第2話 仕事の報告は面倒




サイカスを倒した!





ここからが大変である。

まず魔法の書をつかってこの倒れたサイカスを念写する。

しっかりと証拠を残さないと仕事をしたこととみなされない。


というのも過去にモンスターを退治したと うそぶいて仕事をサボっていた者がいるらしいからだった。俺ではないけど



さらに仕事終わりには、村長のサインをもらわなければならない。村長は忙しい場合が多く、アポをとるもの大変だった。さらに村長からサインをもらうときはすごく嫌な顔をされる。

「本当に倒したのかね~」「もう一匹いるんだがね~」とかゴネられることが多い。この依頼で村は多大な出費をするわけだから費用分最大限働かせようとするのは当然だろう。(その費用は俺たちにはあまり還元されない。)

もちろん村長からねぎらいの言葉などは出ない。一般的に、感謝の言葉は支払うお金に対してこちらの仕事が多すぎた時に出るものだ。つまり、村長は高すぎる魔獣退治料に不満たらたらだということである。

村長と目も合わせず無機質にサインをもらって家から出る。




村人「兄ちゃんありがとよ・・・お礼に飯でも食ってくか?」

ウツロ「・・・ありがたいお誘いですが・・・」




接待を受けることは許されない。

協会公認の接待以外受けてはならない。この決まりは協会員とその他機関の癒着を防ぐためであるそうだ。過去に協会を後ろ盾にやりたい放題飲み食いした者がいるらしいからだった。俺じゃないけど、どこの馬鹿だろうか



最低限の食料を買い込んで、支部へ戻る準備を進める。

今回の移動は徒歩だった。

ああ・・・馬とか地鳥とか地竜とかの免許があれば・・・




魔法の書にメッセージが届く。

+++++++++++++++++++++++++

ウツロさんへ


魔獣退治お疲れ様。

先ほど報告書を確認しました。


支部に帰るまでが任務ですので、気を抜かず頑張ってください(^-^)


本部統括 エレノール

++++++++++++++++++++++++++


報告書が通ってよかった。

前は文章が理解できないとか念写のピントが合っていないとかで

報告書を再提出させられることが多かった。




・・・ああ、面倒くさい・・・





とぼとぼと街道を歩く・・・


(しかし・・・最近担当になったエレノールさん・・・会ったことはないけれど・・・顔文字は若い子アピールだろうか・・・多分、本部の事務の『おばちゃん』だろうけど・・・いや、『すごく美人な人』という可能性も数%はあるはず・・・)


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