第8話 未知との遭遇




近い




どんな魔獣だろうか

見た瞬間死ぬことも一応覚悟しとかないとな・・・

(メデューサなどは目が合った瞬間石になるらしい)

心臓の鼓動が聞こえる・・・意を決して木の陰から奴を見る。




そこに居たのは・・・直径3mほどの巨大スライムだった




そうきたか

もうちょっと『ワーウルフ』とか『オーガ』とかフォルムのカッコいい奴が良かったな



しかし、

長年スライムを見てきたけどこんな個体初めて見る

どういう原理でこうなったんだ?

まあ、いいか、初遭遇の個体だ。念写して応援要請して今日の仕事は終わりっと



巨大スライムは周囲の枝をバキバキ折りながら人の歩く程度の速度で移動する。



ウツロは魔法の書をスライムに向けて念写した。できた画像を確認する。

うーん、上手く撮れたけど・・・巨大具合が伝わり辛いかも・・・『これ単なるスライムだろ』ってツッコまれそうだ。


一番いいのは俺が横に並んでツーショットを撮影することだけど・・・



ウツロ「難しいよな」




巨大スライムの体の外壁に小波が立つ




ひゅん




ウツロはとっさに剣を構えて受ける。

スライムの体の一部がレーザービームみたいに伸びてきた。

間合いは10mほど・・・威力は思いっきり棒で突かれた程度・・・怖




ウツロはスライムから距離をとる

とりあえず、エレノールさんに画像と応援要請を送った。

村人にはしばらく森に近づかないように言っておくか・・・





巨大スライムの様子が変わる。





急に移動速度を上げていく・・・追いつけない





なんだ?・・・そっちは村の方・・・なんで急に・・・

村に近づくと、微かに子供の声が聞こえてきた。

そうか、声に反応して



スライムを追って、森の外に出た。

子供の悲鳴が聞こえる。



子供のひとりがスライムに飲まれているのが見えた。

他の子供が悲鳴をあげる。

「きゃあああああ」



ウツロは叫ぶ。




「声をだすな! 静かにここから離れろ」




ウツロの声の方が大きかったのか、レーザー攻撃はウツロの方へ向いた。なんとか剣で受けきる。

ウツロ「つつっ」



子供たちは悲鳴をあげつつ後ずさる。パニックになっているようだった。攻撃対象は子供に移る。

攻撃が通るか微妙だけど、出し惜しみしてらんないか。




コアの動きをよく見て

ウツロは巨大スライムに剣を突き刺して、魔法を発動する。




【風切り 変則技 鳥串】

突き特化技

斬撃を飛ばす風切りに比べて攻撃面積が小さくなるが

突き方向の威力が上がる。




ギリギリ急所に届いたようだ。

巨大スライムが溶けて水たまりに変わる。



飲まれた子供も息はあるようだった。

緊張が解けたのか、ウツロから大きなため息が出た。

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