第2話 気付いた先生がいた。
私は中学2年生になっていた。
姉は大学に合格し、1人暮らしを始めた。
つまり 母にとって
私への躾の時間が増えた。
部活は本当は違うところに入りたかった
スポーツをしたかった
でも
入学式のときに母は
私の今いる部活の顧問に
「娘はここに入れさせますから!」
そう約束してしまった
私の人生はすべて
あの人に決められている。
今日も部活から帰宅して、
遅いという理由で始まったルーティンワーク。
すぐに切り上げて、さっさと帰ってきているのに。
部員から怪しまれるほど早く帰ってきているのに。
部屋に戻って左手をみる。
…無数の切り傷だらけである。
母からではない。自分のしたこと。
逃れようと思ってしたこと。
小学生のころからしていたから、今になっては止められない。
夏はできないけれど、合い服冬服の今はし放題だった。
おかげで傷は化膿して
周りは赤くはれ
左手全体が赤かった。
その異変に気付く人はいないと思った。
私はクラスでも
認められていない存在だったから。
挨拶をしても99%返してはくれない。
運よく返してくれても悪態を突かれる。
そんなクラスがいづらかった。家もいづらかった。
私の居場所は
保健室 ただ1つだった。
保健室の先生は今まであったことがないくらいに優しい大人で
心のよりどころだった。
同等に、担任もそうだった。
話を聞いてくれることもあり、安心できた。
中学2年生の夏。
躾という名の虐待を受けて9年がたっていたころ。
私は家庭のことを相談し始めた。
そして
中学3年生の春。
実親と別れた。
戸籍上はそのまま、
里子となって里親家庭に預けられた。
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