第301話 マーゾ編、捕捉事項




ちなみに、マーゾに回復薬ポーションの類は効かない。





その昔、アーネスは、いつものように大怪我して帰ってくるマーゾを見かねて

お屋敷の薬品庫からこっそりと持ち出した『それ』をマーゾに渡す。


「ほら、これ飲んで」




「なんだ?、これは」





「回復薬よ、たちどころに傷が治るわ」




「え?」




(おい、なんで嫌そうな顔する?)





嫌がるマーゾを押さえつけて、

無理やり薬を飲ませる。



(よし、これで、マーゾの傷も治るわね)





・・・




ぐはっ!!

口から大量の血を吐き出すマーゾ




!?



倒れて広がる血だまり



「きゃああああああああ」



あまりの酷い惨状に私は悲鳴をあげる。


びっくりした屋敷の家政婦たちが駆けつけてきて

私が回復薬をこっそり持ち出したことがバレてしまったのだった・・・





その後に知ったことだが、

回復薬はマーゾの内なる魔法に干渉して、むしろ大ダメージを与えるらしい。

(あんたホントは・・・アンデットの類なんじゃないでしょうね?)




数日後、

マーゾは完全回復して、ピンピン動いている。




「アーネス!・・・この間の薬をもっとくれ!」



「やめーや」



その少し汚い言葉は勝手に発せられていた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る