第2話
アリーナに着いたらあやと同じロッカーに荷物をしまった。
その後、あやと別れて椅子に座った。
どうやら、椅子は一年、二年、三年と分かれていたが自由席らしい。
さやは一人で一年の席の端に座っていた。
そして、暗い顔をして考えていた。
(はぁ…。お姉ちゃんは…私が一週間後に死ぬなんて…知らないんだよね…。……でも…言ったところで…どうせ…)
その時、隣にいた子が話しかけてきた。
「ねぇねぇ」
しかし、さやは気づいていないようだ。
そしたら、その子は肩を叩いてきた。
そして、さっきよりも少し大きい声で
「ねぇねぇ」
と話しかけてきた。
さやは少しビクッとしたが、すぐに隣の子だと気づき、
「はい?なんでしょう?」
と隣を見て言った。
さやは良く目を会わせて隣の子を見てみた。
男勝りな顔をしていて髪はショート。
目の色は赤で髪の毛の色は綺麗な水色だった。
隣の子は、さやがジッと見ていたので少し顔を赤くしていた。
「あなた…生徒会長のお友達?///」
と、聞いてきた。
少しの間、ポカンとしていたが、すぐ我に返って言った。
「ち、違いますよ。」
と答えた。
隣の子はあっと言って
「まずは名乗らなきゃだよね。」
と笑って言った。
(笑顔が素敵な子だな…)
とさやは思った。
すると、隣の子が口を開いて言った。
「アタシは高月空。あなたは?」
「私は、秋野さやです」
軽くさやは答えた。
隣の子-空-は頷いて
「そっか!じゃあ、さやって呼ぶね!
アタシのことも名前で呼んで!あと、敬語じゃなくていいよ!同じ入学生だから!」
と言った。
さやはニコッと笑って
「分かった。よろしくね、空ちゃん♪」
と言った。
「ところで…さっき気になったんだけどあなたって…」
と空は言った。
さやは
「なぁに?」
と言った。
空は少し躊躇っていたが、さやに言った。
「あなたって…生徒会長の…」
さやはそこで察した。
「あぁ…」
と思わず言ってしまった。
空は少し大きな声で聞いた。
「生徒会長の……従姉?」
さやは
「はい?」
と言った。否、言ってしまった。
空は
「あれ?違う?」
とさやに聞いた。
さやは
「え、えぇと…。私は従姉じゃなくて…生徒会長、秋野あやの、妹です!」
と言った。
空は唖然としていたが…
「え…えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
と、大きな声で言った。
さやはあたふたと慌てて
「そ、空ちゃん!静かに!」
と言った。
空はポカンとして周りを見た。
周りの人全員がじーっと空を見ていた。
空は顔を赤くしてうつむいた。
さやに小さな声で
「ご、ごめん。」
と謝った。
さやは
「い、いえ。」
と言っていたが、周りに見られていることが恥ずかしかったらしく顔が赤かった。
その後、小声で話した。
「にしても、生徒会長に妹がいたなんてね~」
と、空は言っていた。
さやは
「へ?」
と唖然としていた。
空は言った。
「あれ?妹なのに知らないの?」
さやはまだ唖然としている。
「知らない…さっきお姉ちゃんが生徒会長って始初めて知ったし…」
空は目を少し見開いて言った。
「そ、そうだったんだ…」
さやは少しだけ…悲しくなった。
「あ、あの、生徒会長は妹がいるとは言ってたんだけど…」
さやは少し顔を明るくして言った。
「ほ、本当⁉」
空は黙って頷いた。
そして、口を開いて言った
「でも…」
「?」
「でも…こんなに似てないなんて…」
「あ、あはは」
さやはほんの少し傷ついた。
空は慌てて否定した。
「いや、顔が似てないってだけだよ!」
「う…うん…。」
それでも少しは傷ついた。
「生徒会長に嘘つかれてるのかと思ってた…」
「あはは…。
お姉ちゃんはそんなことしないよ」
「うん!そうだよね!」
明るくして空は言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます