第218話 新しい水着の使い道




夏のある日の出来事





「ケーリー、見て見て、じゃーん!!」


ある夜の北支部、女子寮

リビングで本を読んでいたケーリーはミラに呼び止められる。


ミラはケーリーに新しい水着を見せびらかす。

「ふっふっふっ・・・これを着て見せれば、ウツロ先輩も メロメロ なんじゃないかな」




「・・・」






ケーリー「ミラ・・・それ どこで 使うの?」






「え?」






クラスティア王国南部

常夏のリゾート地、パスティオ海岸

夏になると貴族や裕福な商人がバカンスに訪れる土地であった。


最近、

そこで水遊びを楽しむための水着なる衣装も定着しつつあった、

女性向けは艶やかなモノも多い。


逆にクラスティア王国南部でしか着る人はほとんど見当たらない。



「確かにパスティオ海岸でしか使わないかも」



パスティオ海岸、青い海、白い砂浜、いいな

いつか、ウツロ先輩に連れてってもらうし!


ケーリー(ウツロさんの陰気さとパスティオ海岸は壊滅的に似合ってないな)





「待って・・・こんな使い方はどうかな?」





①魔法協会の制服の下に水着を着ておく

②仕事終わりにさっと服を脱いで・・・


「どうですか、ウツロ先輩、サプライズ!」


③どやぁ



っていうのはどうかな?




ケーリー「・・・」

ミラ「・・・」





「・・・それは『痴女』だわ」




ちじょ・・・

ひっどいな

最近のケーリー、

言葉に遠慮が無くなっている気がする。


ちょっと涙目のミラだった。






$$$






数日後、

暑い・・・

なんだこれ、今年どうなってんの




今日はウツロとミラのふたりで任務である。



ミラは悪い顔で笑う。




それでも私はめげない。

今日こそ作戦を実行に移すのだ・・・ふふふ



ウツロ(何か企んでる顔してんな・・・)




仕事終わり、

ウツロ先輩とふたり木陰で休憩中


こっそり木の陰で・・・



あれ、汗で引っかかって脱げない・・・



うーん・・・

うーん・・



もたもたしている所をウツロ先輩に見つかってしまう。


ウツロ「・・・」

ミラ「・・・あ・・・う・・・」



「おい、なんで脱ごうとしてる、暑いからって我慢しろ」



(なんだろうこの現行犯逮捕みたいな感じ)




「待ってください、私は無罪ですっ・・・これは水着ですよ?」




水着:セーフ

下着:アウト

※ウツロ先輩だったら、下着見られてもいいんですけども




「・・・水着ってなんだ?」




え・・・ウツロ先輩水着を知らない!?




必死に水着の説明をするミラ


(・・・下着との区別がつかん)




「いいからほら、服を着ろ」

強制的にウツロに服を着せられるミラ



「・・・」



この私の方が常識ないみたいな感じ

誠に遺憾であるっ



でも・・・



ウツロ先輩に服を着せられるのも・・・

大事にされている感じがして良いな・・・ふふ



それは

ダラしない娘に手を焼くお父さんの様であったが、

ミラは満足そうにニヤけるばかりだった。




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