最終話 ごめんね、期待に添えなくて。

目が覚めた。

時間は10分くらいしかたっていない。

体感では2時間近く寝ていた気がする。

ふと気づいて

机をみると

軽く血だまりができていた。

部屋を閉め切っていたから

部屋は鉄の臭いが充満している。


縦にしても死ねなかった。

むしろ、切れたことに達成感すら感じた。

ああ、これでも私は死ねないのか。

私は生きることへの執念が強いのだろう。


そして、今もなお

私はリストカットを続けている。

縦にも横にも斜めにも

血管が切れようと裂けようと

自分が死のうと左手が麻痺になろうと

かまわない。


私にいってきた男子。

ごめんね、期待に添えなくて。

でもいつかは







そういう終末を迎えることだろうね。

10年以内には。

それでも達成できていなかったら

あなたが私に手を下しなよ。

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リストカット。 露草 @chisato_hiyoko

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