第21話 うさぎとかめ
「Hey
「なんですか、
「丘の上まで競争しませんか?」
「OK!」
「Yeah! Ready Go!」
うさぎはドーピングで強化した筋肉で、あっという間にカメとの差を広げます。
カメは落ち着いて、プロテインを摂取して…。
「このままでは勝てんか…仕方ない…はぁっ!」
と気合で重い甲羅を筋肉で四方へ弾き飛ばします。
「ふぅ…久しぶりに身体が軽くなったぜ」
ドンッと地面を蹴って、うさぎの後を追います。
その頃、ドーピングの反動で苦しみ、うずくまるうさぎ。
「くっそぉー、カメの野郎、こんなところまで…追いついてきやがった…仕方ない」
と、もってくれよ…ドーピング3倍だー!
「ふしゅぅぅぅぅぅ」
ウサギの目が真っ赤に光り、白い毛は逆立ち、オーラが視認できるほどに溢れています。
カメの気を感じたうさぎが、サッと構えます。
ギッ!と立ち止まるカメ…対峙する両雄!
「ここからが本当の闘いってわけだな…うさぎ」
「ケケケ決着をつけて…つけ…てやる!」
ガシィッとぶつかる、うさぎとカメ!
筋肉が軋む音が乾いた大気を走り抜けます。
瞬発力は、うさぎのほうが上、強靭な後ろ足が、カメの身体を蹴り飛ばす。
岩を砕いて、地面にめり込むカメ。
「クスリに頼っても…この程度か!」
カメが跳ね起き、うさぎに突っ込んできます。
「ちっ…視えてるぞ」
シャッとカメの拳を交わすうさぎ。
「甘い!」
後ろに交わしたカメがクルリを身を反転して、うさぎを肘で地面に叩きつけます。
グアッ!
ガハッ…口から赤い血を吐き出すうさぎ…。
「クスリなんかに頼らない方がいい勝負が出来たかもな…」
「くそっ…」
ドーピングの反動で、もはや身体が動かないうさぎ…。
カメは、ゆっくりと丘の上の旗を引き抜き、うさぎの身体に突き刺します。
「あばよ…」
ふぅ…肩で息をするカメ。
「地道な修行こそが、最高の筋肉をつくるのさ…クスリじゃ勝てねぇよ…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます