第290話 これはクラスティア王国の危機なんだよ!





ここはベットの上か・・・






エリリート隊長は

魔法協会救護班に運ばれて、

特別ポーションを投与され、なんとか目を覚ます。




ダークエルフの奴の『強奪』




なんて恐ろしい魔法だ。





これは半端な戦力では逆効果だ。

敵に力を与える事になりかねん。


奴自身も相当な魔術の達人、駆け引きもうまい。




なにせ

エリートであるこの私が

手も足も出なかったのだから!この私が!


きっとあのヘルプに来ていた二人は

一瞬で灰にされただろう・・・気の毒に




ゆっくり寝ている場合ではない

この危機を、奴の反則的なまでの能力を、皆に伝えなければ


たとえこの命が尽きたとしても!




「すまない、今から言う事を・・・ぜぇぜぇ・・・至急、本部に伝えて欲しい」





「エリリート隊長、お静かに、お体に触りますよ」




周りの落ち着いた様子

なんだこれは?






「何をのんきな!これは『クラスティア王国の危機』なんだぞ!!」


ベットに強く拳を叩き付け、叫ぶ。





しんと静まる室内





・・・





えっと・・・




「さっき、そのダークエルフを拘束したって連絡が入りましたけど?」




・・

・・・

・・・・・は?





$$$





その後、

エリリート隊長はこう発言している。



「ダークエルフには、遅れを取ってしまったが・・・実力としては・・・そこまででも・・・なかった気も・・・する」



その声はとても震えていた。


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