小売業
「いらっしゃいまーせーっ」
チャイムとともに
ここに店員がいますよ、あなたの来店を確認しましたよ、というメッセージだ。これで窃盗の目は減らすことができる。あくまで減らせるというだけではあるが。
店頭の品ぞろえを確認。5ニューイェン未満の商品だけが陳列されている。それ以上の商品はタグを手に取って店員に渡すと商品がすぐに出てくる。
タグを手に取った時点で移動監視が検知され、
いくつかの軽食類、飲料の現物、そして
大まかな品ぞろえはどこのコンビニでも変わりはしない。とっさに必要になる生活用品、雑貨類。すぐに食べられる軽食や弁当、調理パン。そして飲料やドリンク類だ。このご時世でも酒やタバコ、ソフトドラッグといった
特に
ソイバー、コーヒー、鎮痛剤とタバコのタグをレジに置く。同時にタグの上に店員が商品の現物を置く。
そしてレジに置かれた段階で合計額がレジに表示されている。
「こちらでよろしいでしょうか」
「いいよ」
声をかけた時には商品が自動でパッケージされている。会計もIDから自動で精算されている。いいよ、の一言を音声認識が受け取った瞬間にIDが読み取られ、口座から
「ありがとうございましたー。またおこしくださーい」
ちょっと間延びした店員の声を背中に店を出る。
同時にタブレットを出し、店員の態度、商品の陳列状態、他の客の様子などを入力する。
「ここの店舗も問題なし、と」
ここのコンビニ
こういったチェックは全部、リモートでやってしまえば効率自体はいいのだろう。だが窃盗抑止役であり、現場機材のメンテナンス要員でもある店員の態度までモニター越しというわけにはいかない。
いつも防犯カメラで管理部門に見られているという意識があったとしても慣れる。人は慣れてしまうのだ。なので現地に抜き打ちチェックを仕掛ける。
たまに「ごくろうさん、こういう者だけどなにか不都合はない?」などと地域担当であることを明かし声をかける。すると
このチェック自体は管理AIが店員の移動
面倒だがやりがいのある仕事だとは思う。商品開発部から羊飼いと陰口を叩かれているが知ったことではない。売ってナンボの商売で、どんなに良い商品を作っても、その現場がちゃんと機能していないと意味がないのだから。
移動する
たしかあそこは本部から派遣された店長クラスが
ああはなりたくない、と思いながら今日も
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