好きな女の子のタイプってどんなよ?
第2帖 帚木(【超訳】源氏物語episode2 男子会の恋バナ)に寄せて
ある雨の降る夜、夜勤で御所に詰めていたのですが、特に仕事もなく、若い男子4人が恋バナを始めました。
登場人物
源氏宰相中将 …… 光源氏 17歳。 会話文では「光」
*****
源氏の本棚にある女子からのラブレターを頭中将は見たがった。
光:そこら辺のは見てもいいよ。あたりさわりないから。
頭:あたりさわりあるのが見たいんだろうが。恨まれてるとかさぁ。
光:(見られて困る秘密の手紙をこんなところに置いておくワケないだろうが)
光:お前こそ、いろいろやりとりしてんじゃねぇの?
頭:お前に見せるほどのものはねぇよ。
光:いろいろ遊んでるんだろ?
頭:まあさ、お付きが欠点を隠しきってしまう上流階級のお姫さまより中流階級の女子のほうがいいんじゃね? って最近思うのよ。
光:中流?
頭:お前は
左:なになに? なんか楽しそうっすね――。
藤:俺らも混じっていいスか?
頭:おう! 入れ。入れ。源氏おぼっちゃんに教えてやろうぜ。
光:(悪かったな。おぼっちゃんで)
こうして雨降る夜の世界最古レベルの恋バナ男子会が始まった。
頭、左、藤:上流階級で見た目も性格もキレ―でも、ま、あたりまえじゃん?
頭、左、藤:っつか、フツーだったらがっかりっスよね? 金かけてその程度? っていうさ。
頭、左、藤:そうそう。だから逆にさ、あんまり高い身分じゃない家にいい子がいると、大発見ってことじゃん?
頭、左、藤:父ちゃんが年取っててさ、太っててさ、兄ちゃんも大してカッコよくなかったりするのに、ミョーにうまい
頭、左、藤:わかる。わかる。まぁカンペキな女とはいかなくても、いいオンナだよな。
光:そんなもんなのか? 上流の中にだってそうはいねえぜ? いいオンナなんて。
頭、左、藤:生涯大事にする奥さんを探すのもタイヘンだよな。
頭、左、藤:いろいろな条件があるけど、こっちはよくてもそっちがよくないとかな。
頭、左、藤:結婚してから教えたりする手間のないカンペキな女子がいればいいんだよなぁ。
左、藤:おふたりのようなイケメンに釣りあう女子はまあいないっすよねぇ。
左、藤:俺らみたいなのでも、見つけられないんスからね。
光:(
左、藤:まあ、見た目がよくて、若くて、書いてくる
左、藤:あんまりおとなしいのもちょっとだよな。
左、藤:逆にあんまりハキハキしてんのも、軽くね? 他の男にもそうなんじゃね? って思うよな。
光:(どれもダメなんじゃじゃねぇのか?)
左、藤:奥さんなんだから、別に頭はよくなくてもいいかもしれねぇけど、だからって女子力が低いのも嫌じゃね? 見た目も気にしないで、家事だけバリバリ働かれてもな。
左、藤:俺の仕事のこともさ、聞いてくれたり、意見を言ってくれたりすると嬉しいよな。
左、藤:早く聞かせたいななんて思ってると、ひとりでいるときも笑っちゃったりしてな。
左、藤:どんだけ好きなんだよ。
左、藤;逆に話も聞いてくれなくてさ、「なんか文句ある?」なんて言われるともうサイアクだよな。
光:(なんか、眠くなってきた……)
左、藤:子供っぽくておとなしかったりしたら、結婚してからいろいろ教え込むのも悪くないけど、結局は教えたことしかできねぇじゃん。
左、藤:やっぱ、和歌とかさ、琴なんかの音楽もちょっとはできたほうがいいじゃんね?
左、藤:まあ、でもこれがカンペキな女子ってのは……
左、藤:わからないっすよね――。
光:(結局わからねぇのかよ。俺の本心は誰にも話せねぇしな……)
頭:じゃあ、あるバカなやつの話をしてやるよ。
*****
こうして頭中将の撫子チャンとの恋バナなど、夜が明けるまで男子会は続いたのでした。
……、勝手に言ってなさい! ボケ!!
誰かコヤツらに天罰をと思うのはワタシだけ?
どんだけいいオトコ達なんですか。あなたたちは。
こんなこと言ってるヤツにいいオトコはいないわよ。ね、光る君。
【参考箇所】第2帖 帚木 雨夜の品定め
かなりチャラく訳しましたが、本当にこんな話をしているんです。
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関連するエピソードはこちら。よかったらご覧になってくださいね。
episode2 男子会の恋バナ 帚木
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881684388/episodes/1177354054881719241
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