第12話 ケーリーさんはいつも不機嫌



ケーリ―さんの塩対応




ケーリー=エクセルはウツロの所属する魔法協会北支部の経理担当である。

目つきが鋭い小柄な娘ながら、北支部職員全員の費用を管理する鬼の金庫番である。


日々、支部長と職員は外出していることが多いので

支部の事務所はもっぱら彼女の趣味の可愛らしい小物が置かれ、彼女の部屋のような状態になっている。顔に似合わずなんて言ったら殺されそうだが・・・


費用に関して適当でチャランポランなウツロとそりが悪く。

ウツロに対して辛辣に接することが多い。

彼女は年下とはいえ先輩なので逆らえない・・・



事例その1

【机に物を置かれている】

ケーリー「ああ、すいません。荷物を置く場所がなくて・・・まあ、いいですよね、いつも居ないですし・・・」

ウツロ「・・・くっ」




事例その2

【間違った処理をしたら辛辣】

その場にいるのに、魔法の書(メール)で連絡してくる・・・その場にいるのに

+++++++++++++++++++++

ケーリ―:ここの処理を間違えています。早急に処理をお願いします。

     希望納期~まで

+++++++++++++++++++++

ウツロ(・・・塩対応すぎるよ・・・)




事例その3

【あいさつの顔が笑っていない】

ケーリ―「おはようございます・・・」

ウツロ(怖っ)


しかも・・・イケメンの同僚の前では・・・とてもにこやか・・・

ウツロ(差別、差別)





飲み屋で、

ウツロ「これはもうパワハラだ・・・」

同僚「まあまあ、経理処理があいまいなウツロも悪いって・・・」



同僚「・・・彼女あんな態度とるけど、ちゃんとお前のことも認めてる部分もあるよ? ほら、この間の巨大スライムの件なんかは『子供を真っ先に助けた行動が悪いとは思えない。』ってお前の味方してたし・・・」

ウツロ「おお・・・そうなのか」



同僚(まあ、オオカミ森の件は『費用をちょろまかした奴を絶対に許さない』って言ってたけど・・・言わないでおこう)





そんな彼女だが・・・

任務に行く前は必ず



「気を付けて行ってきてください。」



と言葉をかけてくれる。事務的だけど、事務的だけど

きっと、命をかけて任務へ行く俺たちへの

最低限の礼儀だと思っているのだろう・・・


だったら、

もう少し優しくしてくれてもいいのではないだろうか

ウツロはため息をつく。

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