2013年2月22日日本国北海道
中学校生活最後の日。つまり、卒業式。
まだ寒く歩くのもままならない。
「今までありがとう。これからもよろしくね。」
なんていうキャラでもないし、そういう人もいない。
つまんない生活だった。と思いながら、30分かけて歩く道。
この道も最後なのかもしれないと思ったので、返事は返ってこないのに「いままでありがとう。」と言ってしまう。
それは、いう相手がいないからなのか。
周りでいう「寂しいやつ」だけど、そう思われたくないだけなのか。
ひとりで「いままでありがとう。」何て言っている方が寂しい奴だが。
どうでもいいことを考えていたら、横断歩道が見えてきた。
卒業式に出席できないのは、なにか嫌だ。卒業していない気がして。
なので、ここもちゃんと教えられたようにボタンを押して、右左を確認。前へ進む。単純作業をする。
でも、最後に覚えているのは、なにか右からとてつもない力が私に加わったということと、車の姿だった。
〔???〕
気がつくと、目の前に老翁が目の前に立っていた。
姿はいたってフツーの人。ただ、髭が普通より長いってことだけ。
「お主ら、本当に生身の人間か?」
目の前のじいさんはなにかいい始めたが、そんなことより状況を説明してほしい。
1,奇跡的に助かり、今は病院等の施設にいる。
2,妄想や想像。走馬灯等。
3,寝ぼけている。
「つくづく、人間性の狂った連中だ。つまらんことを考える。」
このじいさん、私の胸中を読んだというのか。
事実なら、プライバシー等の違反になるところだが。とにかく、不快である。
「こっちだって好きでこんな不快な声聞いてない。」
「驚いた。魔物が住んでいたのだな。それも心がとても真っ暗な。」
「変なこといってんじゃないわよ。」
いつの間にか顔を出したいかにも'悪魔'って感じの女の子が、少し怒りながら話した。
とにかく、この世に人が信じているのは神で妬み恨んでいるのは悪魔。そして、今、私は目の前の2人をとても妬んではいないが、いいモノではないと思っているので、悪魔Xと、その手下の悪魔Yということにしておこう。証明終了。
「お前、神を過労死させるつもりか。」
「とてつもない迷惑チャンね。」
こっちから見ればそちらの方が迷惑組なんですが。と、声に出したいがどうせ聞こえてるだろう。
「十戒を定めただろう。」
十戒?なんだそのキリストとかに出てきそうな答えは。でも、前にパソコンで調べたはずだ。たしか、
1,神は1人であること。
2,主の名をみだりにいわないこと。
3,主の日を心にとめておけ。
4,両親を敬え。
5,殺してはいけない。
6,姦婬はいけない。
7,盗みはいけない。
8,隣人にたいし偽証はいけない。
9,隣人の妻を欲さない。
10,隣人の財産を欲さない。
だったはず。
「今さら思い出しても遅いわ。信仰心の低いお前をみてよーくよぉーくわかった。だから、検証してやろう。」
話が急展開すぎませんかね旦那。
「じゃあ、私は生き返るということですか。」
「もう一度最初からやり直せ。そして、証明してみせよ。人間の愚かさと脆さを。」
嘲笑うように見てくる。
ウザイってこういうときに使うんだろう。だけど、あえて
「望むところだ。」
と挑発に乗ってやるのだ。
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