第207話 怠惰なスフィール 不登校編




この私、スフィール=アウディーネという人間はずいぶんと怠惰である。





それにもかかわらず、私という人間は優秀だった。

幼い頃からアクアローナおば様に習った魔法を自分のモノとし、それに飽き足らず自分専用オリジナル魔法なんかを編み出す日々・・・


魔法学校の授業はスフィールからすれば、レベルが低かった。

(あんな化石みたいな魔法式を今更教えられてもため息しか出ませんわ)


魔法学校へ行くことは無駄でしかないと感じ始めて

学校を辞めようととした。


家族は私に甘いし

たまの魔獣討伐のサポート等で自分の収入も十分だった。

よし、今日も籠ってずっと魔術の研究に勤しんでいられる・・・




ドゴォ!!!




私の部屋の壁が破壊される・・・

部屋に籠る私にカチコミをかけてきた人物がいた。



「・・・スフィ、それは許しませんわ」



アクアローナおば様だった。




「スフィ・・・姉様から事情は聴きました・・・私からも一言言わせてください」




『キレちまったぜ、表に出な』




ええ・・・




「なんでこんなにマジなんですの? アクアローナおば、じゃなくてお姉様」



私の若い頃には、魔法学校がなかったのです。

戦争とか内乱とか色々大変でそんな暇もなかったですけど

ああ、平和だったら私も学園生活したかった。

うふふ、制服のアルザス、サリアと きゃっきゃ うふふ したかった!



そうそう、制服、あれもかなり細部にこだわりがあるのですよ。


紺をベースに何の色を合わせるか、生地をどうするか、刺繍は・・・スカートの長は!!

そしてあまりに高価な制服が出来上がった物ですから、単価を下げるために生産体制まで逐一試行錯誤を積み重ね、その上で完成した至高の制服なんですのよ!!




・・・




制服以外こだわっていないのだろうか

そんな だから授業がお粗末になっているのでは・・・スフィは言葉を飲み込む。




というわけで

バトルをしましょう。

古今東西、意見が割れたらバトルと相場は決まっているのです。




「私としては平和的解決を望みたいのですけれど」




(・・・でも、アクアローナおば様に本気で相手をしてもらうのも初めてですし、良い経験になるかも)




この時ほど、自分の魔法研究者として興味本位の甘さを呪った日はない・・・





アクアローナおば様はガチで強かった・・・





勝ち目とかいう次元ではない。

本気の絶望を見た・・・




(・・・やっぱり 戦争世代は 戦闘力が ずば抜けていますわ)




という訳で私は強制的に魔法学校へ通わされることと相成った。



スフィ「・・・」



アレク「スフィ」

イズナ「スフィ」



誰とも口を聞かないようにしているつもりだったけど、

その後、自然に

友達もできてそれなりには満足していたっけ・・・


でも、ちょっと悔しい





$$$





アレクがスフィールの屋敷を訪れる。

やはり彼女は家に引きこもっている。



アレク「たまに日干ししないと、カビが生えますからね」



スフィ「・・・私をベットかソファ扱いしないで下さい」




「それにしても、なんです?そのダサい服」



「『じゃーじ』ですわ」

通気性の優れた最新の魔法繊維でできていますのよ



アレク(なんだろう、最新技術なのに・・・いつのもベビードールより数段だらしなく見える)




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