第9話 やけ酒



ウツロは拠点の街に戻り、下宿屋の1階の酒場でお酒を飲んでいた。




ウツロ「ぷはー」




ウツロはジョッキをテーブルに置く。

店員(相変わらず、全然減ってない・・・)

ウツロは酒に弱いのでいつもジョッキの半分しか飲めない。

しかも、その量を飲むと二日酔いになってしまう。




店員「ウツロさん、やけ酒ですか?」




ウツロ「ああ・・・今回は、真面目に仕事をしたのに、こっぴどく絞られた・・・真面目に仕事をしたのに」

店員(ああ、ウツロさんとしては そこ は許せないのか)




『最初に子供にしっかりと注意できていればこんなことには・・・』

『上位個体に一か八かで挑むなど・・・自覚が足りなすぎる。』

『初見の上位個体は何をしてくるかわからないのだぞ?結果倒せたから良かったものの・・・』

『飲まれた子は見捨てて、残りの子供と村人への注意喚起を優先すべきだった。あのときお前が死んでいたら、さらに被害が拡大していたぞ。』




あんまり、愚痴をこぼすのもかっこ悪いな、何より意味がないし面倒だ。

勘定を置いて店から出る。




「小指の関節ほども減ってないですねお酒」

「まあ、奴はカッコつけて飲んでるだけだからな」




ウツロはベットに倒れこむ。




ウツロはベットの中でまどろみながら思い出す。


村人との仲は変わらず険悪であったが、

村を去る時、ひとりの子供がこっそりお礼を言ってくれた。


「ありがとう・・・スライムのひと」



感謝してくれたひとがいた。

それだけで、『それはいい仕事だった。』そう思うことにしよう。

『スライムのひと』っていうのは少し複雑だけど・・・

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