第2話
「ねー、ヒロ、起きた?」
聞き覚えはないが、かわいい声が、ドアの外から俺を呼ぶ。
ま、まさか。
俺、無意識のうちに彼女でも作っていて、部屋に転がり込んでた?
「かわいいって思ってくれてありがとう。でも、彼女じゃないよ、もうっ.....。
な、何。心、読まれている?
「そうだよ、うん。入るよー」
ドアの隙間から見せる、大きな青い瞳をたたえた、あどけない笑顔。色白の
誰?
「はいっ! ボクは神さまだよ」
神?
古代ギリシャかローマかといった感じの大きな布を一枚、
ま、目の前にいるのだが。
「
いくらなんだって、神さま、はないだろ。もっともらしいこと言えよ。
う~ん、何というかな、二次元ヒロイン……。
とにかく、手にした杖が違和感バリバリなんだよ。なんていうか、魔法少女的な、メルヘンチックな感じのやつ。ピンクなんだよ、柄がピンク。その先端部には羽を広げ、
そんなことを頭に思い浮かべると、その、自称「神さま」は、まっすぐこちらへ駆け寄ってきやがった。壁を通り抜けて、床の位置を無視して宙を進む。
「これでも信じてくれないのかなぁ?」
俺に覆い被さんばかりに、真上からこうべを垂れる、自称・神さま。
ちかい、近すぎるって。
彼女(彼神?)の
俺の見ている世界の、その全てを支配される。
み、認めた。あんた、神!
「ありがとっ!」
彼女はまるでお
そして、俺のほうに向かって右手を差し出す。
「あ、ゴメン。一緒に踊って欲しかったんだけど、無理だよね」
そーですよ、俺にダンスは無理。っていうか、動けない。どうなってんだよ。
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