第135話【行商人編】補助魔法の副作用の辛さたるや
「行商団のな・・・子犬男がすごかったんだ!!あっという間に盗賊5人をやっつけてしまってな・・・奴は子犬の目をしているのに・・・すごく強いんだ!」
エルフ貴族の坊ちゃんは翌日、興奮冷めやらぬ様子で、飛び跳ねて話す。
皆寝ていたため・・・事情がつかめない。
エルフの坊ちゃんは盗賊に誘拐されるところをウツロに助けられたと言い張っていた。すごく感謝しているようで、屋敷に送り届けた時には大量の『おひねり』と『お土産』を持たせてくれた。
カルロは半信半疑だったか・・・どうしてもと言われたので、それを受け取る。
(なんだろう・・・この昨日との態度の差)
カルロ「へぇ・・・昨晩はそんな大変なことがあったんだねぇ」
ウツロ「・・・」
ウツロは死んでいた・・・いや、死んだように ぐったり していた。
カルロ(・・・昨日は・・・悪乗りして飲ませ過ぎたな・・・反省、反省)
ウツロは馬車に揺られていた。
ウツロ「・・・」
脳がグラグラ揺れる・・・きつい。
レーベルも横に座って空を眺めている。
レーベル「まぁ・・・なんだ・・・これも経験と思って・・・な?」
ウツロ自身・・・
昨晩のことがまだ信じられなかった・・・魔力がたくさんあるとハイテンションで浮かれていたとはいえ・・・盗賊5人をやっつけるなんて・・・夢だったと言われた方がまだ信じれるかもしれない。
レーベル「安心せい、あれは間違いなく事実じゃ・・・なんならもう一度付与してやろうか?・・・補助魔法・・・くくく」
ウツロ「・・・それだけは・・・ご勘弁を」
声にならない声で 拒絶だけはした。
$$$
そのすぐ後に
レベルアップ祈祷師のレーベルさんは
「他の用事がある」と言って、行商団を離れた。
風切りの練習も続く・・・
あの時の魔法の盾をすり抜けた風切り・・・もう一度撃てないかな。
その頃から俺は・・・
少しだけ『剣をふること』に自信がついたような気がした。
もしかしてこれがレベルアップなのか・・・
ウツロ「・・・」
いやいや、止めておこう。
もう騙されるのは御免被る。
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