第136話 夕食と続かない会話




ウツロとミラは小料理屋で夕食を食べる・・・

今日は任務帰りで遅くなったので・・・周りの客は まばら であった。






無言・・・





疲れていることもあってか・・・

お互いの食器の音だけが周囲に響く・・・


ミラ「・・・」

ミラは静かに立ち上がり・・・ウツロの傍までやってきた・・・


ウツロ「?」


そして・・・ウツロに抱き付こうとした・・・

ウツロはミラの肩を抑えてブロックする・・・



ウツロ「いきなり・・・何をする」

ミラ「ウツロ先輩・・・この『無言の空間』に耐えられなくて・・・つい」






『食事中の無言』は恐ろしいことです。

私のトーク力が試されるというか、私の話ってそんなにつまらない?

と恐怖になるというか・・・


ウツロ先輩と会話が続かない・・・

あああああ・・・


もう私には・・・『ハグ』しか残されていないッ

という結論に至りました・・・






ウツロ(なんで『夕食を食べるだけ』なのにそんなに追いつめられてんだよ・・・)






ウツロ「いいか、ミラ 俺は、話すのは面倒だから、無言は嫌いじゃないんだ・・・さらに言うなら・・・俺は他国にいた時が長いから言えることなんだが・・・」



クラスティア王国の食事は・・・とても美味しいんだ・・・



ミラ「?」


肉とか魚とか1日1回は食べれるとか、ありえないと思ったほどだったし

行商団の普段の食事とか・・・本当に不味かったな・・・

ああ、思い出したくない、忘れたい



ウツロ「この美味しい食事は『静かに』味わって・・・食べるべきだろう」





ミラ「・・・」





・・・





ミラ「・・・この魚、脂がのってて、おいしいですね」

ウツロ「・・・ちょっと一口もらってもいいか」



そして、なんとなく続く会話


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