第302話 会議室に暗幕を




魔法協会幹部のメルビア





眼鏡をかけて知的なその振舞いは、

男を寄せ付けないほどに整っている。

決して、男にモテないのではなく、高根の花過ぎて声を掛けれないのだ(と思っている)



今日も国の安寧をつかさどる魔法協会は重要な会議を開く。

無論、七賢人と称される魔法協会の重鎮たちもそこに参加する。


粛々と荘厳な雰囲気のこの部屋、


準備を進めているとアクアローナ様が部屋に顔を出す。




なんだろうか・・・きっと、国の行く末にかかわる重要な事を言いに来たに違いない・・・




「メルビア大変です、会議室に『暗幕』がありませんよ?」





暗幕?





「なぜ、暗幕が必要なのですか?」




「・・・メルビア、この組織はなんです?」



「魔法協会?」



「そう、魔法協会なのです」




魔法協会と言えば、怪しげで神秘的なイメージですよね、ね



「はぁ」



そんな組織が明るい場所で会議してどうするんです、しかも幹部が!




アクアローナ様のイメージする幹部会議とは、

薄暗い場所で、ワイングラスを傾けながらするモノらしい。


「そこ、蝋燭の準備も欠かさないで!」





「まぁ・・・構いませんが・・・資料の文字が見えづらくないですか?」





「大丈夫、大丈夫、どおせ資料なんて、だれもよく読んでいませんよ」




(この人、元も子もない事、言った)







$$$








魔法協会幹部会議本番・・・






なるほど・・・




この魔法の映写機で資料を映しこめば

余計な紙は使わずに済みますね。


流石アクアローナ様、尊敬に値します。




って・・・あれ・・・



アクアローナ様のお体が、透けているように見えるのですが、


あれは水人形・・・ああ・・・あの方が退屈な会議をサボって、

水人形を影武者にしているのは知っていましたが、露骨にバレていますよ、まずい奴・・・





ぐがああ・・・





グレン様・・・寝ている・・・暗いからでしょうか?

いや、明るくても結構寝てますよね!あなた!!





「メルビアちゃん、資料のここの詳細、教えてもらえるかな」


「ふむ、確かにこの部分は修正すべきかもしれん」


トウカゲ様とマクラーレン様が活発に意見を交わす。

やはりこの2名の意見はは的確で論理的だ。




・・・




真面目に会議しているのが、




幼女と変態・・・ああ・・・あああ



だが、

この2名のおかげで、

魔法協会は現在の所上手く回っている。





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