第296話 肉壁マーゾ ローナ様枠





この私、アーネスの幼馴染の男子は『真正のドM』だった。






そういえば

心当たりがちらほら


「その壺を割ったのは俺だ、アーネスじゃなくて俺に鞭を打て!」

「アーネスに罰を与えるなら代わりに俺に」


あいつブレないわね・・・

これでも昔は、カッコいいと思って・・・ごにょごにょ




真正の変態だが、魔法学校では、それなりに人気がある。




いつもいつも

不良といじめられっ子の間に割って入って叫ぶ。




「俺を攻撃しろ」と




「それで本気のつもりか?(煽り)」


「そーだ、もっとハードに来ぃいい」



そして、不良たちの方が最後に音を上げしまい・・・逃げていく。



庇われた子は涙ながらに感謝し

周りの人たちは拍手喝采、

さながら聖人君主のように彼を讃えるのだった。





(いや、みんな気づいて・・・そいつ自分が悦びたいだけだから!)





数人がかりでタコ殴りにされてもマーゾは倒れない。

彼の内在する魔力は、感情に呼応するように彼の耐久力を上げていく


先天的な魔法の才能だと、先生は言っていた。




それを聞いたマーゾの反応



「な・・・なんてことだ・・・それじゃあ愉しめないッ」



(・・・ソコ残念がる所なんだ・・・)







$$$







そんなこんなで

魔法学校を卒業する学年となり

私達は就職活動をおこなう訳だったが・・・



「え、マーゾも魔法協会受けるの?」



私は呆れた。

マーゾに防御以外の才能は一切皆無だったからだ。




(・・・防御しかできないんだもの、不採用に決まっている・・・)







最終面接にて







青髪の女性がマーゾの事を、いたく気に入ったらしい。





「素晴らしい!」





あなたはまさに『ツンデーレ教の理想』を『その身で体現している』と言える。






「採用採用です!」




・・・



「アクアローナ様ぁ!!・・・面接会場でそのセリフだけは言っちゃダメって、事前にあれほど言いましたよね!」


「え、ごめんなさい、メルビア・・・でもですよ」





「・・・衛兵、摘まみ出して下さい」




「あーちょっと!」





マーゾは『採用』となった。


全く意味がわからない。

噂では『ローナ様枠』という採用だったらしいが






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