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マンション付近は人でごった返していた。私は人をかき分けて、やっと現場の405号室たどり着いた。一息つくまもなく染谷が話しかけてきた。
「遅かったね、待っていたよ。」
私は深呼吸をしてから答える。
「人が多すぎるよ。ここに来るまでに一苦労だ」
私は、また深呼吸をした。
染谷は事件情報を話してくれた。私に話しても、もう知っていることなのだが、、
殺害されたのは30代の男性、同じく30代の女性の計二人だ。
二人ともリビングルームで血を流して倒れていたのだという。
二人とも包丁で首を刺されていて、争った形跡もあった。
私は、考え込むふりをしながら部屋をぐるりと見渡した。
CDプレイヤーがあった。私は人の家のCDプレイヤーを見ると、必ずいじってみたくなるのだ。電源を入れて、再生ボタンを押してみた。
その時、大音量のクラシック音楽が部屋じゅうに響き渡った。耳が痛くなるほどの音量で、鼓膜が破れるかと私は思った。
しばらく現場は静かになった。すると、マンションの廊下から怒鳴り声が聞こえてきた。隣の部屋の住人だ。住人は現場の部屋の前に来るといった。
「今日はいったいなんなんだ?殺人事件があるし、大音量の音楽が二度も流れる。一睡もできやしない。」
私はすこし疑問に思った。二度とはどういうことだろう。
私は聞いた。
「すみませんね。迷惑をかけて。聞きたいのだけれど、さっき二度も音楽が流れたと言っていたね。どういうことだい?」
住人は呆れた顔をした。
「だからね、夜中に隣の部屋から今みたいなのが流れたんだよ。丁度11時くらいかな。」
なぜだろう。
奥戸谷 源五郎の日記 @wakuwaku
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