第270話 魔力放出と慣れ




同僚は女性にも積極的に話しかける奴だ。





爽やかで明るく女性ウケもいい。

しかし、なぜかミラにはあまり話しかけようとしない気がする

謎だ・・・




「むしろ、お前がなんでだよ」




・・・え、どういうこと?




「どうしてあの魔力近くで浴びて平気なんだか」



なるほど、

魔力絶ちができない弊害はこんなところにもあるわけか。







$$$







それはケーリーエクセルが

魔法学校で風紀委員長だった頃




ミラが不良のリーダーを引退して久々に魔法学校に通学してきた時の事だ。




ひぃいいい




周りの生徒たちは

ミラの姿を見るだけで逃げ出していた。



ケーリーと同じ風紀委員のチェルシーとリシアは眉をひそめる。



「見事に馴染めてない」


「まぁ、不良のリーダーはいるだけで怖がられるよねぇ」



加えてあの魔力放出・・・

威嚇してるってとられてもおかしくないくらいのプレッシャー・・・

本人に自覚はなさそうだけど・・・




「横、いいかしら」




おお、ケーリー普通に接している。



でも、妙だね、ケーリーが誰かと仲良くしようとするなんて

いつも『ぼっち?』つまらない価値観だわ、ひとりで過ごすことの何が惨めなの?

って言ってるのに




「・・・」




歩行中、ふらつくケーリーをは支える。


「ケーリー、顔が真っ青だよ大丈夫?」




「え、全然問題ないけど?」




明らかに強がっていた。




(・・・私は魔力に屈したりしない、絶対に)





(・・・変な意地はってる・・・)





当然、ミラージュからしてみれば

自分と仲良くなりたいと思ったわけで・・・




「今日もミラはケーリーにべったりね」



「あれだけ毎日近づいていれば慣れるんじゃない?」





・・・





「いいえ、そうでもないみたいよ」



「?」



よく見なさいあれ




・・・気絶しているわ




ケーリー!!!!







$$$








「ウツロ・・・お前、そういう特殊能力でもあるんじゃないか?」




特殊能力



その響きだけでちょっと顔が緩む。


俺は特殊能力持ちというのに憧れがあるしな





(今日のウツロ先輩は・・・ちょっと機嫌がいい、何かいい事・・・あったんだろうか?)




ミラはこっそりウツロの顔をのぞく。



・・・




その理由、



魔力の同波長を浴び続けると慣れるらしい。


実は、幼い頃からそれを浴び続けていたのだが、

その真実に気づくのはかなり後になってからだった。






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