第2話 もしも願いがかなうなら

眠れない夜に、むかし自分の書いた文章をみつける。

2年前、あのひとといるようになって、

半年がたったころのもの。


いつか、あのひととわたしがお別れをして

しらないひとになったとき

ことば、けしき、たべもの、小さないろいろから、わたしを思い出したりして、

その記憶のなかのわたしがいつも幸せそうでありますように と、

そんなことが書かれてあって。


そんなことを思ったことも忘れていて、

情けなく、惨めに最後をむかえてしまったついさっきを思い出す。思い出したくない。



もしも、なにかひとつ、叶うのなら、

記憶のなかのわたしがいつも幸せでありますように。


なんて、まだ言えないね、

またあなたのこいびとになれますように。

どうか。

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