第4章減点方式で作品を読むか加算方式で小説を読むか、その違いは大きい。

　他人が書いた文章のアラは、よく目立つ。

　レビューにしても、良いところを探して文章を読むか、欠点にばかり目を向けてレビューを書くか、書かれたコメントを読むと、レビュアーの視点、生き様が透けて見えるように思う。

　減点方式で作品を読むか、加算方式で小説を読むか。

　もっと掘り下げれば、読む人がネガティブな発想をするか。

　ポシティブ・シンキングするか。

　レビューとは、実はレビュアーの顔が最もよく表れる行為ではないかと思う。

　アラばかり探すレビュアーは、減点方式を採用しているので、ただひたすら相手の欠点、悪いところばかりに目がいく傾向が強い。

　自分を棚に上げ、自分が悪態をつくことは許せても、他人が同じことを言ったりやったりすることは、一切、受け付けない。

　自分の妥協は許せても、他人の妥協には目をつぶらないって人、わなび界隈には多過ぎですよね。

　反対に加算方式でレビューするレビュアーは、相手の良いところを探し、相手を褒めるレビューを心掛けるので、物事が足し算で計算されていて、人を不快にさせることが少ない。

　これらの２つのレビューは水と油で、視点が全く真逆なので、結果として、まったく異質のレビューが出来上がる。

　人の気持ちを逆なでするレビューには、やはりというか、当然というか、それ相応の、同族の人しか反応をしないし、そのようなレビューを連ねる作家には、暗い未来が待っている。

　辛口の、作家の為になる助言と、ただやみくもに、揚げ足を取るためだけに書かれた酷評レビューとは、似ているようで実は非なるものなのであることは確かだ。

　１つ辛口の文章を書いたなら、せめて２つ、褒める文章もレビューに加える必要があるのかな思う。

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