topics3 こっちはいいの? 

 第8帖 花宴(【超訳】源氏物語 episode8 似た者同士のふたり?)に寄せて

 

 源氏の君と朧月夜の君との物語です。


 ああもう。ああまたですか。どうしてあなたはあとさき考えずに……。


 まぁそれを言ってしまうと、この物語成立しませんね。少なくとも1000年も語り継がれませんね。


 憧れ続けた藤壺の宮さまは自分との罪の子を産むけれど、想いを伝えあうこともできず永遠の人となります。

 その日も藤壺の宮さまに逢いたいなぁ、ちらっとだけでも顔が見られないかなぁと彼女のお部屋の近くを歩いていたのかしらね。けれどきっちり鍵がかかっていて近づけない。

 すると弘徽殿のお部屋は鍵がかかっていない。

「こんな不用心にしてるとマチガイが起きちゃうんじゃね?」

 なんて思いながら弘徽殿に潜入する源氏の君。マチガイ起こすのはあんたでしょっ!! アホーっ! 

 そこで出会った女の子と一夜を過ごし、これまた源氏は恋に落ちます。彼女が朧月夜の君。


 その後、彼女が自分のお兄さんである東宮(皇太子)の妃となる予定の右大臣の姫(弘徽殿女御の妹)であることを知ります。


 いずれは帝になる皇太子の妃になる予定の姫


 帝の后である藤壺の宮さま


 似ていますよね。境遇。東宮さまはいずれ帝になられる方なんだから、朧月夜の君はいずれ帝になられる方の婚約者。


 藤壺の宮さまのときはまさに「あなたに逢えるなら死んでもいい」なんてくらいの想いで宮さまのところに忍んでいった源氏の君。あのときはあんなに罪の意識をもっていたのに、こっちはどうしてそんなに堂々としているのでしょう? かたやお父さんの奥さん。かたや兄ちゃんのフィアンセ。似たようなものじゃない? まだ結婚していないからいいの?

 それでもねぇ、もう結婚は決まっているんだし、どこの誰かわかってから恋はした方がいいんじゃ……。まったく懲りていないのかしらね、禁断の恋。スリルがいいのかしら?


 対する朧月夜の君も藤壺の宮さまとは好対照なリアクション。

 藤壺の宮さまは好きな気持ちはあるけれど、帝への気持ちも罪の恐れもあるから源氏を拒もうとするけれど、朧月夜の君は「あんまりおカタいって思われるのもちょっとね……」なんて感じで落ちてしまいます。あっさりと。婚約が決まってるんだから、おカタくなきゃいけないでしょうに。


 このふたり似ているんですわ。そしてアバンチュールが好きなんですわ。そしてびっくりするのが、お嫁入りしたあともふたりの関係が続くんですわ。20何年間も。(途中ブランクはあったりするけれど)しかもダンナ(東宮さま)公認。


 ……、よくわかりませんわ。




☆【超訳】源氏物語のご案内

関連するエピソードはこちら。よかったらご覧になってくださいね。


episode8 似た者同士のふたり? 花宴

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881684388/episodes/1177354054882122167



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