(ベタ)王の座をかけて戦う少女たちの物語(ベタ)短編のようなもの

岩戸 勇太

第1話 みんなのステータス

「そういや、まだ見てなかったわね。ステータス」

「そういえばそうね」

 シェールが全員が集まったところでふと言い出した。リーシアもそれに同調する。

「ふむ。総司令が皆の能力を把握するのは大切な事ですね」

「ラタ様には劣りますが、それでも私にも自信はありますから」

 シェールの言葉にリーシアは同意。

 黒髪黒瞳でいつも眠いのか睨んでいるのかわからない半眼をしているラタも同意だ。

 そして、浅黒い肌に銀の髪。いつもメイド服を着ているノエリアもそこそこ乗り気のようである。

「それって絶対に分からないといけませんか?」

 ディーリアが言う。メイディーもそれにうなずく。

 この二人は自分の力に自信はあまりないようだ。

 メイディーとディーリアの二人は青い髪をした双子だ。メイディーの方が姉であるものの、事情により言葉を発せなくなっており、ディーリアの世話を受けている。

「どっしり構えなさい。でないとさらにみっともないです」

 リコリも自信のある側のようだ。

「文句は聞かないわよ。すぐ行くから準備しなさい」

 しぶしぶのディーリアとメイディーを引っ張り、シェール達はレイグネンに向かう準備をした。


「まあ、私の能力は家に能力表が置いているから後で見せるとして」

 ここは占い屋が並ぶ街道。ステータスを計る占い屋も多い。

「ちょっとは高めのところを選ばないとね」

 そう言い、よさそうな屋台を選ぶシェール。

「んじゃ。モルモットしてきなさい」

「言葉を選びなさい」

 シェールの言葉に答えてリーシアがシェールの目を付けた屋台に向かう。

 すぐにステータスを書かれた紙を持って帰ってきた。

「なかなか高級なところみたい。けっこう詳しく出たわよ」



 STR 240


 AGI 420


 VIT 310


 INT 978


 DEX 911


 LUK 20


 SKILL 頭脳明晰 逆上 リベンジ 高速詠唱 secret


「偏ってるわねぇ……」

「全部の能力があなたより上だし」

「全部? ものごく低い能力があるじゃない」

「この能力が戦闘に役立つの?」

「いくらなんでも低すぎですよ。絶対にじゃんけん勝てませんね。あなた」

「うるさいわね。勝った気分になれるなら、いくらでもじゃんけんしてあげるわよ」

 ラタを含めたシェール達でリーシアのステータスをあーだこーだと言い合う。

「あの……問題はスキルでは?」

 ディーリアが言う。

「何か疑問ですか?」

「疑問と言いますか……」

 この『逆上』というのがものすごく気になるメイディー。他のみんなは気にならないのだろうか?

「今度賭けをしない? 負けたら死ぬまで私の奴隷になりなさい」

「しないしならないわよ。ギャンブルは五歳の時に二年先のお小遣いまで全部スッた時にきっぱりやめたわ」

「五歳でギャンブルって何でしょうか? よくご主人様方が許可なさいましたね」

「こいつよこいつ。シェールと軽い気持ちで今日のおやつを賭けて賭けをする事から始めて、どんどん大きくなっていく。仕舞には二年先のお小遣い……」

「私、リーシアに負けたことなかったわね」

「ホント、確率論なんて嘘っぱちよ。勝てる人は勝てる。勝てない人は勝てないっていうのがよくわかったわ」

 このままずっとこの『逆上』の効果の話は始まりそうもない。

「では私の番ですね」

 ラタがそう言い前に出た。

「逆上の効果はまた調べよう」

 ディーリアはそう言いラタのステータスの話に戻る。

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