第269話 魔力放出と煽り




魔力とは、日々魔力臓器から供給されており

パイプを通じて体から放出される。





魔力量が多い者ほど多量の魔力を放出しており、

他者の魔力放出は敵の力量を測るのにも利用される。



よって、常時魔力を垂れ流しにしていると敵に気づかれる場合が多い。



特にミラの魔力は強力で、

弱い生き物などは、それを浴びただけで恐怖で平伏してしまうほどである。


(・・・こう書くと、どこぞの魔王みたいだなあいつ)



あえて魔力を放出するのが、騎士国のオーラなどと呼ばれる技であり、

ヤンキーが、ぱふぱふラッパで威嚇する様子に似ている。



逆に魔力を自分の周囲のみに留めて

自分の力量を隠す技も存在する。




『魔力絶ち』という技である。別名『気配絶ち』とも呼ばれる。




ちなみにこの技は

魔法協会員ならば誰でもできて当然の技である、

自分の周囲の魔力もコントロールできなくて魔術が駆使できるはずもない。




だが、ミラはこの『魔力絶ち』が酷く苦手であった。





・・・




ある日の任務中の事






「・・・ウツロ先輩・・・もう駄目です」







我慢しろ!ターゲットの魔獣に気づかれる。




「・・・洩れそうです・・・」




ミラは涙目で顔を真っ赤にして踏ん張っている。



このセリフ・・・

ご近所の人に聞かれたら絶対変な誤解される




それにしても、魔力絶ちに苦労ってどんだけだよ


俺なんて魔力絶ちしてなくても、「魔力絶ちお上手ですね」って言われた事あるぞ





ぷぷー





おいぃ!!




吹き出し笑いと共に

強力な魔力が周囲に広がっていく。







$$$







ターゲットの野党コボルトは魔法協会員を捕捉していた。


(弱そうな人間ふたり・・・くくく楽勝だな)



そこにミラの魔力が一面を満たす。





!?





・・・なんて魔力・・・


周りの空気がびりびり震えているようなひりつく感覚

世界中の混沌を煮詰めたような濃い魔力


こんなの敵うはずがない・・・



逃げる?



この俺が?



・・・



・・・・・ッ




否、やってやらぁ!!





結果的に

煽りに弱い魔獣が多くて助かっている。




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