第7話

 神(??)の言葉とともに、本棚ほんだなの雑誌からあわい光がれる。その光がいくつもの像を結んでいく。


「かわいいでしょ、ユキちゃん」


 現れたのは、なんともカワイイ女子小学生……ってユキかよ、これ? 最近のメイクはすごいなー。


「認めようよ、ヒロ。ユキちゃんがかわいいって」


 いや、神さま、それは……。


 ちら、とユキに目をやる。確かに、背はちっちゃいが……高校生になって小学生役?


 そんな会話が交わされるとつゆ知らず、ユキはファッション選びに余念よねんがない様子。


 胸元むなもとの開いた大人っぽい服、を手に取るも、苦悶くもんの表情を浮かべる。


 タンスに戻し、手に取ったのは……。


 フ・リ・ル!


 ハートがら


 星形の耳飾みみかざり!


 そして胸元むなもとに俺!


 そしてユキのニンマリした顔!!


 頭の中まで子どもじゃないか!!!


「ロリコンマニアからついたあだ名が、J・S女子小学生の教祖様」


 おい、小学10年生!


 そ・れ・は・な・い・だ・ろ!!


「ありでしょ! かわいさ最強!」


 ぐっ、と指を立てて片目を閉じる神さま。アンタ、ロリコンの気がかなりヤバくないか?

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