一章プロローグ

この地球とは別の世界の話。土地も違えば、空気も言語も違う、そんな世界。


そこには「魔族」と「人間」、大きく分けて二つの種族がいた。


そして巨大な大陸「アルカディア大陸」と呼ばれる大陸に、お互いが争いを繰り返しながらも生きて暮らしていた。


魔族は、巨大な力を持っていた。だが、巨大な力を持ち合わせているが故に集団生活を行ってはいなかった。その必要性がなかったからだ。


逆に人間は弱かった。ひ弱で、明日を生きるのも大変な日々。いつ来るとも知れぬ魔族に怯え苦しみ、隠れながら住んでいた。


だが、人間もやられてばかりではなかった。「知恵」を使い、魔族と戦うものが現れたのだ。そして起こるのは戦争である。


力が拮抗しだした頃、魔族達も焦り始め、侮っていた人間を見直す者、手を結ぶ者まで現れてきたのだ。手を結ぶ魔族は、人間の知恵を使い、更なる領土拡大を目指した。野心が現れだしたのだ。


こうして広がりを見せるアルカディア大陸の戦争。いつ終わるとも知れぬ争いに終止符を打つものが現れた。


その男の名はバルバロッサと言った。魔族を瞬く間にまとめ上げ、アルカディア大陸に覇を唱えたのだ。


結果は、人間が敗北し、魔族が圧勝したのである。敗北した人間たちを傘下に収め、バルバロッサはここに停戦命令を発する。そして魔族と人間たち、共存の世界が生まれた所から話は始まる。


アルカディア大陸中央にバルバロッサは魔族軍を設営。軍隊を持ち、巨大な軍事国家を作り上げた。そしてこの魔族軍に入ることが名誉とされる時代。あらゆる手で魔族軍に取り入ろうとするものが現れた。魔族軍の傘下に入れば安全と安泰が保証されるのである、当然であろう。


その結果起こったのが政治の腐敗。バルバロッサもそれを止めることは叶わなかった。各地においてばらばらに税が課せられ、統治が出来なくなりだしたのだ。


そうして起こる反乱の数々。それを潰す魔族軍。再びアルカディア大陸は戦乱の世を迎えようとしていた・・・。


そんな戦乱の時代にヴェルファリアはひっそりと生まれたのである。


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