第23話 縛られ地蔵

 旅のプロテイン売りが、お地蔵様の前で昼寝をしていた。

 目が覚めると、売り物のプロテインがひとつ残らず無くなっている。


 お奉行様に、経緯を話すと、犯人はお地蔵様だという。

 お奉行様は、筋肉自慢達にお地蔵様を連れてくるように命じた。


 お奉行様の前に突き出されたお地蔵様。

 憐れ、縄で縛りあげられておりました。

「おい地蔵!プロテインを盗んだのはキサマだな!」

「………」

 口を割らぬ地蔵に、締め付けが足りぬと筋肉自慢達に、さらに縄をきつく締めるように命じる。

 筋肉をミチミチ震わせて、縄を引っ張る筋肉達。

「………Oh…yeah…Fuuuuu」

 地蔵の口から苦悶の吐息が漏れる。

「もっとか!…いいだろう…もっときつく締め上げろ!」

「Fuguuuuuuu…Yes Yes I'm coming…Oh~Yeah~」

 どれだけ締め上げても口を割らない地蔵。

 ムチを打ち、ロウを垂らされても、よだれを垂らしながら恍惚の表情しか浮かべない地蔵。


 ついにお奉行様は、地蔵を晒し者にするために野ざらしにしましたとさ。

 しかし、地蔵は見られる喜びに歓喜の汁を零したそうな。

 その汁は『御聖水』として国中のどエムに、女王様からのご褒美として振る舞われたそうじゃ。


 あっ、盗まれたプロテインは貧弱な坊やが後日逮捕されました。

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