第3話 嬉しいのだが、なんとなく…

 新規事業部の業績は想定以上に好調である。計画の2倍を全体で達成している。自分も順調に成績を上げられている。同期のメンバーもほとんど辞めないで頑張れているようだ。さらに中途入社で入ってくるメンバーも増えてきていて、来月からは新たにチームを作るのでそのリーダーになる予定である(新人の教育係みたいなものだが)。

 商材はAIを搭載したロボットのリース提案である。非常に高額な商材だが、リースであれば人件費と比較すると割安になる。24時間仕事をしてくれて文句も言わずに正確な仕事をしてくれる。万が一の故障時には3時間以内に代わりのロボットを用意するサービスを24時間体制で対応していることも評価されている。対応できる作業はプログラミングで世の中のほとんどの作業が可能である。人がいなくてロボットだけに切り替えていた精密機器メーカーと同じことがどんな環境でもできることが売りである。物流センターのピッキングから、食品工場の材料投入、フォークリフトの運転、ファミリーレストランや居酒屋の調理も発注情報と連動してすべてに対応している。故障したら3時間で交換してくれるのだからメンテナンスや取扱いの注意もそんなに気を遣わないでよいのである。

 さらに来月には営業のアシスタントとしてプログラムされたロボットがデビューする予定である。小型化と歩行がよりスムーズになった新型が開発されたからである。商談時に実物がプレゼンするのだからさらに評価を得られるはずである。また売れそうだ!!!

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