第3話 茸の森の任務報告




子供っぽい火魔女





ミーティア領主領の村

今年は雨季が長かったので、

茸の化け物マタンゴランが大発生しているらしい。


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エレノール:そこでマタンゴランの討伐を依頼したいのですが・・・


ウツロ:しかし、斬撃は逆効果ですよ。斬ると2倍に数が増えますけど


エレノール:その辺りは大丈夫、本部から『火の魔法使い』を派遣します。

      あなたにはその護衛を依頼したいのです。

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待ち合わせは村の前か・・・

どんな魔法使いだろうか・・・

もしかしたら・・・美人のお姉さんだったりしないだろうか・・・




「ども、よろしくです」




現れたのは女・・・しかし、子供だった




「いいえ、私は子供っぽく見えるかもしれませんが、これでも20歳、お酒だって飲めるんですよ。」




いいさ、いいさ、俺にはエレノールさんがいるし・・・

エレノールさんはきっと美人でおしとやかで女神みたいなヒト・・・であったらいいな




夜中にマタンゴランの群生地へ出発する。夜中である理由は、あたたかい昼間は大量の毒胞子が散布されて危険だからである。ウツロはランプを片手に先頭を歩く。森は夜中でもランプ花が咲き乱れていて灯りがいらないほど明るいが念のため。



火魔女「いやー、夜中に出歩くなんてドキドキしますね」

ウツロ(子供か・・・)



ひたすら歩く。

弾まない会話・・・すまんな・・・採用条件に会話スキルはなかったんだ。




火魔女は構わず、ひとりで話し続ける。




「私はまだ、魔法学校を卒業したばかりなのです。今回が初めての実戦ですが、大丈夫。マタンゴラン程度、研修でも戦ったことがありますので・・・」




つまり、新人のお守りを依頼された訳か・・・ベテランの人だったら仕事が楽だったのに





さて、マタンゴランの群生地に到着

依頼された討伐数は30体

(討伐依頼数はその森の魔物生態系統計学で決められており、その数を討伐すれば人里におりてこないらしい。)




マタンゴランがゾロゾロ出てくる。夜は活動的だな・・・

マタンゴラン達はウツロ達にに気づいて、爪と牙を尖らせ襲ってくる。


火魔女「ひっ・・・」

火魔女は後ろ向きにしりもちをつく。


まあ、この程度、鞘にしまった剣で軽く突いて距離を稼いでおけば十分



火魔女「・・・あの・・・訓練のときのマタンゴランは爪も牙もなかったんですが・・・」

ウツロ「ああ、それは長く捕縛されてたからじゃないか?キュウリの収穫時にトゲトゲが出てるようなもんだ。」

火魔女「・・・そうですか・・・」



マタンゴランの数が増えてきた。

このまま囲まれると流石にまずいな・・・



ウツロ「すまん・・・火の魔法・・・急いでくれ」

火魔女「・・・すいません・・・」

ウツロ「今度はどうした?」





火魔女「・・・腰がぬけました・・・」






わらわらとさらに増えるマタンゴラン達・・・


ウツロ「・・・よし、撤収」

ウツロは火魔女を肩に担いでもと来た道を戻ることにした。



火魔女「きゃー、お尻触ってます。」

ウツロ「やかましい」



初日の成果:0体

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