第231話 そして、まだ少し経験値が足りない



(以下ウツロの脳内会話)




現在、我が城は、『あの魔女』の攻撃を受けている

このままでは陥落してしまうぞ?



もう降伏して、流れに任せた方がいいんじゃないですかねー


ならん、状況に流されてはならんぞ!!




彼女は魔女だ。




それも、とびきり魔力の高い魔女だ。



我が主人の『やっすいプライド』が、ズタズタにされてしまうことは、火を見るより明らか!



あーほんと、わが国・・・

主人の魔力と同じで他のステータスも良い所がないよねー

(おい、オブラートに包めよ)




いつも嫉妬深くて、

他人をさげすんでばかりいる。

ただでさえ傷つきやすくて、もろいんだぞ!



今まで、自分より強い者や優れている者を直視せず、目を反らして、精神衛生を保ってきた。

これからもそう生きていくのが一番うまくいく方法だ。



その前提が崩れるモノに積極的に近寄るべきでない!




・・・




ああ・・・

言いたい放題だな・・・






$$$






翌日、

ケーリーは顔を洗って

食堂へ向かう。

ミラが先に朝食を食べていた。



目の色が変わったウツロ先輩に組み伏せられて


「ダメ・・・ウツロ先輩」


私の制止も聞かず、野獣の様に・・・

そして、ウツロ先輩の部屋で一夜を共に過ごすのだった。



ミラは、ふっとため息をもらす。



「・・・」



昨夜、こっそり帰ってきて、ベットの上で

ウツロ先輩大好き大好きと悶えてたじゃない?




「ケーリー、あの声聞いてたの?」

ミラは真っ赤になって、腰が砕ける。


(相変わらず、恥ずかしがるポイントがわからないわ)


ケーリーは、朝の紅茶に口をつけつつ

ため息をついた。






$$$






ローベル「あ、ウツロさん・・・レベルアップできましたか?(小声)」



(出来てねーよ)



ローベルは、

その不機嫌な後姿を横目に見つつ、

今日も露店の客を待つ。




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