第22話 ねずみのすもう

 ある夜のことじゃった。

 お金のほとんどを、トレーニング器具とプロテインに費やす、貧しいお爺さんが山でトレーニングしていると、切り株のうえで相撲をとるネズミが2匹。

 片方は、丸々と太ったネズミ、もう片方はやせ細ったネズミ。


 相撲では勝負にならない体格差、痩せたネズミはコロン・コロンと投げられる。

 太ったネズミが痩せたネズミに

「あんな貧しい家に居ないで、俺のところへ来いよ…美味い物を腹いっぱい食べれるぞ」

「僕は、あの家で産まれたんだ…今さら出ていけないよ…」


 見覚えのある痩せたネズミ…自分の家に住んでるネズミに違いない。

 その夜から、お爺さんはネズミのために自分のプロテインを皿に盛って、囲炉裏の脇に置いておきました。

 朝になると、プロテインはキレイに無くなってます。


 そんなことを繰り返していたある日…。


 切り株のうえで相撲をとってるネズミ…太ったネズミがコロンと投げ飛ばされてます。

 投げ飛ばしているのは…ムキムキに鍛えられているネズミ…。

「なにを食って、そんな身体になったんだ?」

 太ったネズミが聞きます。

「魔法の白い粉さ! お爺さんが置いてくれる粉を舐めると…力が湧いてくるんだYO」

「その粉…俺にも分けてくれないか?」

「Hey YO…分けてやりたいが…あの粉は高いらしいんだ…お爺さんもギリギリだぜ、Sorry」

「お金があればいいのか…それなら、俺が毎晩小判を1枚運んでいくよ、あの家は金持ちだから」

「OK! Borther,明日の晩から一緒にLet's Muscleマッソーだ」

「あぁ…もう醜い脂肪とBye Byeさ」

「俺も、もう貧弱な坊やと呼ばせないぜ」


 お爺さんの家には毎晩小判が届けられるようになり、器具も筋肉もミチミチ充実していきました。

 囲炉裏の脇には、小さなお皿が2つになり、

 ネズミも仲よく、競い合うようにトレーニングに励んでいるそうじゃ。


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