第137話 ゴブロウおじさんの念写館
ミラとの任務中
ミラのうっかりで、小さいゴブリンに逃げられる・・・
ミラ「どうしましょう、ウツロ先輩、どうしましょう」
1匹程度ならば、大したお咎めもない・・・
きっちり仕事をする大人として、少しだけカッコ悪いだろうか・・・
ミラ「こうなったら・・・昔撮影した念写を使って証拠をごまかすしか・・・」
ウツロ「待て、ミラ」
ミラ「・・・ウツロ先輩」
やっぱり・・・そんなことしちゃいけませんよね・・・
ウツロ「念写は『日時が自動記録される』らしいからバレるぞ」
それで過去に痛い目を見たことがある・・・
ミラ「・・・」
「そうだな・・・この辺りなら・・・」
ウツロはある場所を目指すことにした・・
$$$
近くの森・・・
大きな樹のうろの中、彼の住処があった。
ランプに火を灯して中に入る。
「よぉ・・・ウツロ・・・元気してたか・・・」
「お久しぶりです、ゴブロウおじさん」
小さな老いたゴブリンがそこに居た。
ミラはとても興奮している様だった。
「ウツロ先輩の知っている・・・
・・・そんなカッコいいものでもないんだが
この『ゴブロウおじさん』は昔からこの森に棲んでいるゴブリンである。
ゴブリンを討伐し損ねた時、撮影し損ねた時に・・・差し替えの証拠念写を撮影させてもらっていた・・・証拠の偽造など悪いことだとわかっているが・・・仕事は正義だけでは つとまらない・・・多少のお化粧ということで・・・
「ウツロがペーペーの時からだったか・・・あまりに青い顔で頭を抱えているもんだから・・・『大丈夫か』と声をかけたのが最初だった・・・」
「ああ、その頃からお世話になっている・・・」
ミラ「・・・」
(ゴブリンに同情される・・・先輩・・・)
森の外・・・
手慣れた様子で、うつむけに死体のふりをするゴブロウおじさん
待て待て・・・これだと生きてるってバレるな
首筋に青い塗料を塗ってと
「流石ウツロ・・・仕事に妥協がないな」
これをしている時点で妥協だと思う
・・・よしこんなものか
ミラ「・・・待ってください。」
ここに花を添えて、『はかなさの演出』などどうでしょう?
「フッ・・・お嬢ちゃんもわかってきたじゃねーか」
ウツロ「・・・まぁいいが・・・」
ミラはノリノリであった・・・ああ、後輩に悪いことを教える先輩のクズ
ミラは魔法の書のファインダーをのぞきつつ・・・首をかしげる・・・
「なんだか画面が寂しくないですか?・・・この念写から『訴えかけたいもの』が足りないと思うんです。」
いらんから、そんなのいらんから
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「じゃあ・・・いつもの値段でいいぜ?」
ウツロ(く・・・いつもながら結構高い・・・)
仕方のない必要経費だ・・・
これもエレノールさんの信頼を勝ち取るため・・・
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エレノール:報告書確認しました。OKです。
ウツロ:ご確認ありがとうございます。
エレノール:・・・最後の写真は大作ですね(^-^)
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ウツロ「・・・」
バレてる?・・・冷や汗の出るウツロだった・・・
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