　２０１９年１月１５日朝日新聞（デジタル）にこんな記事が載りました。

『横たわる夕顔嘆く源氏……幻の「夕顔の死」見つかる』　https://digital.asahi.com/articles/ASM1H03D0M1GULZU017.html

　源氏物語第四帖【夕顔】の夕顔が亡くなるシーンの絵巻が発見されたというニュースです。

　この絵巻は江戸時代に杉原盛安がプロデュースしたもので、「盛安本」と呼ばれていて、同じシリーズの【末摘花】【葵】【桐壺】などは滋賀県の石山寺（紫式部が源氏を執筆した場所）や京都美術館、徳川美術館等に収められているんだけど、今回は【夕顔】の絵巻が発見され本物と認定されたんですって。（朝日新聞デジタルより）

　見つかったのはなんとフランス。源氏物語人気は時も国境も越えているんだなってしみじみ思いますね。（これが「いとあはれなり（とても感慨深い）」ってこと⁉️）

　へええええ！

　フランスで！

　なんか、ロマンねぇ……。

　記事に掲載されている絵では、恐らくもう息をしていない夕顔が横たわっていて、源氏が彼女の額に手をあて片方の袖で顔を隠してうろたえています。近くで夕顔の女房の右近もとりみだして泣いています。

　写真で見る限りですが美しく、とても綺麗な絵です。記事にもいい保存状態だと書いてあります。ぱっと見、金色の豪華な絵です。夕顔に掛けられている衣装の煌びやかなこと。薄紅梅色に金糸の刺繍の施された小袿(こうちぎ)。まるで今描かれたような鮮やかさです。何百年も前の絵だなんて驚きです。絵全体から受ける印象は雅びです。まあね、夕顔が亡くなるという悲しいシーンなんですけれどね。

　縦35センチ横132センチという大作。

　源ちゃんが連れ出したお泊まりデート先のお屋敷（作中では某院（なにがしのいん）と言われています）での恋人夕顔ちゃんの突然死。従者たちも「えらいこっちゃ」と走り回っています。

「あああ、どうしよ、なんで？　ウソだろ？　なんでこうなった？？」

　イチバン動揺しているのは源ちゃんでしょうけれどね。

　平安時代の小説を題材に江戸時代に描かれた絵巻が数百年の時を経てフランスで発見

　ホントに世界的にも名作なのねぇ

　少し話は逸れますが、源氏物語は３０言語に翻訳されているんですって。日本語で書かれた作品では『ノルウェイの森』『窓際のトットちゃん』についで３番目の翻訳言語数だそうです。各外国語に翻訳された方たちは式部センセイの原文をお読みになって翻訳されたのかしら。日本人でも読むのがタイヘンなのに凄すぎます。スゴイ人は世界中にいらっしゃるんですね。素晴らしい。

　そして実は拙作にある怪現象が現れていたのです。

　『【超訳】源氏物語』のPV数が１日で5000も増えたんです。特に夕顔回は3～4000ほどカウントされました。１日でですよ？　最初このニュースを知らなかったので、ホントに何事かと思いました。あまりにくだけた訳し方が問題になったのかとか、批判非難の対象になったのかなどあれやこれや首をひねり心配していました。

　そして翌日このニュースを知ったのです。

　あっ！

　もしかして！！

　今日の爆増PV数！！

　このニュースがらみ？

　だから夕顔だけ突出して読まれたの？？

　違うかもしれないけれど、おこがましいかもしれないけれど、あながち無関係でもないのかな、とも思うのです。

　１日経って「爆増」は落ち着いてきました。いらしてくださった皆さまにお楽しみいただけているか心配ですが、ここは夕顔さんに感謝でしょうね。

　夕顔ちゃん＆源ちゃん

　どうもありがとう

　それからメルシーフランス（⁉️）

　絵巻を大切に持っていてくださって

　叶うことならいつか本物にお目にかかってみたいものです。

　改めて世界的ベストセラーの威力を知ることができました。

　千年経ってもニュースになる。

　人類の遺産、ですね。

　紫式部センセイ、あはれなり（感慨深い）、ですわね。

　源氏物語、源ちゃん、恐るべし。

　これから千年も

　そしてその先の未来にも

　この「源氏文化」が伝わりますように。

☆参考文献

「最も多く翻訳された著作物の一覧」（Wikipedia）

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E3%82%82%E5%A4%9A%E3%81%8F%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E8%91%97%E4%BD%9C%E7%89%A9%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

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