第4話
入学式が終わった後、
さやと空は一緒に話しながら昇降口に向かった。
上履きは、指定のもので全員が各自で持ってくるようになっている。
クラスは入学式が終わった後、
一人一人プリントが配られ、そこに書いてある。
やはり名門校である。
「あーあ、やっと終わった…」
「長かったねぇ~」
「ったく、校長話なげぇんだよ。」
空がそう言うとさやは苦笑していた。
否定はしないらしい。
「でも、同じクラスでよかったね♪」
「だな!」
仲良く話しながらさやと空は教室に入り、
黒板を見て、出席番号と席を確認した。
「席は…離れちゃったね~」
「まぁ…出席番号順だしね」
「でも、休み時間にいっぱい話そうね!」
(私が……死ぬまで………………)
「もちのろん、だよ!」
空はもちろんさやが死ぬことを知らないので、ずっと話すつもりでいた。
その後、静かに席についていたら教室のどうぞが開き、先生が入ってきた。
「は~い!皆、席についてるね~ん!
HR始めるよ~ん。」
そうして先生が号令をかけて、HRが始まった。
先生はとても元気いっぱいな人だった。
見た目はとても若い。
綺麗な本紫色の髪と目、目はパッチリしていて鼻は高く、薄いピンクの口紅を塗っていた。
「ほんじゃまず、自己紹介からいこっか。
先生の名前は、千日紅〈せんにち こう〉だよ!
じゃあ、出席番号順からで~。」
そう言うと紅は左端の1番目の人を見た。
出席番号順なので、さやは3番目だ。
順番に自己紹介をしていってすぐにさやの番はきた。
「秋野さやです。趣味は読書です。この学校に姉がいます。よろしくお願いします。」
さやがそう言って座ると、周りからざわざわと聞こえてきた。
さやが少し不安になっていると
紅が手を叩いた。
「は~い。皆静かに~自己紹介続けて~」
そうして、すぐに自己紹介は終わっていった。
空の趣味は動くことだった。
空らしいと言えば空らしい。
「はい!皆いるねん。
じゃあ、早速で悪いんだけど
クラス委員を決めるよん。」
さやは疑問に思った。
(クラス…委員…?)
「クラス委員やりたい人~」
『はーい』
さやはさや以外の人が全員手を挙げていたのでビックリしている。
「ありゃま。多いなぁ…ど~しよっかなぁ~」
さやは、色々な疑問をもった。
だから、片っ端から聞いてみることにした。
まずは…
「先生、質問です。」
さやは手を挙げて聞いた。
「ん?なぁに?」
「クラス委員って決めて何をするんですか?」
『・・・。』
教室が静まり返った。
さやが気まずくなっていると紅が答えた。
「わぁ。いきなりだねん。
んじゃ、説明すっ…説明するよん。」
(さっき…先生声と口調が…気のせいかな…?)
さやがそう思っていると紅が答えた。
さやはしっかり聞くようにした。
「えっとねん、この学校はね~校長が一番で
生徒会が二番目に偉いの。んで、次に偉いのが教員で、生徒の順番ね。」
さやはおかしいと思った。
そう。この高校は普通ではない。
生徒会の望む高校になるわけだ。
前も有名ではあったが、今の生徒会長になってからすごく有名になった。
偏差値も高く、入るのも大変だが校則は緩い。
「えっ⁉」
さやは姉に聞かされてないことが多く、はじめて知ることだ。
今回の話も聞いたことはない。
「ホントホント!それでね、生徒達が生徒会に入るには、学級委員にならなきゃいけないの。で、学級委員になるにはクラス委員にならなきゃなの。分かるかな?」
つまり、クラス委員にならないと生徒会に入れないということだ。
「そうだったんですか…。」
さやは姉に聞かされてないことなのでショックを受けた。
紅はビックリしている。
「…って、な~んでさやちゃんは知らなかったのん?皆知ってるよん?」
「えっ⁉」
周りを見渡すと皆頷いていた。
『うんうん』
さやははじめて知ることばかりだ。
「さやちゃんのお姉さんってもしかして
生徒会長かな?」
「え。あ、はい。そうですけど…」
「やっぱりねん。」
紅は少し考えてから言った。
「じゃあさ、
さやちゃんがクラス委員でいいかな?
皆、異論は無いね?」
『ありませーん』
「じゃあ、決定ねん。
さやちゃん、頑張ってねん!」
そうして私はクラス委員に任命された。
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