


ワイズマン:

 【軍用剛弓】を壊したくなければ、【頑丈な】が欲しいですねえ。


クスクル:

 そうなんだよねー、なんか毎度のように何か壊されてるから【頑丈な】も欲しいんだよね。【混沌の】が面白いのは確かなんだけど。


 よし、【頑丈な】にします。


GM:

 クスクルの【軍用剛弓】に【頑丈な】が付きました! 書き込んでおいてくださーい。


クスクル:

 「やったね! 頑丈なロングブレイド(股間を凝視しつつ)に負けないくらい【頑丈な軍用剛弓】になったよー」


GM:

 ダグド「じゃあなー俺もあいつらについて調べるからよーおまえも負けんなよーロングブレイドに誓うぜー!!」


 クスクルは鍛冶屋を後にしました。鍛冶屋は闇に呑まれます……。


クスクル:

 「うん、ありがとう、ロングブレイドさん!(股間に手を振る)」


GM:

 ダグド「そっちが本体扱いーー!?」


クスクル:

 「え? 違うの?」


マリー:

 ダグドさん(顔を手で覆う)。


GM:

 そして鍛冶屋ダグドは闇に呑まれ、声は聞こえなくなりました……。


クスクル:

 あーロングブレイドさんが闇に呑まれたー。


ロリア:

 『酷い会話でした……』



*  *  *  *  *  *  *  *  *


● 1日目南エリア 夜



GM:

 1日目の夜になりました! 夜行動を選択してください!

 2日目はフルオープンされてるので「偵察」は不要です。


ワイズマン:

 「進行」!


ロリア:

 「進行」!


クスクル:

 「交流」!


GM:

 おっ、では南のクスクルのみ「交流」します!


 ではまず夜行動の【ST】-2してください。そして「交流」対象はー?


クスクル:

 【ST】13→11。イーリスと「交流」です。


GM:

 OK! ではイーリスと会話です。会話テーマは……。


 1D6 会話テーマ  (コロコロ…) ダイス 3 = 3

 3:家族の悩みごと。【生命】で判定。


 「交流」のジャッジは……ルールブックのリプレイによると内容に沿った会話ならジャッジが出ます! ということでジャッジタイーム!


 イーリス「ねえねえ、クスクルって家族とかいないの?」


クスクル:

 「家族いるよー、みんなアライグマだけどねー。メスは1歳、オスは2歳で成熟し、2歳以上の妊娠率はほぼ100%なんだってー、ウィキペディアよりー」


 【エッチな】なので!


GM:

 イーリス「へ、へー若いんだねー。まあ動物だし、そんなもんか」


クスクル:

 「一夫多妻制で、メスが子育てをするんだってさ、ラノベじゃないのにハーレムだよ。すごいよねー」


GM:

 イーリス「へー勉強になるなあ」


 いいでしょう、ジャッジOK!


クスクル:

 「んで、発情期についてなんだけど、あれ? もういらない? いらないのかー」


ワイズマン:

 『クスクル君はなかなかすごいな。野生を感じるぞ』


ロリア:

 『あれは野生というか野性というか……』


クスクル:

 2D6+1>=7 【生命】判定! 

  (コロコロ…) ダイス (3+4) + 1 = 8  +1成功!


GM:

 うーん強い! 成功!


 イーリス「へえー発情期もちゃんとあるんだね! ところでクスクルって常時発情してない……?」


 イーリス「え、まさかそれが平常時とか言わないよね? え?」


クスクル:

 「えーと、えーと、繁殖期は1~3月らしいよ……」


GM:

 イーリス「わかった、わかったよ、いま何月か分からないからこの質問は保留にしとくね……」


 ということでイーリスからの【好意】が1になりました! パカパーン!


 そしてなにかしますか? 何か公開とかする? しない?


クスクル:

 おわり! おわりです!


ロリア:

 えっ、イーリスと【好意】結ぶだけ!? てっきり何かするのかと。


ワイズマン:

 他にもクエスト公開条件があったりするんでしょうね、っていう文脈がなければ「何かする」部分が危ない意味の発言になるところでしたよロリアさん!


クスクル:

 何か? イーリスと繁殖するの?


GM:

 クスクルさんがエッチ全開ですが、単純にシステム的に考えてもイーリス交流は割とアリですよ。暇なときに+1しておけるのは大きい!

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