最終話 ごめんね、期待に添えなくて。
目が覚めた。
時間は10分くらいしかたっていない。
体感では2時間近く寝ていた気がする。
ふと気づいて
机をみると
軽く血だまりができていた。
部屋を閉め切っていたから
部屋は鉄の臭いが充満している。
縦にしても死ねなかった。
むしろ、切れたことに達成感すら感じた。
ああ、これでも私は死ねないのか。
私は生きることへの執念が強いのだろう。
そして、今もなお
私はリストカットを続けている。
縦にも横にも斜めにも
血管が切れようと裂けようと
自分が死のうと左手が麻痺になろうと
かまわない。
私にいってきた男子。
ごめんね、期待に添えなくて。
でもいつかは
そういう終末を迎えることだろうね。
10年以内には。
それでも達成できていなかったら
あなたが私に手を下しなよ。
リストカット。 露草 @chisato_hiyoko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます