命の値段
幸葉 紡
序章
産声
僕が産まれたのは春の訪れが少しずつ感じられるようになった三月。初めて触れる空気はとても冷たく、体はすぐに冷え始めた。
僕は母親の温もりを求め、「僕はここだよ」と思いっきり産声を上げる。
しかし、産まれて初めて感じた温もりは母親のものではなく、人間の温もりだった。
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