第2話 ラタの能力

「それでは私ですね」

 ラタがそう言って屋台に行くとすぐにステータス表を持って帰ってきた。


 STR 710


 AGI 210


 VIT 897


 INT 650


 DEX 549


 LUK 493


 SKILL 頭脳明晰 聖の祝福 冷静沈着 トランプル secret


「やっぱ偏っているわね」

「『聖の祝福』って回復魔法なんかの聖属性魔法を使うための才能があるって事よね? 法術でも覚えたほうがよかったんじゃない?」

「それではわたくしの立場がありませんわ!」

「私にはトランプルの方が重要でしたね。ちょっとやそっとの事では吹っ飛ばされたり行動を止められたりしないのには自信があったのですが、まさかそれがスキルだったとは思いませんでしたよ」

「微妙に自分の能力の解説をしたわね。トランプルってのは日本語にすると『踏みつけ』って事になるかしら。敵に行動を止められずに突っ込むことのできる能力の事ね」

「だけど、スキルがバラけすぎじゃないかしら? 法術用のスキルと突貫用のスキル。冷静沈着ってのは、使いようによっては何にでもできそうだけど……」

「まあ、代わりに言ってあげる。冷静沈着とかよりも、鈍感とか不感症とかの方が合いそうよね」

「鈍感はともかく、後の方は聞き捨てなりませんね! 意味を分かっていっているんですか!」

「え……それは……分かって……いないわよ……」

「分かっている反応ですよ! なんで自分で言っておいて恥ずかしくなっているんですか! こっちが恥ずかしくなってきましたよ!」

「あの……リーシアさん……この話を止めませんか?」

「嫌よ。下手に首を突っ込むとこっちがやけどするわよ」

 珍しく激昂して言い争うラタとそれにしどろもどろになりながら返事をするシェール。

 二人の様子を静観するノエリアとリーシア。いつもの対立関係に分かれ始めた。

 ノエリアとリーシアは事あるごとに『ドジっ子』『病みっ子』などと言い争う中。

 シェールとラタも『ズボラー』と『石頭』とののしり合う仲だ

「こんなとこでまでケンカしなくても……」

 この様子を見て、うんざりぎみに言うディーリア。シェールとラタの罵り合いがひと段落したところ、ノエリアが前に出ていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る