第303話 魔法協会ホワイト職場物語 その1
魔法協会は『ホワイト職場』だと言われている。
その逆は『ブラック職場』な訳だが、
ここクラスティア王国での、ブラック職場筆頭は「王国軍」であった。
魔法協会トップの七賢人は、現場のことをよくわかっているから、
その配慮は自然と丁寧になる。
逆に、王国軍は貴族や王族が仕切っており
扱いも雑な上に、基本的に見下しているので、その扱いは 奴隷同然 であった。
先の戦争での侵略されたの原因のひとつですらあったわけで・・・
これは、魔法協会黎明期
国を救ったとはいえ、まだまだ魔法協会の信望が薄かった時代の話
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当時、魔法協会は、
王国軍を首にされたという中年の男性を採用する。
彼の名前はガードナ=ミッドル
絵に描いたような実直で真面目な男であった。
採用初日、彼は魔法協会本部の廊下で、採用担当の女性に深く深く頭を下げる。
地面にひれ伏すそれは土下座同然であった。
「誠心誠意お仕えさせていただきます!」
女性が何か説明するたびに男は目を丸くして驚くばかり
「自分などという『矮小な存在のために』・・・うう・・・こんな好待遇、罰が当たらないだろうか」
そのあまりの褒めっぷりに女性は困惑するばかり
いや、以前の職場、どんだけ酷い環境だったのか、逆に興味が湧くほどだった。
そして、食堂で昼食を取っている時
涙・・・
男は目に涙を溜めて、ボロボロと泣き崩れる。
(え、今度は何?)
「・・・パンが、パンが白い・・・」
王国軍で支給されるパンで、カビの生えていないモノはないらしい。
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