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ホームセンター
物心ついた時にはそれなりに大きなホームセンターの一角にあるペットショップというところで生活をしていた。
確か僕には兄弟がいたはずだった。だけど産まれてから一週間もしないうちに引き離され、気づけば僕の周りには多くの人間がいた。
もう親兄弟の記憶はぼんやりとしたものしかなく、もはや顔を合わせても気づかないかもしれない。
そんなゲージというものに囲まれ、食べたくないのにご飯が出され、食べたい時にはご飯は出されない。そんな生活がしばらく続いた。
「いらない!」
そう鳴いても、「もっと食べたいの?」って笑いながら言ってくる。
必死に抗議している横で仲の良かった歳上の友だちがガラス張りの部屋に連れ出され、戻ってきた時にはすごく怯えていた。
話を聞くとバンバンとガラスを叩かれたり、知らない人間が多くてとても怖かったと話していた。
店内が暗くなった頃、二人の人間が何か話している。
耳を傾けると「ザイコ」や「ショウヒン」といった声が聞こえてきたが、何を言っているのかは分からなかったので、そのまま眠りについた。
朝を迎えだんだんハッキリとしてきた意識のなか体を持ち上げられ、運ばれているのが分かる。
目を覚ますとガラス張りの部屋にいた。友だちが連れて行かれた部屋だ。
そして目の前には張り紙が貼られ、そこのは人間の世界でお金というシステムの金額が書かれている。一、五、万。
……そう、私は十五万の命だった。
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